田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

マダラガガンボ

2012-04-26 | ハエ目(双翅目)

ガガンボ科のマダラガガンホ゛Tipula coquilletti

青山高原で翅長が30mmもあるガガンボと出会った.体長は40㎜を超えている.マダラガガンボの雌である.
新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長30mm前後,翅長22mm前後.翅に比べて腹部の著しく長い大型のガガンボで,平地から低山地で5月~7月頃普通に採集される」という.

原色日本昆虫図鑑(下)によると,「翅長25~30mm.体は主として暗褐色.あしは褐色で顕著な紋はない. 翅は褐色をおび,翅脈は黒褐色で,前縁に沿って大きな暗褐色の2斑紋がある.Cu脈の基方の2/3と臀脈に沿って暗色条が明瞭.」などとある.

2012.4.24


マダラガガンボ近縁種♂

コツバメ

2012-04-25 | チョウ

シジミチョウ科のコツバメCallophrys ferrea

青山高原で コツバメと出会った.幼虫の食草はアセビのつぼみ.アセビの多い青山高原を代表するようなチョウである.蛹で越冬し,年1回,早春にのみ発生するという.

『広島県鳥蝶類図鑑』に「明るい落葉広葉樹の周辺に生息し,成虫はやっと芽吹き始めた明るい雑木林を,せわしなく飛翔し」とあり,まさにそんな風景の中での出会いであった.
このチョウはこのあと飛んで行ったが,翅表の青色が見えたので,きっと雌だったのだろう.

2012.4.24

ヤマトシジミ交尾

2012-04-21 | チョウ

シジミチョウ科のヤマトシジミPseudozizeeria maha

鈴鹿川の河川敷でノイバラの葉上にいるヤマトシジミを見つけた.翅裏の色や斑紋の濃さの違いは個体差によるものなのだろうか.発生時期は年5~6回か.幼虫の食餌植物はカタバミ類.
この辺りでは最もよく見かけるシジミチョウだが,チョウへの関心が最近は少しも湧かない.三重県には優秀なチョウ屋がたくさんいるから,しっかり調べつくされているんだろうと思う.その人たちに任せておこう.

最近聞いた話では,三重県立博物館に新しい昆虫の学芸員が採用されたそうな.県外の博物館で働いた経験があるとかで,今後の活躍を期待したい.

2012.4.20


コバネナガカメムシ長翅型

2012-04-20 | カメムシ

ナガカメムシ科のコバネナガカメムシ長翅型

四日市市,鈴鹿川の河川敷を歩きまわった.草むらの中を進んでいくのだから,結構疲れる.
タモを振ると短翅型のコバネナガカメムシがいくつも入ってくる.しゃがみこんで草の中を覗いていると,長翅型のコバネナガカメムシを見つけた.

2012.4.19

短翅型のコバネナガカメムシは以前に紹介している.

アオモンツノカメムシ

2012-04-01 | カメムシ

ツノカメムシ科のアオモンツノカメムシ Dichobothrium nubilum (Dallas)

亀山市の里山公園を訪ねた.駐車場もあり,トイレもあり,ちょいと立ち寄るにはもってこいだ.国道306号線から少し入ったところだから,鈴鹿山脈の昆虫を調べに出かける道中にこれからも立ち寄ろうと思う.この日は暖かく,木道や林縁を散策していても心地良かった.

アオモンツチカメムシを見つけた.
カメムシ図鑑によると,「体長7-9mm.黄緑色の地に赤褐色の斑紋があり,革質部の中央後方よりに判然としない小さな暗色斑がある.前胸背側角の突起は弱く,先端が鈍角で,先のみ黒褐色を帯びる.」とある.
なお,同図鑑には「本種に酷似した別種が本州に分布する」とあり,難儀な話だ.

新しいカメムシ図鑑はいつ発行されるのか,待ち遠しい.
2012.3.29