田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

スギドクガ幼虫

2007-11-26 | 
スギドクガ
庭のスイリュウヒバを剪定していて、スギドクガの幼虫を見つけた。
スギ、ヒノキ、カイヅカイブキなどの針葉樹の葉を食べる。新葉よりも古葉のほうを好むらしい。
スギドクガは無毒と言われているが、どうも触る気にはなれなかった。
2007.11.23
スギドクガ♂

スギドクガ

スギドクガ

晩秋の蛾

2007-11-23 | 
ケンモンミドリキリガ
昼下がり、部屋にケンモンミドリキリガが飛び込んできた。パソコンラックに止まって、動かなくなった。
ヤガ科エゾモクメヨトウ類
10月や11月に現れる晩秋の蛾。
幼虫はヤマザクラを食べるらしいが、近くにヤマザクラは無い。
2007.11.21
ケンモンミドリキリガ

ハマボウ秋色

2007-11-22 | ハマボウ
ハマボウ
田中川干潟のハマボウが紅葉しはじめた。
津市河芸町地内で、地元が誇れる古木はこのハマボウである。

最近、この古木の周りには漂着してきたものやら、堤防から投げ入れられたものやらでゴミが多くなってきた。注射針で怪我をした人もいた。
空き缶を拾う人を見たことがある。小遣い稼ぎになるらしい。
ノイバラを刈り取りながらゴミを片付けていた人も知っている。
観察会で参加者にゴミ拾いをしてもらったことも有る。
それでも干潟のゴミは増えていく。
2007.11.17
ハマボウ種子
ハイビスカス・ハマボウ
紅葉するハマボウ
ハマボウ 群落の予感
ハマボウ 干潟に生まれる

ハマボウ

マサキのミノウスバ

2007-11-21 | 
田中川干潟のマサキの木にミノウスバが産卵していた。
卵には自分の尾の毛を貼り付けていく。
雄の姿は見かけなかった。
ミノウスバの成虫は11月に現れて、産卵を終えると程なくして姿を消す。
マダラガ科の蛾。卵で越冬する。
2007.11.17
ミノウスバ

ミノウスバ

この1週間ほど前、16時頃、マサキの木の周りをたくさんのミノウスバが飛びかっているのを見た。
1組のペアーの交尾シーンを見つけた。
マサキの葉上で、櫛歯状の触角を持つ雄が動き回っている。雌の方はほとんど動かない。交尾の姿勢がなかなか定まらないようだ。
最後の写真が、どうやら按配がよろしいようで・・・。
ミノウスバ

ミノウスバ

ミノウスバ

ミノウスバ


アカエグリバ

2007-11-19 | 
アカエグリバ
ミノウスバに会おうとして、干潟周辺のマサキを見て回った。
落ち葉のように見えたが、以前にも出会ったことがあるので、すぐに蛾だと気づいた。虫食いの落ち葉に擬態している。葉脈も見せている。
ヤガ科エグリバ類のアカエグリバ
夜行性のようだから、日中はこのように休んでいるのだろう。マサキの葉を動かして撮影したが、このアカエグリバは全く逃げる素振りはしなかった。
成虫は広葉樹の樹液を吸う。
アオツヅラフジを食べる幼虫にはまだ会えていない。
2007.11.17

アカエグリバ

歩くハスモンヨトウ

2007-11-17 | 
ハスモンヨトウ
庭木の剪定をしていて、キンメツゲの株元付近でハスモンヨトウを見つけた。
動かないので、少し触ってみた。翅を小刻みに震わせる。震わせるのを止めると、すぐに歩き出した。すたすたと歩いて逃げていく、そして落ち葉の下にもぐりこんだ。
歩いて逃げる蛾がいるんだ。そう思うと笑えて来た。
斜紋夜盗 ヤガ科ヨトウガ亜科 幼虫は野菜類の害虫
2007.11.13

ハスモンヨトウ

テングイラガ幼虫

2007-11-15 | 
テングイラガ幼虫
庭のサンシュユ(ミズキ科)の木で、テングイラガの赤い幼虫を見つけた。
毒棘に触ると激痛を覚悟しなければならない。
ブルーベリー(ツツジ科)の木にもいるのを見たことがある。
緑色型の幼虫もいるようであるが、私のタイプはこの赤色型。
2007.11.13

テングイラガ幼虫

テングイラガ幼虫
サンシュユの葉裏にて。葉を食べるテングイラガの幼虫

11月のヤマトマダラバッタ

2007-11-12 | バッタ類
ヤマトマダラバッタ♀
田中川河口右岸の砂浜を歩いた。ハマボウフウの群生地を海側と干潟側とを一回りしてきた。
出会ったバッタ科はクルマバッタモドキ一匹とヤマトマダラバッタ♂♀各1匹だけであった。いずれも干潟よりのところにいた。ヤマトマダラバッタの2個体はかなり離れたところにいたので、彼らが出会うことは二度とないであろうと思われる。
体色は茶色っぽく、真夏の頃の美白は消えていた。
写真は余命いくばくもないヤマトマダラバッタ♀。
2007.11.10
ヤマトマダラバッタの雄雌関係
ヤマトマダラバッタの幼虫たち
砂浜にヤマトマダラバッタ

