田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

樹皮下にアオゴミムシ

2008-03-30 | 甲虫
アオゴミムシ
鈴鹿川の河川敷。
朽ちたヤナギ類の樹皮を剥がしていて見つけた。
体長は約15ミリのアオゴミムシ。
2個体を見つけたが、すばやく反対側に回って隠れた。
これまでに何度か出会っているが、動き回るので写真が撮れなかった。窪みに追い込んで、やっとじっとしていてくれた。
他の昆虫などを食べる。
北海道から九州にかけて分布。
2008.3.25

アオゴミムシ

アオゴミムシ

コクワガタ

2008-03-29 | 甲虫
コクワガタ
鈴鹿川の河川敷。
タチヤナギと思しき倒木の樹皮を剥がした。
カメムシやゴミムシの仲間もいた。カミキリムシの幼虫も見つけた。
いつの間にか、腕にコクワガタがくっついていた。
樹皮下で越冬していた成虫♂。体長は25ミリ、大あごも含めた全長は33ミリ。
クワガタムシ科。日本全土に広く分布。
大あごの中央に歯(内歯)がひとつだけ突き出ている。
ヤナギ類の樹皮剥がしも楽しい。

コウガイビル

2008-03-28 | 三重の生き物
コウガイビル
鈴鹿川の河川敷で漂着ゴミの下からコウガイビルを見つけた。
体長は7センチほどかと思っていたら、動き始めるとよく伸びる。あっという間に10センチを軽く超える長さとなった。
扁形動物で、ミミズやカタツムリなどを食べる。
体の中央腹面に口がある。肛門は持たない。
人には無害。触っても大丈夫だとは聞いていたが、触れなかった。
2008.3.25

カリガネ旅立間近

2008-03-23 | 
カリガネ
鈴鹿の池に2月頃から暮らしてきたカリガネとマガンの旅立つ日が間近に迫ってきているようだ。
今日は朝早くから夕方まで、一度も池で泳ぐことなく、近くの田で食事ばかりしている。旅立ちに備えて、腹ごしらえしているのだろう。犬を連れて散歩している近所の人が近くを通ってもほとんど逃げない。少し警戒はしているようだが、ひたすら食べている。カメラマンたちが近づいても全く動じない。
聞くところによると、最近はこの池で寝ていないようで、早朝に西の方角から飛んでくるという。
新聞やテレビでも紹介された彼ら、来年再びこの地へやってきてくれるのだろうか。
2008.3.22

カリガネとマガン

カリガネ

カリガネ


ハスジカツオゾウムシ

2008-03-20 | 甲虫
ハスジカツオゾウムシ
雨上がりの庭。
ミヤコワスレが植わるプランターでハスジカツオゾウムシを見つけた。
体長は10ミリ。
ほとんど動かないので、少し触ってみたら、葉から落ちて逆さまになったまま動かない。
手に乗せて、様子を見ていたら、やがて元気に動き出した。
でも、私の手にハスジカツオゾウムシの動く感触が感じられない。まるで忍者のように私の指の上を歩いている。歩いているのが見えていても、この虫の重みも、肢の爪の感触さえも全く感じ取ることが出来なかった。
2008.3.20

ハスジカツオゾウムシ

ハスジカツオゾウムシ

ベニヒラタムシ

2008-03-19 | 甲虫
ベニヒラタムシ
菰野町にある三重県民の森にはマツの倒木が多い。
この虫は枯れたアカマツの樹皮を剥がして見つけた。
ヒラタムシ科のベニヒラタムシ
上翅は光沢があり、強く密に点刻される。
体は著しく扁平である。
この日は暖かく、ベニヒラタムシは活発に動いた。そして、樹皮下に隠れてしまった。
2008.3.16

ベニヒラタムシ

ベニヒラタムシ

アクニオイタケ

2008-03-16 | 三重の生き物
アクニオイタケ
菰野町にある三重県民の森に出かけた。
松の木はほとんどが枯れ朽ちていた。
アカマツの朽木にきのこがいっぱい付いていた。
キシメジ科のアクニオイタケ 灰汁(あく)臭い茸
揉むと薬品の匂いがするよと人から教えてもらった。
針葉樹の倒木に良く見られる普通種のようだ。
2008.3.16

