田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

カブラハバチ

2007-03-27 | ハチ目(膜翅目)
カブラハバチ
田中川河口の水門付近を久しぶりで歩いた。タデ科のギシギシの葉にハバチが止まっていた。

ハグロハバチ亜科カブラハバチ属のカブラハバチ。
胸部背面の橙黄色部は後方でくびれる。脛節は末端部のみ黒色。幼虫はアブラナ科の植物を食べる。

顔を正面から写そうとしたら、気づかれた。あっという間に手の届かない高さに上がって、流れるように飛んでいった。

2007.3.25

海岸の小さなカメムシ

2007-03-25 | カメムシ
ヒメオオメカメムシ
砂浜。打ち上げられた流木などが清掃もされず放置されている。
夏になると二輪や4輪駆動車が走り回る海岸。
流木がたくさん有って、歩きづらい砂浜のほうが好きだ。
波打ち際から最も離れた所にある、流木や漂着物の溜まった辺りを探した。

体長は約3ミリ。
ナガカメムシ科のヒメオオメカメムシ。
複眼が大きく突出する。
色彩には変化が多いようだ。
海岸や河川の地表で生活し、アブラムシやダニなどの小動物を食べているらしい。

2007.3.10



ハマダイコンの花に

2007-03-23 | ハチ目(膜翅目)
ハマダイコンにニホンミツバチ
砂浜の堤防近くに咲くハマダイコン。花の色には個体差があるようで、純白かと思われる個体も見かける。
この日は暖かく、ニホンミツバチの姿を見つけた。後脚に花粉ダンゴをつけて、花から花へと目まぐるしく移動していく。
春だ。そろそろ、動き出そう。
2007.3.11


コロモガイ

2007-03-21 | 
コロモガイ
イッカククモガニやアミメキンセンガニが打ちあがった海岸でコロモガイ科のコロモガイを見つけた。波が荒れた後、時々に見つかる貝ではあるが、生体には会えていない。
この個体の殻高は5.5センチ。これまで見つけた個体はこれよりも小さなものばかりであった。
殻は固く、蹴飛ばしても欠けるようなことは無い。
房総以南の水深10~50mの砂泥底に普通と図鑑に書かれている。
2007.3.10

マメコブシガニ♂

2007-03-14 | カニ
マメコブシガニ
波打ち際を歩いて、バカガイを探した。大きさを気にしなければ20個くらいはすぐに拾える。今年は当たり年かも。
マメコブシガニの♂を見つけた。すでに硬直していた。甲には丸い顆粒がたくさんある。
近くに居た母子が近寄ってきた。幼稚園児くらいの男の子が欲しがったが、「このカニは標本にするんだ」と言って、あげなかった。
彼の手にはマガキにくっついたタテジマイソギンチャクがあった。「家の水槽で観察するんです」と母親が説明してくれた。
2007.3.10
マメコブシガニ



流木のハネハクシ

2007-03-11 | 甲虫
アオバアリガタハネカクシ
砂浜の流木を裏向けると一匹のハネカクシが勢いよく動き出した。
アオバアリガタハネカクシ
体長は7ミリほど。体液が皮膚に付くと水ぶくれになるので、触ってはいけない。
上翅は青藍色に光る。
付近の砂浜では他に数種類のハネカクシを見ている。
2007.3.10

アオバアリガタハネカクシ


キクビアオアトキリゴミムシ

2007-03-10 | 甲虫
キクビアオアトキリゴミムシ
砂浜海岸。石を持ち上げて、のぞいて見たら、小さなゴミムシが1匹だけ居た。
オサムシ科アトキリゴミムシ亜科のキクビアオアトキリゴミムシだと思われる。
上翅の端が中途で裁断されているように見える様子から「アトキリ」の名が付いている。体長は7ミリほど。
すばやく何かの下へもぐりこもうとする。逃げ足が速く、伸び始めた草むらの中に入り込んでしまった。
2007.3.4

モモブトトビイロサシガメ成虫

2007-03-08 | カメムシ
モモブトトビイロサシガメ
モモブトトビイロサシガメの幼虫を見つけていたいつもの砂浜に出かけた。
幼虫の姿は無かったが、近くに捨てられていた鉄板の下から成虫3個体が見つかった。
成虫で越冬していた個体たちであろうか。集団で越冬生活していたことが判った。
近頃、流木や鉄板やら何でもひっくり返してみることにしている。
2007.3.4

澪筋のヘナタリ

2007-03-07 | 
ヘナタリ
黄色と黒のラインが美しい。
干潟の澪筋をたどって歩けば見つかる。泥っぽい所なら澪筋を外れても見つかることもある。
田中川干潟のヘナタリは健在である。個体数は7年前と比べて少し増えているような気がする。居る所には同種ばかりが結構かたまって生息している。
この日、出会った個体の中に殻色が少し白っぽいヘナタリが混ざっていることに気が付いた。白っぽい個体はこれまで見ていないように思う。元気にしていたから心配することもないだろう。
フトヘナタリ科
2007.3.4

ヘナタリ

ヘナタリ



ヤブニッケイの虫こぶ

2007-03-06 | 虫こぶ
ニッケイハミャクイボフシ
伊勢湾台風後に改修された三重県内の海岸堤防はほとんどの植生を犠牲にして造られたものである。
子供の頃に、ジャングルに遊びに行くと親に言って、出かけた目的地はいつも海岸堤防下。浅くて綺麗な流れがあり、その両側を海岸性の木々が覆う。
高校の地理の時間に、自分たちが子供の頃から遊んだジャングルはラグーンの地形が残されている所だと教えられた。
ラグーンの面影が残る当時の風景は、田中川干潟を除くとほとんど無いと言ってよい。
この日、田中川干潟から遠くない場所で、子供の頃に遊んだ風景とよく似た印象を受けるスポットを見つけた。
ナワシログミ、ネズミモチと並んでヤブニッケイが自生していた。
このあたりにヤブニッケイが自生していることを初めて知った。
そのヤブニッケイの葉に虫こぶを見つけた。
ニッケイトガリキジラミがヤブニッケイの葉脈に沿ってつくる虫こぶで、ニッケイハミャクイボフシという。幼虫は葉裏の窪みに一匹づつ張り付いていて、春に羽化するらしい。
ラグーンの流れはドブ川となってしまったが、植生の残るスポットの発見がささやかな幸せを感じさせた。
2007.3.4

マルガタゴミムシの一種

2007-03-03 | 甲虫
マルガタゴミムシの一種
鈴鹿市内のある古い神社の森の中で落ち葉下の甲虫を探した。
落ち葉をかき集めてフルイにかける。集めた腐葉土を持ち帰ってから、少量づつ白い器に移しながら甲虫を探していく。
クロミジンムシダマシという丸くて小さくて光沢のある甲虫の数が多かった。
1個体だけであったが、マルガタゴミムシの一種が見つかった。
体長は約9ミリ。類似種が居るようで図鑑を調べても同定は不可能。三重県内には同定できる先生は居ないらしい。東京の研究者のところへ標本を郵送すれば同定していただけるようである。
何々の一種と標本ラベルに書くのは気が進まない。
2007.1.27

マルガタゴミムシの一種

マルガタゴミムシの一種