田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

アルファルファタコゾウムシ

2007-12-28 | 甲虫
アルファルファタコゾウムシ
黒豆を収穫した。乾燥させた株を木切れで叩く。何種類かの昆虫が見つかった。
ゾウムシはタコゾウムシ属のアルファルファタコゾウムシを1個体見つけた。
レンゲやクローバーなどマメ科植物の害虫。カラスノエンドウでの発生が多い。
ヨーロッパ原産で、1982年に福岡県と沖縄県とで発生が確認された侵入害虫。2003年には関東平野にまで分布を広げている。
体長は約6ミリ。11月頃に夏眠から目覚めた個体と思われる。来年の5月頃まで摂食と生殖活動を続けるらしい。
良く動き回るので、上の写真はビニール袋に閉じ込めて撮影した。
2007.12.20
アルファルファタコゾウムシ

アルファルファタコゾウムシ
意外と身軽に飛ぶ。
黒豆の上で、下翅を出し、飛び立つ直前のアルファルファタコゾウムシ

トベラの実熟す

2007-12-27 | 樹木
トベラ
海岸近くに自生するトベラの果実が熟して、赤い種子を見せている。
トベラ科トベラ属の常緑低木。
雌雄別株だから、果実の有るこの木は雌。
日当たりの良いところを好む木だが、松を植樹した薄暗い防砂林の中でも若いトベラの木を良く見かける。
5月頃に咲く花は良い香りがする。
2007.12.17
トベラ

トベラ
熟した果実はどれも3裂する

マツカレハ幼虫

2007-12-26 | 
マツカレハ幼虫
クロマツの剪定をしていて、松葉を食べるマツカレハの幼虫を何匹も見つけた。
多数の短刺毛を持っているので、これに触ると激痛が走り、1週間以上かゆみが消えないようである。全ての毛に毒があるわけではなく、頭から少し離れた黒い帯に毒毛があるようだ。毒毛が刺さったときはピンセットとセロテープを使って、きれいに取り除かないといけない。作業用の手袋をしていたので助かった。
この幼虫が成虫になるのは来年の6月頃。
カレハガ科カレハガ亜科
2007.12.23
マツカレハ幼虫

マツカレハ幼虫

シリオレギセル

2007-12-22 | 
シリオレギセル
陸産貝を探しに鈴鹿川の河川敷へ出かけた。
杉の生えている近くがポイントだと陸産貝の先生から教えてもらっていた。竹類が生い茂る中、熊手を使って竹の落ち葉下を探した。
すぐに見つけたのはキセルガイ科の巻貝シリオレギセル3個体。いずれも生きていた。もちろん越冬中である。
成熟した個体では軟体部が前進して、殻頂部の複数の層が脱落してしまうことから、和名がつけられた。
中部以西の本州、四国、九州に分布。
2007.12.20

シリオレギセル

石の下にコブハサミムシ

2007-12-19 | 三重の生き物
鈴鹿市の小岐須渓谷へ出かけた。
登山道を少し登った辺り、石だらけの干上がった渓谷。
石を手当り次第めくっていく。
見つかったのはコブハサミムシばかり。雄はアルマン型とルイス型の両タイプがいた。
雌は卵を保護し、生まれてきた子供を大切に育てるが、孵化した幼虫は数日後に生きている母親を食べてしまうことで知られている。雄は子育てに参加はしない。
山地性のハサミムシ。成虫越冬。
2007.12.16
コブハサミムシ
アルマン型の雄

コブハサミムシ
ルイス型の雄

コブハサミムシ
コブハサミムシ♀ クギヌキハサミムシ科

畑にオオスナハラゴミムシ

2007-12-17 | 甲虫
オオスナハラゴミムシ
耕作していない畑の一画にスコップを入れていると、真っ黒なゴミムシが4個体も出てきた。どうやら土の中にもぐって集団で越冬していたようで、どの個体も動きは鈍かった。
体長は21ミリ。オサムシ科スナハラゴミムシ亜科のオオスナハラゴミムシ。
光沢は鈍い。大あごは右のほうが幅広い。頭楯は幅広く、前縁は中央部が湾入する。前胸背板の基部凹陥は浅い。
成虫で越冬する。灯火によく飛来する。
2007.12.9
オオスナハラゴミムシ