アクニオイタケ

ハマボウ種子落下

2008-03-12 | ハマボウ
ハマボウ種子
田中川干潟。若いハマボウに近寄った。
それほど強くは無い西風がハマボウの果実を揺らす。
果実は枝先にたくさん残っている。
果実の中の種子が見える。
果実を揺らして、種子の音を何度も聞いてみた。
株の周りにヨシが生えている。
落下したハマボウの果実と種子がヨシの周辺にも散らばっていた。
2008.3.8

ハマボウ種子

ハマボウ種子

コイチョウガニ

2008-03-08 | カニ
コイチョウガニ
鳥羽市浦村へ出かけた。カキ養殖業者の作業場でカニを探すためである。
鳥羽の小浜(おはま)沖の養殖場から引き揚げたカキの選別作業中であった。
泥をかぶった見知らぬカニが1個体見つかった。
イチョウガニ科のコイチョウガニ♂ 甲幅は25ミリ。
日本では九州以北に分布する。甲側縁には融合した9歯がある。体色は変異がある。
2008.3.7

コイチョウガニ

家に持ち帰って、霧吹きを使って洗浄した。アルコール浸け標本にしようかと思う。
コイチョウガニ

コイチョウガニ

コイチョウガニ

ハマジンチョウの花

2008-03-07 | 樹木
ハマジンチョウ
本州では三重県五ヶ所湾の獅子島にしか生育していないというハマジンチョウの花を見に出かけた。
島には渡らず、周辺の海岸地帯に植栽された数株を見ることが出来た。
ハマジンチョウは九州の五島列島に多産する海岸性の常緑低木で、波静かな入り江の奥の満潮線付近に生息している。ハマボウよりも更に海に近いところを好む。果実はコルク質で海水に浮く。
どの株もよく枝分かれして、横に広がっている。株の中を覗き込むと、枝のあちこちから気根のような根がたくさん出ていた。枝が地面に接するとすぐに根付くのではと思えた。
花の内側には濃紅紫色の斑紋があると図鑑には書かれているが、斑紋を確認することは出来なかった。
獅子島のハマジンチョウを植栽とする説もあるようだが、三重県レッドデータブック2005では絶滅危惧ⅠA類(CR)に選定している。
志摩市の波切港周辺でも植栽されていると聞く。
2008.3.3

ハマジンチョウ
堤防寄りの枝先に花が見られた。葉の数も多く、良好に生育しているように思われた。

ハマジンチョウ
葉数も枝数も多く、株の中は薄暗かった。
気根のように見えるが、ハマジンチョウには気根が無いと言われている。

ハマボウと鹿

2008-03-04 | ハマボウ
シカの糞
ニホンジカの糞とハマボウの果実

久しぶりに五ヶ所湾へ出かけた。
「日本最大のハマボウ群落」と現地の案内看板に書かれている伊勢路川のハマボウ群落を訪ねた。群落の中をのぞいてみると果実はすべて落ちてしまっているように見えるが、群落の周辺部に育つ株には果実がまだ多く残っていた。
群落から少し離れた山よりの湿地帯にもハマボウがあちこちに自生しているのに気づいた。かつては堤防も無かったのであろう、今では海と遮断された場所ではあるが、今なお生き続けているハマボウ。
車も入っていけない入り江の奥にハマボウの大きな古木たちの群落を見つけた。
その群落の中でシカの糞を見つけた。ニホンジカの糞であろう。ハマボウの株周りを調べてみると、ハマボウの樹皮が何ヶ所もむしり取られている。シカが食べたのであろうと思われる。
シカの食害にあっているハマボウなんて、聞いたことが無い。
2008.3.3

シカの食痕
むしり取られたハマボウの樹皮

ハマボウ
ハマボウの古木 
樹高は6メールを軽く超えていると思われる。ハマボウの幹は地をのたうちまわるような様相を見せるものだと思っていたが、この場所のハマボウたちは上へ上へと高く伸びている。

ハマボウ古木

ハマボウ古木
堤防越しに海側へと枝を広げるハマボウ
湿地と山は接している。

ニジゴミムシダマシ

2008-03-02 | 甲虫
ニジゴミムシダマシ
近くの海岸。古い納屋がいくつも建つ。納屋の東は北風もあたらない。
朽木下で越冬する体長約6ミリのニジゴミムシダマシ2個体を見つけた。カップルなのか仲良く片寄せあい、朽木の裏側で逆さまになって摑まっている。
北海道から屋久島まで広く分布している。
体背面は虹色に輝く。
「黒色で下面は赤~黒褐色」と図鑑には書かれていたが、この個体の下面は黒色にしか見えなかった。
2008.3.1

ニジゴミムシダマシ