田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

バンの幼鳥と若鳥

2012-10-29 | 

バンの幼鳥 2005.9.11 

津市河芸町西千里には,かつて何かを養殖していたと思われる浅い池があって,イトトンボの羽化観察などに何度か通ったことがある.あれから7年が経っているが,当時の古い写真の中からクイナ科のバンの幼鳥の画像を見つけたので投稿する.幼鳥たちは私の姿を見つけるなり,すぐに移動して草むらの名へ隠れてしまった.


バンの幼鳥 2005.9.11 津市河芸町西千里


バンの若鳥 2005.3.6 

田中川干潟周辺の池や水路でもバンの姿をときどき見かけることがある.この日は,津市河芸町上野の海岸堤防際にある旧養鰻池で若鳥を見かけた.あまり鳴かない鳥なのか,まだ鳴き声を聞いたことがない.

霊園から見える風景

2012-10-25 | 風景

鈴鹿市西庄内町の高台にあるとある霊園から見える風景である.霊園はあまり管理が行き届いていないようだ.遠くの町は,四日市港ポートビルが見えるから四日市港方面だ.伊勢湾の向こう側には,愛知県側の工場地帯もかすかに見える.

2012.10.20

スナヒトデの大量死

2012-10-24 | 三重の生き物

大量発生したスナヒトデがある時,大量に打ちあがった.波打ち際に延々とスナヒトデの死骸が連なっている.場所によっては数百もの死骸が固まって波に揺れている.ほとんどが死骸であるが,中には生きている者もいる.
きっと多くの二枚貝が食べられたことであろう.

こんな光景を,生き物の種類は変わるが,私は何度も見てきた.
2002.5.18





腕の管足がまだ動いている個体も見られた.


生きているスナヒトデは砂の中へもぐりこんでいく


トリガイ(左)とバカガイも打ちあがっていた.

トリガイ

2012-10-23 | 

ザルガイ科のトリガイ

時化の後,時々打ちあがることがあるトリガイだが,ほとんどは傷みがひどくて食べられない.

以前,近所の漁師が貝殻に損傷があって売り物にならないトリガイを届けてくれていたが,その方が亡くなってからトリガイを久しく食べていない.トリガイはとにかくうまいのである.ああ,食べたいなあ.
2007.7.15


オオノガイの上方にある2枚の丸い貝殻がトリガイ その周りにはバカガイやシオフキなどが多い 2011.9.6台風一過の芦原海岸にて

ホトトギスガイの大量死

2012-10-23 | 

2007.7.15 河芸町の海岸に大量に打ちあがったホトトギスガイ

海が時化た後の波打ち際を歩いていると,時々いろんな生き物が大量に打ちあがっていることがある.イガイ科のホトトギスガイもその一つである.スナヒトデも大量に発生して,大量に打ちあがったのを見たことがあるが,このホトトギスガイの死骸も波打ち際をおおい隠すほど打ちあがっていることがある.

年によってアサリやバカガイがさっぱり獲れないときがあるが,きっとスナヒトデかホトトギスガイが大量発生しているためではないかと思っている.


2007.7.15 ホトトギスガイ 砂交じりの足糸でくっつき合って大きな塊となっている.


2003.3.8 ホトトギスガイ

湿地のサワギキョウ

2012-10-18 | 草花


キキョウ科ミゾカクシ属のサワギキョウ Lobelia sessilifolia

伊賀市法花の湿地でサワギキョウの花を見つけた.高さ1メートルほどもあり,他に背の高い植物が生えていないのでよく目立った.丈の低い株やら倒れ掛かった株など,すでに花を落とした株が群生していた.花期も終わりのようだ.サワギキョウは紫色の美しい花を咲かせるが,有毒植物としても知られている.

『山に咲く花』によると,山地の湿地に生える無毛の多年草.しばしば群生する.花期は8~9月.

株に近づこうとしたら,周りの地面が揺れる.まるで浮島のような沼地であった.はまり込んだら抜け出せなくなるかもと思った.一人でやってきて,山道から外れた湿地に入り込むのは危険だ.くわばらくわばら.
2012.10.14


三峰山のツルニンジン

2012-10-17 | 草花

キキョウ科ツルニンジン属のツルニンジン Codonopsis lanceolata

松阪市飯高町の三峰山(みうねやま)に向かった.登山口までの道すがら,何度も車を止めて昆虫を探していると,これまで図鑑でしか見たことのなかったツルニンジンの花を見つけた.
『野に咲く花』によると,山麓や平地の林内に生えるつる性の多年草.花は側枝の先に下向きにつき,外側は白緑色で内側に紫褐色の斑点がある.茎を切ると,白い乳液が出る.花柱の先が大きくふくれて3裂し,裂片の幅が広いのはツルニンジン属の特徴のひとつ.花期は8~10月.別名ジイソブともいう.

