田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

シロトラカミキリ

2012-06-27 | 甲虫

カミキリムシ科のシロトラカミキリ Paraclytus excultus

四日市市の宮妻渓谷.登山道わきのあちこちにビニールをかぶせたコップが埋めてあった.トラップを仕掛けて,地表を歩き回る甲虫類を捕まえようという企みである.この日は三重昆虫談話会の採集会があったので,会員の誰かが仕掛けたものだろう.

私は採集会には不参加だったが,たまたま知人に会いに宮妻渓谷へ出かけたので,少し登山道をうろついた.
渓流沿いの木にシロトラカミキリを見つけた.

原色日本甲虫図鑑Ⅳによると,「10-15mm.上翅の白色微毛紋に少しの変異がある.5~8月.温帯樹林帯の花上に集まり,個体数も多い.」

カミキリの好きなあの人にあげようかな.
2012.6.23

ベニオビヒゲナガ

2012-06-26 | 

ヒゲナガガ科のベニオビヒゲナガ Nemophora rubrofascia (Christoph, 1882)

野登山の鈴鹿市側の麓でベニオビヒゲナガを見つけた.帯の紅さに見惚れてしまった.すごい,最高の紅さだ.風のある夕方の19時前だから,写真はこれ1枚だけ.

成虫の出現期は5~7月.

2012.6.14

シロスジナガハナアブ雄

2012-06-18 | ハエ目(双翅目)

ハナアブ科のシロスジナガハナアブ Milesia undulata Vollenhoven, 1863

亀山森林公園.遊歩道の角材が腐食し始めていて,一部,取り換えが行われだした.取り換えられたばかりの遊歩道の角材に一匹のシロスジナガハナアブが止まった.100円のタモで捕獲しようとしたが,失敗.それでも彼はさして逃げもせず,羽音高く遊歩道上でホバリングしている.再び100円のタモで捕獲を試みる.成功.ハチかもしれないと思って,こわごわ翅の枚数を確認すると,二枚だったのでやはりこれは双翅目だ,スズメバチに擬態するナガハナアブの仲間だと確信した.シロスジナガハナアブとの初めての出会いであった.

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長20~22mm.♂:大型.顔面,触角も橙黄色.小盾板後縁は赤褐色.翅の前半は帯褐色,r-m付近は暗褐色.出現:5~6月.分布:本邦全土;サハリン.」などとある.

三重県の既知の記録は紀伊長島と伊勢市の外宮だけ.

2012.6.15

捕獲直後のシロスジナガハナアブ

ハラボソムシヒキ

2012-06-11 | ハエ目(双翅目)

ムシヒキアブ科ヒゲボソムシヒキ亜科のハラボソムシヒキ Dioctria nakanensis Matsumura, 1916

亀山の森林公園.道路脇の明るい草むらで,ハラボソムシヒキを見つけた.

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,体長9~11㎜.黒色で腹部第3~5節の斑紋と脚(後脚は腿節中央部,脛・付節が黒褐)が黄褐.翅室R1,M3,Cu2は開く.

原色日本昆虫図鑑下によると,体長10mm,翅長8mm.体は光沢のある黒色.触角のつけ根は盛りあがる.顔面は黄白色粉でおおわれ,下端には白色長毛を生じる.翅はやや褐色をおび斑紋はない.腹部は細長く,第3~5節の各基部は橙黄色.

三重県ではこれまで松阪市と亀山市での記録がある.

2012.6.3

ヤマトシギアブ

2012-06-05 | ハエ目(双翅目)

シギアブ科のヤマトシギアブ Rhagio japonicuss Matsumura, 1916

朝明渓谷.標高が約400mを超えているあたり.道端の樹木に止まるヤマトシギアブを見つけた.県民の森にもいたから,ここでも見つかるかなと思ってはいたが,見つけたのはこの♀一個体だけ.

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長13mm内外.胸部は黒色で灰黄粉に覆われ,胸背では中央と両側に黒色部を残す.♂の複眼は接し,口吻,小顎鬚,触角は淡黄褐色.翅は広大,縁紋と脈は暗褐.5~8月に出現.」などとある.

原色日本昆虫図鑑(下)によると,「翅は大きく透明で光沢があり,周縁部はやや暗色をおびる.縁紋は褐色で大きい.山地に普通.」などとある.

この個体の翅には縁紋とは別に二筋の斑紋があるが,これはどうも個体差のようだ.
三重県ではこれまでに採集記録が見当たらない.

2012.5.27