田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

スナガニ♂

2007-06-30 | カニ
スナガニ
砂浜を歩いていて、高潮線から少し離れたあたりで見つかるのがスナガニの巣穴である。
子供の時から私は、彼らの巣穴をどれだけの数、掘ってきたのだろうか。
自分の腕の長さまでは掘り進める。指先に感じるカニの脚の感触がたまらない。今まで、一度もはさまれたことは無い。穴から飛び出してくるカニがすばしっこい。何度もスナガニと追いかけっこをした。
今日も無性に会いたくなって、掘ってみた。一つ目の穴には居なかった。よくあることだ。二つ目の穴に居た、40センチほど掘り進めたところでカニに触った。穴は少し斜めに掘られていた。幸いにも穴から飛び出そうとはしなかったので撮影できた。
スナガニ科 スナガニ属 スナガニ♂
2007.6.27

スナガニ
図鑑に載っているスナガニとは、色合いがどうも異なるのでかねがね気にはなっていた。どうやら、生息地の砂の色によって体色が変化するようである。この地域のスナガニは色白で透明感がある。
スナガニの体色ついては、夏の繁殖期においても変化が見られるらしいが、私は変化を感じたことが無い。

スナガニ
はさみ脚は左右どちらかが大きい。
夜行性のため、昼間に彼らの姿を見つけるには巣穴を掘るしか方法は無いと思っていたが、日中に活動している様子を観察している例があると聞き知り、一度じっくり昼間に観察してみたいと考えている。

ヨスジヒシウンカ

2007-06-29 | 田中川
ヨスジヒシウンカ
ヒシウンカ科 ヨスジヒシウンカ Reptalus quadricinctus (Matsumura)
水田近くの草むらで見つけた。
蛾かとも思ったが、セミに似ているなあという印象。ウンカらしいと感じてから、種名にたどりつくまでが手間取った。
頭部と翅の部分を除くと、残る形(前胸背板)がひし形となる、それがヒシウンカ科の特徴のようだ。
2007.6.28

オオクロセダカカスミカメ

2007-06-28 | カメムシ
オオクロセダカカスミカメ
海岸堤防の西側には昔、ラグーンの地形が見られた。きれいな水が流れていた。
今、ただの排水路となったその流れに昔日の面影は無いが、周りの植物には見覚えがある。メダケやナワシログミが茂っている。浜田(はまた)と呼んでいた堤防際の水田では今も稲作が続けられている。
その水路際の草むらで、小さなカメムシを見つけた。
カスミカメムシ科のオオクロセダカカスミカメ
体長は約5ミリほど。
日本原色カメムシ図鑑の写真27.ヒメセダカメクラガメとされている個体はオオクロセダカカスミカメの誤りである。第2巻の228ページに訂正記事が出ている。
2007.6.28

トノサマガエル♂

2007-06-27 | 田中川
トノサマガエル♂
田中川の源流近くまで出かけた。河口から10キロもないんだけど。
久しぶりでトノサマガエルを見つけた。♂だ。雌は色彩や模様が違う。
背中側隆起の間のストライプが認められるのでナゴヤダルマガエルでもない。
それにしても、海岸近くの我が家周辺では見かけなくなったなあ。

砂浜のマエグロツリアブ

2007-06-26 | ツリアブ
マエグロツリアブ
ツリアブ科 マエグロツリアブ Ligyra similis Coquillett
ケカモノハシの花が咲き出した砂浜で、久しぶりに出会った。
クロバネツリアブに良く似ているが、マエグロツリアブは名前のとおり翅の前半分が黒い。翅脈も異なり、腹部の帯紋も色と幅が異なる。大きさもかなり小さい。
この個体は翅の黒い部分とそうでない部分との境目が今一明瞭でないように思う。
2007.6.23

ツリアブ2種の距離
マエグロツリアブの三角関係
マエグロツリアブの訪花
マエグロツリアブが暮らす環境
マエグロツリアブ最後の一匹
ツリアブたちの初見日
マエグロツリアブの新たな生息地
雨中のツリアブたち

後日の追加画像
マエグロツリアブ

マエグロツリアブ
2007.6.27 コウボウムギの生えている辺りにて

ミスジキイロテントウ

2007-06-24 | 甲虫
ミスジキイロテントウ
干潟の東南端に群生するナガミノオニシバを座り込んで眺めていたら、見覚えのある昆虫がいた。
一週間前には、ヨシにいるのを見つけた。去年はエノコログサにいるのを見た。いづれもイネ科の植物だ。また、いづれの時も1個体づつしか見ていない。
やっと名前が分かった。ミスジキイロテントウ 
体長は3ミリ。外来種。帰化昆虫のひとつ。
本州、沖縄、台湾に分布。1985年に沖縄市で大発生して以来、各地で定着しているようだ。
2007.6.23

波打ち際にハマスナホリガニ

2007-06-23 | 田中川
ハマスナホリガニ
干潮の波打ち際で貝堀りを楽しんでいた小学生が見つけた。岐阜県から総合学習として一泊研修で来ていた子供たちだ。
砂の上に置いて観察しようとしたが、あっという間に砂の中へ潜っていく。アミメキンセンガニも潜るのが得意だが、どだい比べ物にならないスピードだ。体の後ろから潜っていく。
異尾類 スナホリガニ科 ハマスナホリガニ
波打ち際の浅い所に生息しているようだ。
甲の前縁部の突起が中央にひとつしかないという特徴からスナホリガニ(突起が二つある)とは区別できる。
第1胸脚は棒状で、ハサミはない。この個体は右の第1胸脚が欠損している。
これまでハマスナホリガニは打ち上げ個体すら見たことが無かった。
2007.6.20