オオスナハラゴミムシ

オオスナハラゴミムシ

キイロテントウ

2007-12-16 | 甲虫
キイロテントウ
四日市市内の里山を歩いていて、桑の葉上にいるキイロテントウを見つけた。
上翅が黄色く、前胸背板は白く一対の黒紋があるのが特徴で、幼虫成虫共にうどんこ病菌を食べる食菌性のテントウムシ。
大きさは約4~5ミリ。
2007.12.2

ホシホウジャクがブロッコリーに

2007-12-12 | 
ホシホウジャク
畑のブロッコリーにスズメガ科ホウジャク亜科のホシホウジャクが止まっていた。
12月の風は冷たくなり、動けないのであろうか、それとも日光浴でもしているのだろうか。1時間後に見てみたが、まだ同じところに居た。
成虫の出現月は7~11月だから、この成虫の命も残り少ないのであろう。
成虫は長い口を伸ばして、ホバリングしながら花の蜜を吸う。
幼虫はアカネ科のヘクソカズラの葉を食べる。
星蜂雀蛾。
2007.12.9
ホシホウジャク

ホシホウジャク
花の蜜を吸う長い口は巻き取られていて見えない。

ケガキ

2007-12-09 | 

ケガキ
的矢湾の岩場海岸で岩に着生しているイタボガキ科のケガキを見つけた。
殻長は4㎝ほどで、マガキの半分以下の大きさである。
殻の形は不規則だが、楕円形をしているものが多いようだ。
食べられるが、どうせ食べるならマガキのほうを食べる。
本州以南の潮間帯の岩礁に棲息する。水質の綺麗な海を好むようだ。
表面には黒色のパイプ状の突起がたくさん生えている。
イタボガキ科の貝はいずれも左殻で岩礁などに付着する。突起のある殻は右殻。
2007.12.5

ケガキ

ケガキ

岩場のアマガイ

2007-12-08 | 
アマガイ
的矢湾を望むホテルで一泊した。ホテルのプライベートビーチでアマガイを見つけた。
ヒロクチカノコガイよりも少し小さいと感じた。
岩の下のほうにはケガキが群がっていた。
アマオブネガイ科 
房総半島から九州にかけて、潮間帯上部の岩礁のくぼみなどに生息している。
殻表の模様には変異がある。
2007.12.5

アマガイ
白い底面は比較的狭く、イボ状の突起がない。
半月形のふたは石灰質から出来ており、その表面には顆粒がある。

3年振りのズグロカモメ

2007-12-04 | 
ズグロカモメ
ズグロカモメ

田中川干潟にズグロカモメが1羽姿を見せている。3年ぶりである。
ユリカモメに良く似ているが、嘴が短く黒いのが本種の特徴。
3年前もそうであったが、1羽でやってきて、1羽だけで行動している。
ズグロカモメが群れで行動することはないようである。
干潟では主にカニを食べていると聞いているが、まだ目撃していない。この1羽が歩き回っている辺りにはアシハラガニとヤマトオサガニが多い。捕食されているのはどちらかなのであろうか。
カモメ科の冬鳥。
2007.12.2

ズグロカモメ
ユリカモメの衣替え

ゴマダラチョウ幼虫

2007-12-03 | チョウ
ゴマダラチョウ幼虫
四日市市内の里山で開催された自然観察会に参加した。
大きなエノキの株元を探していたチョウの先生が、エノキの落ち葉下で越冬しているゴマダラチョウの幼虫を見つけてくれた。
背中に3対の突起があるのが特徴で、良く似たオオムラサキの幼虫には4対の突起があると説明してくれた。また、この幼虫は終齢ではなく、4齢くらいであろうとの説明もあった。
見事な保護色には感心する。
みんなで観察後、元の株元へ戻しておいた。
エノキは幼虫の食樹。
ゴマダラチョウの成虫は未見である。5~8月に発生するらしいので、早く会ってみたいものだ。
2007.12.2

ゴマダラチョウ幼虫

ナカグロクチバ幼虫

2007-12-01 | 
ナカグロクチバ幼虫
親戚の庭掃除を手伝った。
庭に落ちている枯れ枝の上を歩く幼虫を見つけた。
ヤガ科シタバガ亜科のナカグロクチバの幼虫であった。
近づくと写真のようなポーズをした。威嚇しているつもりなのであろうか。
幼虫の食餌植物のひとつであるコミカンソウがこの庭には多かった。
この幼虫が成虫になるのは来年の7月頃か。
2007.11.25

干潟のナカグロクチバ

ナカグロクチバ幼虫

ナカグロクチバ幼虫