田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

砂浜のコガタノミズアブ

2010-06-29 | ハエ目(双翅目)

ミズアブ科のコガタノミズアブ Odontomyia garatas Walker, 1849

津市の豊津海岸。砂浜に生えているマサキの花が咲き出した。
その中に黄緑色のハナアブのようなハエを見つけた。
調べてみると,ハナアブではなく,ミズアブ科のコガタノミズアブであった。

三重県レッドデータブック2005では絶滅危惧Ⅱ類に選定されていて,「水田や湿地に固有の種で,かつては市街地付近でもみられた普通種であったが,全国的に個体数が著しく減少している。三重県でも現在,局所的に分布地が見いだされる状態にある。」という。また,「県内では四日市市富田,松阪市松名瀬での記録がある。」といい,「生時は青色の幻色を呈し,死後黄色に変化する」という。

富田では1997年7月19日と2001年7月16日に採集されている(蒔田,2005)が,三重県レッドデータブック2005では2001年6月16日の標本写真が掲載されている。6月16日か7月16日か,どちらかが間違っている。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長13㎜内外。♀頭部黄褐。♂の複眼は相接し,♀では広く離れる。7月に出現。」

『札幌の昆虫』によると,6~8月に川,沼の水面の水草上で主に見られるとのことである。

『鈴鹿市の自然』によると,8月初旬に「岸岡町岸岡山で採集された。以前は水田に普通に見られたが,現在は水田から姿を消し,生息地は局所的で自然度の高い河岸,池,沼に限られている。」

文献
蒔田実造.2005.四日市市冨田のコガタノミズアブとミズアブ.ひらくら,49(5):83.

2010.6.29

複眼が広く離れているので♀

追記
雄にも会いたくなって7月1日に同所を再訪した。炎天下,2時間待って,やっと会えた。

♂頭・胸部黒色。




腹部は黄緑~黄褐,各節基部に後縁波状を呈する黒帯をもつ。(新訂原色昆虫大図鑑Ⅲ)

トラフムシヒキ羽化

2010-06-26 | ハエ目(双翅目)

ムシヒキアブ科のトラフムシヒキ Astochia virgatipes (Coquillett)

三重県津市北部の豊津海岸。何年か前にアカウミガメが人知れず産卵して行った場所で,動かないトラフムシヒキ雄を見つけた。カメラを近づけたら,ほんの少しだけ動いた。生きている。
よく見ると,脚の色が白っぽい。翅が短い。羽化直後の個体である。1~2センチほど離れたところに砂に埋まった蛹の殻が見える。
このトラフムシヒキは2010.6.25の14時半頃に海岸の砂浜で生まれたのだ。

今年の砂浜海岸は例年に無くムシヒキアブの仲間が多いように思う。トラフムシヒキも去年は出会った記憶が無く,やはり絶滅危惧種だなあと思っていた。ところが今年のトラフムシヒキは4~5頭が群れている場面にも出くわして,町屋海岸や島崎海岸でも見かけるなど,砂浜を歩くたびに出会っている。

(大石ら,2006)によると,分布は「北海道,本州,四国,九州.国外ではサハリン,モンゴル,台湾に分布.県内では川越町高松,伊賀市一之宮,尾鷲市古和谷で記録がある.」とし,「成虫・幼虫ともに捕食性.シオヤアブに似るが翅脈によって区別できる.」という。
伊賀市や尾鷲市の記録は何の文献に載っているのか,私には今のところ確認できていない。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「翅は淡黄褐,M3と2ndMの両室は接する。脚は黄褐ないし赤褐,腿節は大半黒く,脛節末端及び付節も多少黒ずむ。前付節はやや拡大する。」

日本昆虫図鑑(1950)によると,「中形,黒色・額は頭幅の1/5弱,灰色粉にて密に被われ,側縁に黒毛を生ずる.翅は細く,外縁わずかに曇り,R1・M3及びCuは翅縁前にて鎖され,Cu1はMとM2との接点より生ずる.腹部は細く,各節後縁は灰色粉にて被われる.産卵管は甚だ細長,4節からなり,黒く光沢がある.雄の生殖器は顕著,上鋏子は長太,背片は細長く背上に突出し,毛塊を生ずる.体長19-24mm.」

