田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

アユの稚魚

2008-01-31 | 三重の生き物
アユの稚魚
砕波帯ネットを使って、波打ち際の小さな生き物たちを探す。
何百尾ものアユの稚魚が網に入った。
こんなに多くのアユの稚魚が入ってきたのは初めてのことだと県職員が興奮して語る。
海岸を散歩する人たちも集まってきて、「海にアユがいるんですか?」と、みんな驚いていた。
シラウオやカタクチイワシの稚魚たちと似ていて、区別がつきにくい。
網にアユの匂いが付いていると誰かが言うので、確かめた。
みずみずしいスイカの匂いがする。やさしい香り。
間違いなく、アユだ。

2008.1.22
アユの稚魚
アユの稚魚はすぐに弱っていく。ガラス瓶に入れて観察。

アユの稚魚
ネットから水槽に移す。水槽の中で泳ぎ回るアユの稚魚

アユの稚魚
砕波帯ネットの途中にくっついていたアユの稚魚

この時期のアユは、三重県漁業調整規則により一般人の採集は禁止されている。
この日の調査は鈴鹿水産試験室の指導下において実施されたものである。

ミズクラゲの幼生

2008-01-31 | 三重の生き物
ミズクラゲのエフィア幼生
鈴鹿市の鼓ヶ浦海岸で開催された生き物観察会に参加した。
小さな地曳網のような砕波帯ネットというものを使って波打ち際の生き物を探す。
たくさんのアユの稚魚が見つかったが、1個体だけミズクラゲの幼生が網に入っていた。
ミズクラゲのエフィア幼生というもので、体が赤っぽくなっているのは食べた物の影響でしょうと教えてもらった。
8対の縁弁を盛んに揺らして移動するので、なかなかピントが合わせられなかった。
2008.1.22

ミズクラゲのエフィア幼生ミズクラゲのエフィア幼生

ヒメケブカガニ

2008-01-21 | カニ
ヒメケブカガニ
鳥羽市生浦湾のカキ養殖筏の下で暮らしていたカニ。
筏から引き上げられたカキが作業場に山積みになっている。その中から出てきた最も個体数の多かったカニがこのケブカガニ科のヒメケブカガニ。Pilumnus minutus
はさみ脚は左右で大きさが異なり、腕節や掌節は顆粒でおおわれているが、大きいほうのはさみ脚の掌部下側はなめらかである。
この日は甲幅約10~15ミリほどのものを20個体以上見かけた。
甲の前側縁は眼窩外歯が小さく、その後方にとげ状の3歯がある。各歯には枝状の刺を持つことが多い。
甲面や歩脚は短毛でおおわれている。
小さくて食用には適さないが、カサゴにとっては好物のようである。
2008.1.8
ヒメケブカガニ

ヒメケブカガニ

洗浄して乾燥させた個体
ヒメケブカガニ

ヒメケブカガニ


ミツモンセマルヒラタムシ

2008-01-17 | 甲虫
ミツモンセマルヒラタムシ
黒豆の株を引き抜いて、しばらく畑に置いておいた。後日家に持ち帰ってからの収穫作業中、小さな甲虫が何匹も動き回っているのを見つけた。
ミツモンセマルヒラタムシ
ホソヒラタムシ科のミツモンセマルヒラタムシ

体長は3ミリほど。
上翅の中央後に3黒紋がある。ときに翅端も黒いことがある。
灯火に集まる。
2007.12.31



カワリイシガニ

2008-01-15 | カニ
カワリイシガニ
ワタリガニ科のカワリイシガニ♂ Charybdis variegata
夏の伊勢湾、海が荒れた翌日にフタホシイシガニと共に波打ち際に打ちあがっていた。
甲幅約2.5センチのこの個体がカワリイシガニと同定できたのは、カニの細密画で有名な酒井コレクションの絵と照合できたから。
額の歯のうち、中央の2歯が大きい。前側縁の歯のうち、最後の歯は側方に突き出る。

2007.7.15撮影

ベニツケガニ

2008-01-11 | カニ
ベニツケガニ

ベニツケガニ

ベニツケガニ
鳥羽市浦村の焼きガキを食べに行った。カキ養殖の作業場も見せてもらった。
今年のカキは6割が死んでいると店の人が言っていた。養殖筏から引き上げたばかりのカキの山に何種類ものカニがいるのを見つけた。
10種類以上いるんじゃないかなあ、筏の場所によって種類や数が相当違ってくると店の人が言っていた。

甲や歩脚の縁が赤く、甲面やはさみ脚は短毛で覆われている。
このカニはワタリガニ科のベニツケガニ♂
額は幅広の6歯で、歯の先端は丸い。
岩礁の礁原や礁斜面に棲息している。養殖筏の下はきつと岩礁のような様相となっているのであろう。夜行性。
赤いカニはきれいだなあ。
2008.1.8
ベニツケガニ

ベニツケガニ

ベニツケガニ
前側縁の5歯のうち、第4歯が著しく小さい。
 

レタスのアブラムシ

2008-01-10 | 田中川
タイワンヒゲナガアブラムシ
プランターに植えておいた4株のレタスの内、1株だけにアブラムシがいっぱいついている。消毒はしていない。
アブラムシ亜科のタイワンヒゲナガアブラムシ、レタスの害虫として知られる。アキノノゲシやノゲシ、オニタビラコでも見られるという。
腹部背面に黒色の横帯を持つ。
2008.1.5

サシガメ科の幼虫

2008-01-04 | カメムシ
ホソサシガメ幼虫
黒豆を収穫後、その株を畑に積んでおいた。この日、その下で暮らしていたサシガメ科の幼虫一匹を見つけた。
体長は約13ミリ。前脚と中脚の脛節に各3個の黒っぽい環状紋がある。体色はこげ茶色。触覚基節の長さが頭部の長さと同じくらい。
ホソサシガメの幼虫ではないかと思われる。類似種がいるようなので断定できない。
夏になれば、きっと成虫に会えるだろう。
2007.12.31
ホソサシガメ幼虫