気の滅入ることがあったら,遠出をする.きっとまだ見ぬ生き物に出会えるから.出会えたら幸せになれるもん.
2012.10.10



ヤマゼリ

2012-10-16 | 草花

セリ科ヤマゼリ属のヤマゼリ Ostericum sieboldii

松阪森林公園の近く.渓流沿いの道端に白い花を見つけたので,近づいてみた.
『野に咲く花』によると,ヤマゼリは山野に生える高さ0.5~1㍍の多年草.茎は中空で上部はよく枝分かれする.花期は7~10月.5個の花弁の先端は爪のように内側に曲がる.

なにか虫はいないかと探したが,虫は来ていなかった.

2012.10.10




モクズガニ雄

2012-10-07 | カニ

ベンケイガニ科のモクズガニ Eriocheir japonica

松阪市伊勢寺町の松阪森林公園へ出かけた.道沿いに堀坂川が流れる.道路脇の空き地に車を止めて,あたりをうろついていると,大きなモクズガニがハサミを広げて,こちらに襲い掛からんばかりに威嚇してくる.ハサミで挟もうとするかのような動きもする.
つかまえてやろうと思い,甲を人差し指で押さえながら親指と中指,そして薬指も動員してつかむが,逃れようとする歩脚のパワーがとてつもなく力強く,力負けしそうになる.なんてたくましい奴だ.ハサミも大きいので,恐怖を感じる.

『(続)故郷の動物』によると,「カニ類の中にも,河川を季節的に長距離移動するものがいる.イワガニ科のモクズガニで,ハサミにやわらかいふさふさした長毛が密生し,藻を生やしているようなのでこの名がある.大きな雄は甲幅八㌢余になり,とくに雄の毛は長くて濃密だ.本種は夜間以外は陸にあがることはめったになく,もっぱら水中で生活する.水中での移動は早く,遊泳も得意.」

それにしても川から上ってきて,モクズガニ雄はこんなところで何をしようとしていたのか.夜間以外は陸にあがることはめったにないというのに.
2012.10.5




群れるヒメセグロケバエ♂

2012-10-05 | ハエ目(双翅目)

ケバエ科トゲナシケバエ亜科のヒメセグロケバエ Penthetria velutina Loew. 1858

いなべ市藤原町の聖宝寺.草むらで群れるケバエを見つけた.どれも♂ばかりで,♀を見つけることはできなかった.どうやらヒメセグロケバエのようである.

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,ヒメセグロケバエは光沢のない黒色の胸部と細い後脛節および基付節を有することによってヒメセアカケバエと異なる.体長6.5~8.5mm.成虫は6~10月にかけてきわめて普通に見られる.

栃木県のケバエ(中村,2009)によると,体長,雄5.5~8.5mm,雌7.0~8.0mm.雄全身黒色.ヒメセアカケバエより小さく,翅が細い.雄の後付節は細く,膨らまない.トゲナシケバエ亜科の特徴としては,触角が短く,すべての節を合わせても頭部より短い.R4+5脈はゆるやかに湾曲する.

極めて普通に見られるというが,私が見つけた場所は標高が200m以上もある自然度抜群の山地,藤原岳への登山口であり,ヒメセグロケバエとは初めての出会いである.三重県ではこれまで正式な記録はなされていないと思われる.
2012.9.29






翅は褐色,縁紋は明瞭,r-mからのR分岐茎部とM脈のそれとはほぼ等長.(新訂原色昆虫大図鑑Ⅲ)
Penthetria属の特徴はR2+3脈は長く,R4+5脈と並行するように伸びる.(栃木県のケバエ)


顔のくぼみはヒメセアカケバエより大きい.(新訂原色昆虫大図鑑Ⅲ)










台風一過の白塚海岸

2012-10-04 | 風景

台風17号が通り過ぎた翌日に白塚海岸を通りかかった.なんと海岸堤防際まで砂浜が湖のようになっているではないか.こんな状態になっているとは想像もつかなかった.
確かに,台風が接近した前日の夕方は大潮の満潮と重なっていた.それにしても,ここまでとは.
その翌日でも砂浜の中央部の水は引いていたが,堤防際にはまだ池が残っていた.

この辺りには希少な動植物が生息している.きっと彼らに少なからずの影響は出ていることだろう.

2012.10.1