田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

コスズメ幼虫と成虫

2008-07-30 | 
コスズメ
庭のブドウの葉が何かに食べられている。夜の内に食べられている。
正体はコスズメの褐色型幼虫。
スズメガ科ホウジャク亜科
2008.7.27

コスズメ

コスズメ成虫
2008.7.29 近くの海岸でコスズメの成虫と出会った。
近くには、幼虫が食べるヤブガラシが群生していた。

アカウミガメ上陸跡

2008-07-29 | ウミガメ
アカウミガメ上陸跡
左上は産卵巣を調べている学生と地元民。上陸跡は海へ帰っていったときのもの。産卵は確認できなかった。

今年は各地でアカウミガメの産卵ラッシュと聞く。
河芸の海岸でもこれまで2ヶ所の産卵巣を確認している。
この日は犬の散歩を朝夕毎日している人から、ウミガメの上陸跡を2ヶ所見つけたとの情報を得て、夕方から調査に行く。
すでに三重大学の学生たちが調査中であった。
一つ目は犬の散歩などで人々が通る道中に、砂をかき回したような凹みがあった。掘り返してみたが、少し砂を除けただけで硬く黒っぽい土が出てきた。こんな硬さでは諦めてしまいそうと思ったが、なおも掘り進めてみた。50センチほども掘り進めたが、産卵は確認できなかった。
ウミガメの上陸跡をたどっていくと、もう1ヶ所砂を掘り返したような跡があって、これも調べてみた。ここはどれだけ掘っても乾燥した砂が出てくる。乾いた砂が次から次へと崩れてきて、産卵のための穴は掘れない。しかもこんなに乾燥した砂ばかりでは卵がダメになる。ウミガメも諦めて海へ帰ったのではと判断した。
2ヵ所目の上陸跡でも学生たちが産卵を確認できなかったと聞いた。
その翌日、2ヵ所目の上陸跡を見に出かけた。そこには3ヶ所も砂をかき回した跡があった。少し掘ってみたが、産卵巣は確認できなかった。なぜ、ここに産卵できなかったのか理解できないでいる。
2008.7.25

アカウミガメ上陸跡
海へ帰っていったときの足跡

アカウミガメ上陸跡
2ヵ所目の上陸跡。数日前のこの上陸跡は海へ帰っていったときのもの。

アカウミガメ上陸跡
産卵巣を掘り始めたものの、途中で掘るのを諦めて埋め戻したものと考えられる跡。


干潟と野鳥

2008-07-28 | 風景
田中川干潟
暑い日の夕方、田中川干潟に野鳥たちが憩う。
遠くの澪筋では、ダイサギ、コサギ、アオサギが仲良くエサ探しをしている。
左手前にはカルガモがいる。
アシハラガニの姿もたくさん見えている。
思わず、車を止めて、この風景を楽しんだ。
2008.7.24

ブチヒゲカメムシ幼虫と成虫

2008-07-26 | カメムシ
ブチヒゲカメムシ幼虫
海岸の荒地にダキバアレチハナガサが群生している。
その内の一株に近づくと、ブチヒゲカメムシの幼虫と成虫が何匹も見られた。
隣の株には一匹も居なかった。
ブチヒゲカメムシはマメ科、キク科、イネ科など多くの植物に見られるという。
私はクマツヅラ科のダキバアレチハナガサにいる彼らを何度も見かけている。
2008.7.21

ブチヒゲカメムシ幼虫
ブチヒゲカメムシ5齢幼虫 かなり毛深い

ブチヒゲカメムシ成虫
ブチヒゲカメムシ成虫 カメムシ科

ホソバセダカモクメ幼虫

2008-07-25 | 
ホソバセダカモクメ幼虫
ヤガ科セダカモクメ亜科 ホソバセダカモクメ幼虫

海岸の造成地でノゲシの群生が見られた。その内の一株に一匹のホソバセダカモクメの幼虫を見つけた。
その後、何度か同じところへ出かけているが、ついぞ見かけない。土中に入り、今頃は蛹になっているのだろう。
この幼虫は目立つので、これまで何度かお目にかかっている。アキノノゲシでも群れているのを見ている。
幼虫には何度も出会えているが、成虫を見た記憶が無い。
2008.7.21

