田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ゴマクサ

2013-09-22 | 草花

ゴマノハグサ科のゴマクサCentranthera chevalieri Bonati

2013.9.7 伊賀市でゴマクサの生息を確認した.なかなか珍しい植物のようで,三重県では絶滅危惧ⅠB類(EN)に選定されている.名前は,花や果実がゴマに似ていることによるもの.

三重県レッドデータブック2005によると,日当たりの良い湿地に生える1年草.茎は直立して硬く10~60㎝で短い剛毛がある.県内ではいなべ市,鈴鹿市,伊賀市に記録がある.

愛知県でも絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定されていて,全国的に減少傾向の著しい湿地性植物だという.

栃木県では絶滅危惧Ⅰ類に選定されていて,「種子は翌年は発芽せず3~5年間休眠し、7月中旬に裸地で発芽する。ポリネーターはヒラタアブの仲間」だとするなど,ゴマクサの詳しい生態が記述されている.




ミヤマガンピ

2013-09-21 | 樹木

ジンチョウゲ科ガンピ属のミヤマガンピ Diplomorpha albiflora (Yatabe) Nakai

大台ケ原のどこかに自生している.三重県側か奈良県側か,はっきりしない.

日本固有種で,紀伊半島,四国,九州の標高の高い山地の岩石地にまれに見られるという.高さ1メートルほどの落葉低木.葉は対生,花は5~7月に本年枝の先に白い花をふつう2個づつつける.

奈良県では絶滅寸前種に,和歌山県では絶滅危惧1A類に選定されている.
三重県ではRED種に選定されていないということは,自生地が確認されていないか,未記録なのかのどちらかか?

2013.7

クロメンガタスズメ幼虫

2013-09-03 | 

スズメガ科のクロメンガタスズメ幼虫 Acherontia lachesis (Fabricius, 1798)

庭に植えたトマトに大きな幼虫を見つけた.これまで見たことのない幼虫であったが,どうやらクロメンガタスズメの幼虫のようである.尾角が強く湾曲しているので,近似のメンガタスズメの幼虫ではなさそうだ.

幼虫の食餌植物は,ゴマ科のゴマ、ナス科のナス、ジャガイモ、チョウセンアサガオ、タバコ、クコ、ゴマノハグサ科のキリ、ノウゼンカズラ科のキササゲ、マメ科のフジマメなど.
終齢幼虫の体長は80~90mmとのことなので,私が見つけた幼虫は終齢幼虫だと思われる.

クロメンガタスズメは南方系の種で,その分布は本州,九州,屋久島,沖縄諸島沖縄本島;台湾,中国,マレー,インド.
近年は関東の方でも見つかっているようだ.

鈴鹿山脈のあちこちで灯火採集をすると,時々成虫の姿を見かけることがあって,山地性のものかと思っていたが,まさか海岸近くでお目にかかるとは.

2013.9.3