普通種であるが,♂の採集例は少ない(蒔田,2002)

大石ら(2003)は本州の海浜性ムシヒキアブ相の基本的な構成要素であろうとして,トラフムシヒキ,ヒラタムシヒキ,ハマベコムシヒキ,Epitriptus sp.の4種をあげている。

文献
蒔田実造(2002)トラフムシヒキを三重郡川越町で採集.ひらくら,46(1):23,三重昆虫談話会.
大石久志・乙部宏(2003)三重の海浜性ムシヒキアブ.はなあぶ,16:49-52,双翅目談話会.
大石久志・蒔田実造(2006)トラフムシヒキ.三重県レッドデータブック2005動物:328,三重県環境森林部自然環境室.
田川勇治・山内智(2007)青森県のムシヒキアブ若干種について.青森県立郷土館調査研究年報,31:43-46.
トラフムシヒキ食事中
砂浜のトラフムシヒキ


羽化直後のトラフムシヒキ雄
前脚跗節第1節が多少太くなり,下面にスプーン状の剛毛がある(田川ら,2007)とのことだが,私の手元にある標本をあらためて調べたところ,スプーン状の剛毛は雌には無かった。また,雄の前跗節第1節には内側にのみしか生えておらず,下面の剛毛はスプーン状にはなっていなかった。雄の前跗節第2節以降には両サイドにスプーン状の剛毛が生えていた。


スプーン状の剛毛。肉眼では見えにくいと思うが,ルーペを使えば見える。雄だけの特徴だと思う。


砂から掘り出したトラフムシヒキさなぎの脱皮殻
トラフムシヒキの幼虫はこの砂浜で何を食べていたのだろうか。属は異なるが,シオヤアブの幼虫は土中にてコガネムシの幼虫を食する(田川ら,2007)。

コハンミョウの共食い

2010-06-25 | 甲虫

コハンミョウ  Myriochile specularis (Chaudoir)

三重県津市の豊津海岸。
堤防から砂浜へと続く小道は粘土質の土が入れられていて,人々によって硬く踏み固められている。雑草が疎らに生えた,いわゆる裸地となっている小道にコハンミョウがたくさん見られた。砂浜では何度か見ているが,こんなに群れを作っている様子には出くわしたことが無かった。

幼虫の巣穴もそこかしこにあった。
あちこちにコハンミョウの死骸があった。死んだばかりのものやバラバラになった死骸もあった。
誰が襲ったのかと辺りを探した。
交尾中かと思われた2頭のコハンミョウにカメラを向けると,どうも体位がおかしい。良く見ると,コハンミョウの雌がコハンミョウを共食いしているところであった。犠牲者の雌雄は分らなかった。食事中は接写ができる。

『鈴鹿市の自然』を見ると,コハンミョウは灯火採集でも捕れている。
原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)によると,「11-13㎜。後腿節の下縁に鉤毛を列生する。♀の上翅には鏡紋をそなえる。平地の砂質地にふつう。」などとある。
ハンミョウ類の同定にはその上唇を見て,形と毛の本数(4本)を調べる。N氏から,そう教わっている。
2010.6.25


雌の上翅基部に黒褐色の一対の鏡紋がある。


ほぼバラバラにされてしまった。

上翅基部に黒褐色の鏡紋がないから雄。


コハンミョウ雄の死骸

コハンミョウの幼虫


上翅基部に黒褐色の鏡紋がないから雄。

砂浜のコハンミョウ

笹原の蛾

2010-06-22 | 

ハマキガ科ヒメハマキガ亜科のギンボシキヒメハマキ Enarmonia major (Walsingham, 1900)

津市河芸町の里山。
一人もくもくと山道を歩く。ふと立ち止まって座り込む。小さな生き物たちが見えてくる。
この蛾も小さい。前翅長は7㎜くらい。
成虫の出現月は 5~8月。笹原の蛾として知られるが,幼虫の食草はまだ不明である。
北海道,本州,四国,九州;千島列島に分布する。