ホソバセダカモクメ幼虫

ノゲシ
ノゲシ ハルノノゲシともいう

アミメキンセンガニ

2008-07-24 | カニ
アミメキンセンガニ
 アミメキンセンガニ抱卵♀ Matuta planipes Fabricius

鈴鹿沖の底引きで得られた生き物を観察する機会があった。
トリガイは低酸素の影響でほとんどが死んでいたという話を聞いた。
カニたちを入れた水槽を覗き込んでいると、アミメキンセンガニが斜めに上がったり、降りたりする泳ぎっぷりが目を引いた。
いつもは波打ち際で見かけることの多いアミメキンセンガニ。砂の中にすばやく潜る様子しかこれまで観察できていなかった。
歩脚は平板状。甲の表面は滑らかで、紫色の網目模様がある。
ハサミの形を見ていると、カラッパらしいなあと思えてくるが、このカニはカラッパ科からキンセンガニ科に変わったとの情報も流布されている。
学研の『日本の水生動物』(2004)ではカラッパ科、文一総合出版の『海の甲殻類』(2002)では近似種のキンセンガニをキンセンガニ科、小学館の『水の生物』(2005)ではキンセンガニをコブシガニ科としている。
いったい、アミメキンセンガニは何科が正解なのであろうか。
2008.7.19

キンセンガニ

アミメキンセンガニ
アミメキンセンガニ 上が♂、下が♀

アミメキンセンガニ
アミメキンセンガニ♂

グミオオウスツマヒメハマキ

2008-07-21 | 
グミオオウスツマヒメハマキ
ハマキガ科ヒメハマキガ亜科 グミオオウスツマヒメハマキ Hedya auricristana

グミオオウスツマヒメハマキの幼虫が葉を食べるナワシログミがこの辺りの海岸地帯に生えている。
ナワシログミの木から20メートルほど離れた海辺の土手の草むらで、この蛾と初対面。
浜風を受けながら、この蛾は海を見ていたのだろうか。
開張は16~22ミリ。
日本では北海道から屋久島まで幅広く分布している。
灯火にもやってくるようだ。
2008.7.21

グミオオウスツマヒメハマキ

膝の上のクマゼミ

2008-07-20 | 三重の生き物
クマゼミ
鈴鹿市の白子漁港近く。地面を歩いていたセミ科のクマゼミを見つけた。
膝に乗せて、眺めていたが、逃げようとする素振りも見せない。
毎年、クマゼミの声を聞くと暑い夏到来と感じる。
シュワシュワシュワと鳴いているように聞こえるが、何度聞いても鳴き声を正確に言うことが出来ない。本当は何と鳴いているのだろう。
2008.7.19

クマゼミ

コウヤツリアブ8mm

2008-07-19 | ツリアブ
コウヤツリアブ
17時過ぎの自宅にて。庭木の枯れ枝に止まったツリアブ。
ツリアブ科のコウヤツリアブ Anthrax aygulus Fabricius, 1805
ホシツリアブの学名Anthrax distigmaとの間で学名の逆転が生じているようで、昭和45年第4版発行の北隆館『原色昆虫大図鑑』には、「本種の学名には異論もある」と書かれている。
日本全土に分布する普通種。
コウヤツリアブの体長は約10~14ミリとよく紹介されているが、この個体は約8ミリしかない。
『岡山の昆虫』には、体長7~14ミリと紹介されている。同書によると、「幼虫はハキリバチ科、ドロバチ科、アナバチ科などの単独生活をするハチの幼虫に寄生する。ハチが巣を作っているとき、その付近に卵を産みつけ、孵化した幼虫はハチの幼虫の体液を吸って成長し、翌年初夏に成虫となる。幼虫時代の宿主によつて成虫の大きさに差が生じる」という。
また同書によると、「夏期に古い木造家屋や立ち枯れの木の周辺などで忙しげに飛び回る姿が見られる」という。
同様の環境が我家にあるということか。
クロバネツリアブも近くでねぐらを探していた。
2008.7.17
コウヤツリアブ

コウヤツリアブが暮らす風景

マエグロツリアブの訪花

2008-07-16 | ツリアブ
マエグロツリアブ
ヤブガラシの花にマエグロツリアブ♀ 2008.7.2 津市河芸町東千里にて

今年、マエグロツリアブが訪花していることを確認した。
ヤブガラシ、マサキ、アカメガシワの各花に訪花していたのを確認した。
ハマボウフウの花でも見かけたが、動きが激しすぎて、写真が撮れなかった。
同種間では餌場を争うようなことは見られなかったが、クロバネツリアブの訪花に対しては神経質と思われるくらい執拗に追い掛け回していた。

