田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ショウジツルギアブ♀

2013-01-01 | ハエ目(双翅目)

ツルギアブ科のショウジツルギアブ Dialineura shozii Nagatomi et Lyneborg, 1988

ショウジツルギアブの三重県での記録はこれまでに無いと思う.

Dialineura属は日本に2種,ヤマトツルギアブとショウジツルギアブである.この属の特徴は触角第1節はふくれ,第3節よりもはるかに幅広い.顔は長さよりもはるかに幅広い.♀前額(下方部を含む)と♂前額は毛でおおわれる.顔の側部(下方部を除く)は毛を欠く.

ショウジツルギアブは,♂♀のR1脈の先方部の周辺は黄褐.♀触角と複眼間の距離は触角第1節外面の長さの0.5-0.6倍であり,♀触角の全長は触角と前単眼間の距離の1.5-1.7倍である.♀腿節(先端を除く)は暗褐あるいは黒(♂と同じ).♀の腹部第2-7背板は光沢があり,側縁は淡(褐)灰粉を持つ.
体長は♂7.3-9.7㎜,♀8.9-11.0mm
分布は福島,栃木,茨城,埼玉,山梨,長野,兵庫,大分の各県(新種記載論文から)
ホロタイプは1971.7.24に長野県菅平(標高1000m)で採集された♂.
学名のshoziiは永富さんが友人の名古屋市のShozi Katoさんに献名したもの.なお,ヨシコツルギアブも同様にYoshiko Naganoさんに献名したもの.

♂はまだ見つけていない.何度か探しに出かけているんだが・・・・・.
♂の特徴については今回割愛した.今後見つけた時に紹介する.

文献
永富・大石 (2000) 日本産ツルギアブの同定.はなあぶ,9:1-32.


ショウジツルギアブ 2011.5.22 津市美杉町