ハマスナホリガニ

ハマスナホリガニ

ハマスナホリガニ
抱卵していた。


ベニモントガリホソガ

2007-06-21 | 
ベニモントガリホソガ
手の指に止まった小さな蛾、よく動き回る。
夜間、我が家に飛び込んできた。いつでも忍び込めるように窓を少し開けている。
カザリバガ科 カザリバガ亜科 ベニモントガリホソガ
成虫の出現月は6~8月
初めての出会い。でも、私はこの子を知っていた。「ベニモン」 こんな名前を持ち、紅色の模様がある画像を一度見たら、私は忘れない。会いたかったのだ。
2007.6.20

ムラサキスカシバ♀

2007-06-19 | 
ムラサキスカシバ♀
津市内を流れる大きな川の中州にノブドウが群生している所がある。貝やカニの研究者くらいしか立ち入らないような場所。人々の生活とは無縁の場所である。
ノブドウの葉から葉へと飛び回っているハチを見つけた。2個体を確認したが、怖くて近づけなかった。1個体だけを少し離れて撮影した。
画像を取り込んでから気がついた。ハチではなく、蛾の仲間だと。
スカシバガ科 ムラサキスカシバ♀
出現時期は5~6月。オスはメスよりも小型。幼虫はノブドウの茎の中で暮らす。
スカシバガの仲間はハチに擬態している。
2007.6.17

ムラサキスカシバ♀
産卵管がしっかり確認できるので♀
鱗粉の無い透かし羽の部分や触覚が青みがかって見えている。

ムラサキスカシバ♀
頭頂部は藍色。
姿だけでなく、飛び方もハチにそっくりだった。

コメツキガニの食事

2007-06-18 | カニ
コメツキガニ
コメツキガニの巣穴からほぼ一直線の通路が伸びている。通路はこれ以上は長くならない。危険が迫ると、この通路を通って自分の巣穴に逃げ込まなければならないので、欲張ってあまりにも長い通路を作ってしまうと危険も増すこととなる。一本の通路で満腹できなければ、複数の通路を巣穴を中心として放射状に作っていく。通路の片方にだけ砂団子が並んでいる。この通路は他の個体の通路と交差はしていないように思う。
この通路こそ、コメツキガニが食事を済ませた場所であり、自分の領地である。
コメツキガニ
このコメツキガニの甲の色がオレンジ色をしている。なぜ、この個体だけがこんな色をしているのか分からない。

コメツキガニ
食事中の彼らを眺めていると、コメツキガニは砂ばかり食べているように見える。本当のところは砂にくっついている生物の死骸などをこしとって食べているという。

コメツキガニ
口から出てくる砂の塊をハサミで切り取って足元に置く。

コメツキガニ
置かれた砂団子を歩脚を使って体の後ろへと移動させる。一番後ろの歩脚で更に後ろへ蹴り飛ばす。
コメツキガニはいつも自分が捨てた砂団子を背にして食事していることになる。言い換えれば、彼らは常に食事しながら後片付けもしていると言える。

干潟にジュンサイハムシ

2007-06-17 | 甲虫
ジュンサィハムシ
田中川干潟の葦原でジュンサイハムシ1個体と出会った。
ジュンサイもなければヒシもない、ミズユキノシタもシロネもない。食草のない干潟に、なぜいるのか?
とにかく、干潟でカニを探していた私のところに飛んできた。
体長は5.5ミリ
2007.6.16
ジュンサイハムシ

松の下にムツキボシテントウ

2007-06-16 | 甲虫
ムツキボシテントウ
海岸堤防近くにクロマツの林が残っている。その下の草むらでヒメカメノコテントウに良く似たテントウムシを見つけた。
ムツキボシテントウ 六黄星瓢虫
松につくアブラムシ類を捕食している。
ウスキホシテントウとよく似ているが、黄色の色合いが濃く、端の模様が丸まっていることから、この個体はムツキボシテントウ。
2007.6.15
ムツキボシテントウ

海岸のオカヒジキ

2007-06-14 | 草花
オカヒジキ
ここは三重県中勢地方、海は伊勢湾。海岸は砂浜ばかりが続く。
近頃、漂着物が多い。川が増水すると川のゴミが海へ流れていく。ゴミがたどりつくのは海岸線や干潟の中。
今日、砂浜を歩いて漂着物の多さにあらためて驚いたが、その中にオカヒジキが何株も育っていた。毎日、波しぶきを浴びながも茎を伸ばし、針状の葉を増やしていく。夏には花も咲かせる。細身ながら、あなたはたおやかだ。
アカザ科 若い茎葉は食用。
2007.6.12

クロキオビジョウカイモドキ

2007-06-12 | 甲虫
クロキオビジョウカイモドキ
ハマボウフウやコウボウムギが生えている海浜で、それらの植物上や根元周りで見つけられる。
ジョウカイモドキ科のクロキオビジョウカイモドキ♂
♂の触覚の第2節は変形したハート形をしている。
三重県版レッドデータブック2005では県内の既知の生息地点数は5以下となっていて、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定されている。
この個体は津市河芸町内での初記録となるのだろうか。私は今月、伊勢市でも出会っている。
ルリキオビジョウカイモドキも三重県内には生息しているようだけど、まだ会えていない。瑠璃色に輝いているようだから、出会えば識別できるらしい。
2007.6.12

クロキオビジョウカイモドキ雌雄

クロキオビジョウカイモドキ