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ミノガ科のアキノヒメミノガ
Bacotia sakabei Seino, 1981
津市河芸町,八雲神社へ出かけた。石灯篭にくっついているであろうアキノヒメミノガの蓑を探そうとの目的である。いるだろうと思っているから,簡単に見つけられた。蓑の長さは5~6㎜ほど,5個体見つかった。未記載の近似種が居るが,99%アキノヒメミノガのミノである。
♀は無翅で,蓑の中で産卵後には短い日で死んでしまう。越冬態は卵。学名のsakabeiは発見者の坂部元宏さんに献名されたもの。坂部さんは1958年4月に三重県内の墓石で,刻んだ字の間に固着する7㎜ほどのミノを見つけた。それから23年後に清野昭夫氏が記載し学名を命名した。
「地衣類が生える,石碑や石垣,岩の表面,木の幹などでみられる。アキノヒメミノガの方は,家の壁板,古い屋根瓦等人の生活に関係したところで多く見られる。日光の強く当たる人家の古い石垣などには特に多い。」(坂部,2002)
紀伊長島より南では見つかっていないようだが,三重県各地に普通に見られる種とのこと。11月上旬から下旬に羽化してくる成虫にはまだ出会えていない。早く会ってみたいものだ。
私は見ていないが,蝶と蛾31号(1981)にもアキノヒメミノガについて詳細がある。
参考文献
坂部元宏 (2002) Bacotia属2種の三重県における生態と分布.三重生物第52号:20-22,三重生物教育会.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/6c/6b6f79806da0b738d1ab1b40183f07b4.jpg)
羽化後の蓑
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/ff/2d04f93478a719b6c3b19d4a2a1cc06c.jpg)
八雲神社の石灯篭 2011.11.13