マエグロツリアブ
マサキの花にマエグロツリアブ♀  2008.6.25 田中川干潟にて

マエグロツリアブ
アカメガシワの花にマエグロツリアブ♀ 2008.6.24 津市河芸町上野にて

マエグロツリアブの三角関係

2008-07-15 | ツリアブ
マエグロツリアブ
ヤブガラシの葉上にマエグロツリアブが3個体。上が♀、下の2個体が♂。
雌雄の大きさは、ほとんど雌の方が大きいが、ときどき雌よりも大きい雄を見かける。幼虫時代に食べたエサの量によって、成虫の大きさに差が出てくると言われている。
3個体は、時々、葉から離れて、もつれ合うような動きを見せるが、争っているような様子ではない。
仲睦ましいカップルから少し離れて待機している雄がいじらしく思える。
マエグロツリアブのこの辺りでの生息地はこれまで考えていた範囲よりも広いことがだんだん分かってきた。
この3個体は我家から最も近い砂浜で見つけた。
2008.6.26

ツリアブ2種の距離

2008-07-15 | ツリアブ
ツリアブ2種
左上にマエグロツリアブ♀、右下にクロバネツリアブ

18時15分頃、マエグロツリアブとクロバネツリアブの2種が同じような場所で夜を迎えようとしていた。
ヤブガラシとマサキの花が見られる砂浜の草地の縁である。
私のカメラが近づきすぎて、マエグロツリアブ♀を驚かしてしまったので、彼女は寝場所を変更した。地上20センチほどの高さの所で休んでいるクロバネツリアブの方は全く動かなかった。2種の距離はさらに接近して15センチほどとなった。
この2種がこれほどの距離で夜を静かに過そうとしているのに驚いた。
昼間、ヤブガラシやアカメガシワの花で、後から訪花して来たクロバネツリアブを追い散らしているマエグロツリアブを何度も見ている。体の小さいマエグロツリアブの気性の激しさを感じていたから。この2種は仲が悪いんだと思い込んでいた。
大きさこそ明らかに違うが、本当にこの2種は良く似ている。似たもの同士は時に激しくぶつかり合うことがあるのだろうか。
2008.7.13

ツリアブ2種
左がクロバネツリアブ、右がマエグロツリアブ♀

マエグロツリアブ雌雄
砂浜のマエグロツリアブ
クロバネツリアブ

アオモンイトトンボ未熟♀

2008-07-13 | トンボ
アオモンイトトンボ未熟♀
ハマゴウの花が咲き出した。その群生地の砂浜でアオモンイトトンボと出会った。
メスの異色型未熟個体だ。この淡い朱赤色が私のお気に入り。
海岸近くの池でよく見られ、ヨシの茂る池が好みらしい。
アオモンイトトンボIschnura senegalensis 
イトトンボ科アオモンイトトンボ亜科
ヨシが茂っているような池はこの辺りには無い。
彼女はどこの池で生まれたのだろう。
2008.7.12 河芸一色海岸

夕暮れ時のゴマダラチョウ

2008-07-12 | チョウ
ゴマダラチョウ
19時10分前、近くの砂浜海岸でマサキの木の周りを私はまだうろついていた。
マエグロツリアブやクロバネツリアブの寝姿を見たくて、堤防近くの草むら周辺を丁寧に見ていた。
エノキの木が大小何本も生えている辺りに、大きなマサキの木がある。
マサキの花に絡むようにして、大型のチョウがゆっくり翅を動かしている。
タテハチョウ科のゴマダラチョウ Hestina japonica C. et R. Felder
前翅長は35~44ミリ
幼虫の食餌植物はエノキやエゾエノキ
翅をゆつくり閉じたり開いたりしながら、触角を揺らし、口吻をせわしなく動かしていた。
スズメバチがやつてきたため、ゴマダラチョウはどこかへ飛んでいった。
ツリアブたちはもう寝ているようであった。
2008.7.12

ゴマダラチョウ

トラフムシヒキ食事中

2008-07-09 | ハエ目(双翅目)
トラフムシヒキ
17時30分頃、海岸近くの空き地でトラフムシヒキの雌が食事中。
獲物はモリチャバネゴキブリ。

トラフムシヒキ
食事中の彼女に、背後からやってきた雄が上に覆いかぶさった。連結すると、このような姿勢に変わっていく。
雄が離れた後も彼女の食事はまだ続いていた。
少し離れたところに彼は待機して次の機会を待っていた。
この後のことは知らない。
2008.7.4 

砂浜のトラフムシヒキ
トラフムシヒキ羽化