美しく装っているものに対して,賛辞を送りたい。
2010.6.21

干潟のニジュウシトリバ

2010-06-20 | 

ニジュウシトリバガ科のニジュウシトリバ Alucita spilodesma (Meyrick, 1908)

田中川干潟のハマボウを見に出かけた。ハマボウで暮らす生き物を探すためにである。
葉から葉へ飛んで静止した小さな蛾を見つけた。
ニジュウシトリバだ。こんな蛾に会えるといいなあと前から思っていた。
この蛾を図鑑などで見ていると,ジュディ・オングがドレスを広げて「Wind is blowing from the Aegean」と『魅せられて』を歌うときの様子をいつも連想してしまう。
本物のニジュウシトリバは本当に綺麗だ。

分布は北海道,本州,四国,九州,種子島,屋久島;インド
成虫の出現月は 6~8月。成虫越冬する。
幼虫の食草はスイカズラ。

なんでハマボウの木にやってきたのか判らないが,ハマボウの木にいなかったら私との出会いは無かった。

一人の男性が干潟のカニを長時間観察されていた。会釈はしたが,会話はしなかった。
ニジュウシトリバとの出会いで感動していた私は,人と会話する気も起こらなかった。
2010.6.20

ゴマダラカミキリ

2010-06-19 | 甲虫

カミキリムシ科のゴマダラカミキリ Anoplophora malasiana

津市の豊津海岸。梅雨の合間のわずかな晴れ間に,外へ飛び出した。
アカメガシワの雄花が咲き出して,ハチ類があわただしく飛び回っている。雌のアカメガシワの葉に大きなゴマダラカミキリが止まっていた。横顔を撮ろうとしたら飛んでいった。
2010.6.19


キョウコシマハナアブ雄

2010-06-17 | ハエ目(双翅目)

ハナアブ科タテジマクロハナアブ属シマハナアブ亜属のキョウコシマハナアブ Eristalis kyokoae Kimura, 1986

津市の豊津海岸。雨上がりの砂浜に出かけた。
ネズミモチの白い花が満開である。オレンジ色のハナアブが目を引いた。

「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」によると,雌では近似のシマハナアブと腹部の斑紋だけで区別できないが,シマハナアブの「♂の腹部第2節の斑紋は三角形」,キョウコシマハナアブの「♂の腹部第2節の斑紋は四角形」という。また,前脛節の長毛列は雌雄ともに,シマハナアブでは密,キョウコシマハナアブでは疎らという。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,シマハナアブに近似のキョウコシマハナアブでは「第2腹節の黄紋が大きく,野球のホームベースを横倒しにした形である。」という。

『鈴鹿市の自然』を見ると,山本町での記録が載っていた。

一度,二種の雌をつかまえて,じっくり見比べようと思う。
2010.6.16


追記
1991年発行の『京都の昆虫』を読んでいたら,「腹部の斑紋,脚の毛,雄の交尾器など,普通のシマハナアブと異なる特徴が見つかり,1986(昭61)年に新種として発表したのが,このキョウコシマハナアブです。体長12~13㎜。現在では,九州にも分布する普通種です。さらに1938年に発刊された原色日本昆虫図説に,シマハナアブの雄として載っているのは,腹部の斑紋からみて明らかに本種です。」という木村輝夫さんの文であった。学名の後ろにある「Kimura, 1986 」,その新種記載者の文章であった。

カクモンハラブトハナアブ

2010-06-15 | ハエ目(双翅目)

ハナアブ科ナミハナアブ族ハラブトハナアブ属のカクモンハラブトハナアブ Mallota abdominalis (Sack. 1927)