ヤマトマダラバッタ♀
雌の産卵器が黒い。なぜ黒いのか、訳は知らない。

ナスビの幼虫

2007-11-11 | 
クロメンガタスズメ幼虫
畑のナスビ1株、葉がなくなっていた。
犯人はこの大きな幼虫、スズメガ科のクロメンガタスズメの幼虫である。
顔の両サイドに黒いラインがあり、尾角がよく湾曲しているのが特徴。
30分ほど眺めていたが、このポーズのまま動かない。
いったい、いつ食べているのだろう。翌日、のぞきに行ったら、別株に移動していたものの、やはり同じポーズであった。
2007.11.9

クロメンガタスズメ幼虫

マイマイカブリ幼虫

2007-11-09 | 甲虫
マイマイカブリ幼虫
アスパラの苗を植え込んだ畑。
ワラの間でナメクジを食べている甲虫の幼虫を見つけた。
幼虫も成虫もカタツムリやミミズなどを食べるマイマイカブリの幼虫のようである。
成虫は夏の夜に出現する。我が家の玄関周りでも見かけるが、幼虫とは初対面。
ワラを動かしてみても、この幼虫は獲物を放さない。ナメクジの体の中に頭部を突っ込んで、消化液を出し、溶けた軟体部を食べている。
2齢幼虫であると同時に終齢幼虫でもある。
2007.11.5

マイマイカブリ幼虫

マイマイカブリ幼虫


マイマイカブリ幼虫
軒下に置いてあった培養土の袋を持ち上げたら、マイマイカブリの幼虫があわてて逃げ出し、靴の下にもぐりこんでしまった。そおっと足を上げると、幼虫がしばらく動かずにいてくれた。
2007.11.9

アブラススキ

2007-11-07 | 草花
アブラススキ
丘陵地の谷あいの低地を谷戸(やと)と言う。
谷戸の山道は生き物との出会いの場である。行くたびに、まだ見ぬ生き物たちとの出会いに心ときめく。
毎年、この時期、この山道でアブラススキと出会う。道にかぶさるように花序が垂れる。
イネ科アブラススキ属
2007.11.4

アブラススキ
花序の中軸や枝から、嫌なにおいの液体が分泌される。
葉舌の背面に白い細毛が生えている。

アブラススキの黒やに病
黒やに病に侵されたアブラススキの葉
黒く艶があり、盛り上がっている。チガヤやチカラシバなどでも見られる病気。クロカワキン科の黒やに病菌によるもの。

イカリモンガ

2007-11-06 | 
イカリモンガ
里山の明るい山道でイカリモンガと出会った。
もっとも、ベニシジミと思って追いかけていたのだが、羽の模様を確かめてベニシジミではないことに気が付いた。
昼間から活動し、翅を閉じて止まるなどの特徴からチョウの仲間と間違えられる。
雄が性ホルモンを出して、メスを呼び寄せる蛾。模様には個体差がある。
幼虫はオシダ科のイノデを食べる。
成虫の出現月は6~9月。8月に羽化したものは越冬するらしい。この時期に姿を見せたこの個体はきっと越冬するのだろう。
イカリモンガ科 イカリモンガ亜科 錨紋蛾

2007.11.4

トビイロツノゼミ

2007-11-05 | 田中川
トビイロツノゼミ
里山の山道を散策した。
ベニバナボロギクのつぼみの傍に体長5ミリほどのトビイロツノゼミが同じ姿勢でじっとしていた。
胸部背面に一対の突起がある。耳のように見えるが、場所は背中。
目の位置がやけに低く感じられる。
成虫の出現月は5~9月というから、この子もそう長くは生きていないだろう。
ヨコバイ亜目ツノゼミ科
2007.11.4
トビイロツノゼミ

トビイロツノゼミ

トビイロツノゼミ

河川敷にセイタカヨシ

2007-11-03 | 草花
セイタカヨシ
急に思い立って、櫛田川の河口に出かけた。
堤防道路を車で走行中に、河川敷にセイタカヨシが群生しているのを見つけた。
背が高い、3~4メートルはあろうか。ヨシと異なり、葉が垂れない、花序も大きい。水辺に生える大型の多年草。
名前だけは前から知っていたが、実物を見たのはこの日が始めて。
セイコノヨシとも言う。
2007.10.31
セイタカヨシ

セイタカヨシ

ヤマトマダラバッタの雄雌関係

2007-11-02 | バッタ類
ヤマトマダラバッタ
ハマニガナの群生する砂浜で、ヤマトマダラバッタが10月の下旬に元気で飛び回っているのを見つけた。
一匹の雌がじっとして動かないので、しばらく眺めてみることにした。

ヤマトマダラバッタ
いきなり、どこかから雄がやってきて、雌の上に乗っかった。雌は動かないまま。

ヤマトマダラバッタ
30秒も経たないうちに、雄はどこかへ行ってしまった。雌は見送ることもしない。

ヤマトマダラバッタ
いつの間にか、雌の周りに3匹の雄が近づいてきた。

ヤマトマダラバッタ
一匹の雄が雌の上に乗る。雌は動かない。他の雄たちも関心がなさそうである。
やがて、ほどなくして雄たちはいなくなり、雌一匹だけが残った。彼女はなおも動かなかった。
ほんの5分ほどの間ではあったが、この淡白で希薄な関係を眺めてから1週間ほど経過した今も、あの光景を何度も思い返す。
希薄な関係もいいなあ。