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ミズアブ科のコガタノミズアブ Odontomyia garatas Walker, 1849
津市の豊津海岸。砂浜に生えているマサキの花が咲き出した。
その中に黄緑色のハナアブのようなハエを見つけた。
調べてみると,ハナアブではなく,ミズアブ科のコガタノミズアブであった。
三重県レッドデータブック2005では絶滅危惧Ⅱ類に選定されていて,「水田や湿地に固有の種で,かつては市街地付近でもみられた普通種であったが,全国的に個体数が著しく減少している。三重県でも現在,局所的に分布地が見いだされる状態にある。」という。また,「県内では四日市市富田,松阪市松名瀬での記録がある。」といい,「生時は青色の幻色を呈し,死後黄色に変化する」という。
富田では1997年7月19日と2001年7月16日に採集されている(蒔田,2005)が,三重県レッドデータブック2005では2001年6月16日の標本写真が掲載されている。6月16日か7月16日か,どちらかが間違っている。
新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長13㎜内外。♀頭部黄褐。♂の複眼は相接し,♀では広く離れる。7月に出現。」
『札幌の昆虫』によると,6~8月に川,沼の水面の水草上で主に見られるとのことである。
『鈴鹿市の自然』によると,8月初旬に「岸岡町岸岡山で採集された。以前は水田に普通に見られたが,現在は水田から姿を消し,生息地は局所的で自然度の高い河岸,池,沼に限られている。」
文献
蒔田実造.2005.四日市市冨田のコガタノミズアブとミズアブ.ひらくら,49(5):83.
2010.6.29
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/06/5902d5a18ba5edb34f072f4cadbe7f07.jpg)
複眼が広く離れているので♀
追記
雄にも会いたくなって7月1日に同所を再訪した。炎天下,2時間待って,やっと会えた。
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♂頭・胸部黒色。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/cd/4f91cc9dcd13cf112d1bbedf8f78dc8b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/30/c5fa2f0c691a4ce860d4c7db4dd8d932.jpg)
腹部は黄緑~黄褐,各節基部に後縁波状を呈する黒帯をもつ。(新訂原色昆虫大図鑑Ⅲ)