田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ホタテウミヘビ 試食

2006-07-31 | 田中川
ホタテウミヘビ
「あっ、ウナギだ」と誰かが叫んだ。
いつもの海岸でマテガイを捕っていたら、近くにいた人たちが騒ぎ出した。
穴の中から頭だけ出していた。穴の周りを掘りおこして、穴から引きづり出した。
体をくねらせて逃げ回るのを追い回して、ビニール袋に入れて持ち帰った。
ウナギにしては細身だと家族は言うが、天然ウナギだから身が締まっているのだ説明する。
腹を開いて、何を食べていたのかを調べる。ニホンスナモグリの大小の白いハサミが出てきた。
蒲焼にしてウナギ丼を作ろう。
身が切れない、硬い、骨が硬い。ウナギではないことに気がつく。小骨が多いからハモかもしれない。ハモなら、骨切りしないとダメだ。しっかりと骨切りして、蒲焼にした。
完成した料理を試食する。味付けは上手くいった。
骨だらけ。白くて硬い骨ばかり出てきて、身を食べることが出来ない。ハモでもない。
ハモの歯は犬歯があるなど鋭いはず、これは歯が目立たない。
こやつは何者だ。

ホタテウミヘビ
ウナギ目ウミヘビ科ウミヘビ亜科ホタテウミヘビ
帆立海蛇

体長は約70センチ。よくよく考えるとウナギの眼とは違う。口先にはヒゲがあるように見えたが、拡大してみるとヒゲではなさそうだが、何なのかは分からない。
近似種にミナミホタテウミヘビがいるが、区別点が判らない。
食用とはしないと試食後に知った。
2006.7.28

ホタテウミヘビ

ハマボウ 群落の予感

2006-07-30 | ハマボウ
ハマボウ発芽
ハマボウ古木の樹冠下に入ってみた。温室の中に入ったような蒸し暑さであった。1株の木なのに、幹は株元からいくつもに分かれ、ある幹は途中から土中に隠れて後に再び姿を見せる。いくつかの枝は土中から伸びてきている。アカテガニが幹を登っている。
この樹冠下に約1000株のハマボウが発芽している。7月9日に双葉を確認、23日のこの日は多くの株が複数枚の本葉を付けていた。
この古木の周辺約100メートルの間で、アイアシの茂みの中にも点々と発芽しているのを見つけた。
ハマボウは各地で群落を作っている。
ハマボウは開花まで7,8年かかる。10年後、この田中川干潟にハマボウの樹林ができているのだろうか。2006年の開花株は2本、10年後の開花株は?

ハマボウ 干潟に生まれる

ハマボウ花にキチョウ
ハマボウの花にキチョウ 2006.7.23


ハマボウに登るアカテガニ 2006.7.29


アミガサハゴロモ

2006-07-28 | 三重の生き物
アミガサハゴロモ
街中の公園、アラカシやシイ、モチノキなどが植栽されている遊歩道を歩いていて、木漏れ日を浴びているアミガサハゴロモに出会った。
黄緑色の粉が付いているので、羽化して間もない個体と思われる。
翅の白い斑紋が特徴。カシ類に集まり葉の汁を吸うらしい。
2006.7.27

アミガサハゴロモ
ケヤキの木に黄緑色の目立つ個体を見つけた。こちらのほうが羽化直後かと思われる。
2006.8.23

シロスジトモエ 

2006-07-25 | 
シロスジトモエ
朝早く、スーパーの玄関横の壁面で出会った。灯火に良く飛来するらしいので、夜のうちにスーパーの明かりにやってきたのであろう。
ヤガ科シタバガ亜科のシロスジトモエ。幼虫はサルトリイバラを食べる。
目と目が合ってしまうと、この大きな目(眼状紋)にはドキッとする。人間でもドキッとするのだから、この眼状紋は外敵から身を護る有効な武器になっているのだろう。
2006.7.24

ハマボウ 干潟に生まれる

2006-07-24 | ハマボウ
ハマボウ双葉
2006.7.9 ハマボウの古木の周辺で双葉のハマボウを見つけた。
ここ6年間くらい毎年、ハマボウの発芽を期待して観察、調査してきたが、これまで一つの発芽も確認できていなかった。
県内にはハマボウの群生地があちこちにある。ハマボウは多くの花を咲かせ、種子も少なくない。田中川の干潟ではなぜハマボウは群生しないのか。謎であった。
双葉の発見、一株だけではなかったのである。

ハイビスカス ハマボウ

ヤマトマダラバッタの幼虫たち

2006-07-19 | バッタ類
ヤマトマダラバッタ幼虫
7月中旬、いつもの砂浜へヤマトマダラバッタの幼虫に会いに行く。
ハマボウフウの種子は盗まれていないだろうか。車が乗り入れていないだろうか。そんな心配をしながら砂浜を歩く。
個体によって色合いやマダラ模様が異なる。コウボウムギやハマボウフウの葉上に止まってもすぐに砂地へと飛んでいく。跳ねていく。成虫には会えなかった。
何を食べているのか、どんな声で鳴くのか、まだ何も分からない。彼らとの付き合いはこれからなんだ。

ヤマトマダラバッタ幼虫

砂浜にヤマトマダラバッタ

オオヒラタシデムシ 幼虫と成虫

2006-07-06 | 甲虫
オオヒラタシデムシ幼虫
小太りの人が急ぎ足で行く、そんな風情の幼虫を追いかけた。
捕まえてみると脚は6本であったが、体の前半分に付いている。どおりで、体を重そうに引きずっているように見えた訳だ。体長は2センチくらい。近くに1センチくらいの幼虫も居た。どちらもオオヒラタシデムシの幼虫だと思う。成虫が近くに居たから、そう信じている。
オオヒラタシデムシ

年1世代だから、この成虫は越冬個体。
幼虫たちは腐敗した動物質を食べて8月末頃までに成虫になるという。
シデムシ科の仲間は動物の死骸に集まるという。

幼虫も成虫も何やら急いでいたようだが、雨上がりの河川敷で何か動物の死骸が出たのであろうか。



2006.7.2
鈴鹿川の河川敷にて

オオヒラタシデムシ


モンシロナガカメムシ

2006-07-04 | カメムシ
モンシロナガカメムシ
コガネムシ類や植物質のものが混じる動物の糞を見つけた。
この糞にナガカメムシ科のモンシロナガカメムシが集まっていた。触角第4節の基部が黄白色。小楯板に1対の黄色紋が無い。
ダイズやイネなどの植物に寄生する本種が動物の糞に寄ってくることが不思議に思えた。
近くに、オオヒラタシデムシの幼虫や成虫の姿も見つけた。
2006.7.2 鈴鹿川の河川敷にて
モンシロナガカメムシ
左が成虫、右はその幼虫と思われる。

モンシロナガカメムシ幼虫
本種の終齢幼虫と思われる。

カワラサイコ

2006-07-01 | 草花
カワラサイコ
バラ科キジムシロ属の河原柴胡
日当たりの良い河原や砂地に生える多年草。
三重県のレッドデータ絶滅危惧Ⅱ類。
ここは秘密の場所。周りは住宅地となっているが、取り残された砂浜が一画に残っている不思議な空間。ビロードテンツキやカワラマツバも生息している。
カワラサイコのこの地での生息は公にされていない。
2006.6.27
カワラサイコ