津市河芸町の里山の麓に溜池がある。その近くを通りかかったとき,明るい林縁で見つけたハナアブがカクモンハラブトハナアブ雌と分った。2010.5.26

手持ちの標本を確認してみたら,鈴鹿市徳居町の溜池周辺や国府町の鈴鹿川堤防でも採っていたことが分った。

三重県レッドデータブック2005では情報不足種に選定され,「池や湿地および渓流に生息。特に平地の個体群は減少していると考えられる。」としている。

三重県での最初の記録は,朝明渓谷で2000年6月16日に採集されている。
この種は湿地に見られ,また渓流でも採集されるが,通常はいずれの場所でも個体数は少ないようである。ただ稀に多数の個体が見られることもある(乙部,2003)。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,和名をカクモンアシブトハナアブとし,「体長10~12㎜。出現:5~8月。分布:本州・四国・九州;台湾。夏山地で花上に多い。」

大石久志さんの「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」によると,ハラブトハナアブ属は「日本から11種が知られるが,なお検討の余地がある。カクモンアシブトハナアブは湿地の周辺に見られ,通常はむしろ稀。」という。また,その絵解き検索図によると,「カクモンアシブトハナアブ♂の後腿節の基部に突起がある」という。

脚が太いのでアシブトの方が感じが出ているが,アシブトハナアブ属とは異なるハラブトハナアブ属であるため,双翅目談話会のメンバーはカクモンハラブトハナアブの和名を使うことが多いようである。

文献
乙部 宏,2003.カクモンハラブトハナアブを三重県で採集,はなあぶ(16):48.

汽水域で暮らすエンスイミズメイガ

2010-06-11 | 

ツトガ科ミズメイガ亜科のエンスイミズメイガ Eristena argentata Yoshiyasu, 1988

幼虫の食餌植物は汽水域に育つ藻類。分布は本州,四国,九州,対馬,奄美大島。成虫の出現月は5~10月。

三重県環境森林部自然環境室のホームページ「みえの自然楽校」にリレーコラムというのがある。その第73話に平成19年4月1日,豊田市矢作川研究所 総括研究員の間野隆裕さんが「ガ類の多様性と環境保全」のタイトルで寄稿している。その中に「幼虫がえら(気管鰓)を持って汽水域で」暮らしているエンスイミズメイガを紹介していた。

エンスイミズメイガは三重県と愛知県では情報不足種としてレッドデータにリストアップされている。三重県のレッドデータブック2005によると「海浜性の種で,木曽岬町,紀北町海山区,宮川河口,鈴鹿川河口で得られている。幼虫は汽水域で蘚苔類を食す。」という。

田中川干潟でも見つからないかなあと思っていたが,今年初めて出会った。ナガミノオニシバ群落を歩いていると,いろんな蛾が飛び出してくる。大抵は忙しい動きを見せるが,この蛾は幾分か動きが緩やかであった。追いかけると,ハマボウフウの花や葉,オオギョウギシバやハマサジの葉に止まった。常に葉裏に隠れるように止まった。

愛知県のレッドデーブックは情報不足種についても詳しく紹介している。それによると,「開張13~16mm。腹部にも黒い横線が縞状に見られる。6 本の脚はいずれも長く発達する。和名は「塩水」の意。」などという。

エンスイミズメイガは奄美大島の標本によってYoshiyasu(1988)が新種記載した種で,愛媛県と弥富町の標本がparatypeに指定されている。幼虫と蛹が汽水域の藻類中よりみつかっているという極めて特異な蛾である(間野 1990)。

矢崎・間野(2003)は,宮川河口と海山町汐見の船津川で灯火採集により,また桑名市の揖斐川河川敷ではヨシ帯のスウィーピングにより得られたと報告している。

文献
間野隆裕, 1987. 木曽川河口の湿地の蛾. 蛾類通信, (143): 283-287.
間野隆裕, 1990. 愛知県海部郡弥富町の蛾. 佳香蝶, 41 (160): 46-56.
大塚勲, 1996. 九州未記録の蛾類10. 蛾類通信, 189: 233.
矢崎充彦・間野隆裕, 2003. 三重県におけるエンスイミズメイガの記録. 佳香蝶, 55 (216): 86.
Yoshiyasu,Y., 1988. A New Estuarine and an Unrecorded Species of the Nymphulinae (Lepidoptera, Pyralidae).Kontyu 56 (1): 35-44.




オオギョウギシバの葉裏に止まったエンスイミズメイガ。2010.6.8


ハマボウフウの花の裏に隠れるように止まったエンスイミズメイガ


カノコガ

2010-06-10 | 

ヒトリガ科カノコガ亜科のカノコガ Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)

鈴鹿川の河川敷に近いとある公園の林縁で,ほの暗い草間に止まる目立つ蛾を見つけた。
カノコガは昼間に飛ぶ昼行性の蛾。成虫の出現月は 6月と8月。開張は30~37㎜。
北海道,本州,四国,九州,対馬;朝鮮,中国に分布する。
2010.6.7

ラミーカミキリ

2010-06-09 | 甲虫

カミキリムシ科フトカミキリ亜科のラミーカミキリ Paraglenea fortunei (Saunders,1853)

鈴鹿市国府町のとある公園。イラクサ科のカラムシ葉上で体長10数ミリほどのラミーカミキリと出会った。
久しぶりで彼らと会えた。茎葉がしおれているカラムシもあった。

10年ほど前に写真を撮って,故市橋甫先生のところへ見せに行った。そのときに初めて帰化昆虫なる言葉を知った。
ラミーカミキリという名前も忘れることなく,ずっと会いたい会いたいと思っていた。
2010.6.7

クロマダラシロヒメハマキ

2010-06-08 | 

ハマキガ科ヒメハマキ亜科のクロマダラシロヒメハマキ Epinotia exquisitana (Christoph, 1881)

県立博物館の建設予定地へふらりと出かけた。
雑木林の中で,古木の根元に止まるクロマダラシロヒメハマキを見つけた。この蛾はあまり逃げ隠れはせずに,じっとしていた。

開張16-19㎜。成虫の出現月は6-8月頃。
幼虫の食餌植物はバラ科のミヤマザクラ、ナナカマド、アズキナシ、エドヒガン、ソメイヨシノ、ズミなど。



砂浜のモモブトチビハナアブ

2010-06-07 | ハエ目(双翅目)

ハナアブ科ナガハナアブ族モモブトチビハナアブ属のモモブトチビハナアブ Syritta pipiens (Linnaeus. 1758)

津市の白塚海岸。水産加工の納屋が多い地域。
ハマボウフウの花にモモブトチビハナアブを見つけた。著しく肥厚した後腿節の色と形が特徴。草地で見られるようである。
とにかく,彼らは忙しげに飛び回っていた。
『札幌の昆虫』によると,体長は7~9㎜,平地~山地に生息。

2010.6.6


幹にキハダエビグモ♂

2010-06-06 | 

エビグモ科のキハダエビグモ Philodromus spinitarsis

鈴鹿市国府町のとある公園。1本の古木の幹にキハダエビグモ♂を見つけた。

『改訂校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』によると,「マツやスギの樹皮の上で生活している。じっとしていると木肌の名前のように樹皮の色と同じような色彩なので気がつかない。危険が迫ると,静止状態からすばやく動いて,樹皮の割れ目やへこみで再びじっとしている。成体は4~8月に見られ,体長は雌が6~7㎜,雄が5~6㎜である。」

捕まえてやろうと思って,手を伸ばしたら,すたすたと動き出し,手の届かない高さへ逃げ切られてしまった。
2010.6.3


雨戸にシラヒゲハエトリ

2010-06-05 | 蜘蛛

ハエトリグモ科のシラヒゲハエトリ Menemerus confusus

自宅の雨戸に白いヒゲもじゃのハエトリグモを見つけた。
7~9月に雨戸や塀に見られるシラヒゲハエトリ。
腹部の両側に黒い縦筋があるので♀。

『改訂校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』によると,「夜,電気の灯りに集まった虫が壁に止まっているのを朝方に捕食する。昼間はすき間に入り込んで休んでいると思われる。本種は8個の眼のうち,前列中央のヘッドライト形の眼で紫外線と緑色と黄色を区別している」
2010.6.3