田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

センブリ

2011-10-27 | 草花

リンドウ科センブリ属のセンブリ

松阪市飯高町月出の山道を歩く。日当たりの良い斜面でセンブリの花を見つけた。

『野に咲く花』によると,「昔から健胃薬として利用された。非常に苦く,1000回振りだしてもまだ苦いことからつけられた。日当たりのよい草地に多い高さ10~20㌢の2年草。」

日本固有種なので,漢方薬には無い。
何度か苦味を味わったことがあるので,苦いことは分かっている。この日もほんの少しだけ葉をかんでみた。やはり苦かった。

2011.10.26

ヒメカマキリ

2011-10-26 | 三重の生き物

ヒメカマキリ科のヒメカマキリ Acromantis japonica

津市美杉町の大洞山。草原の真ん中に木杭があって,その天辺にヒメカマキリがいた。ヒメカマキリはカメラから身を隠そうとして丸い杭の裏側に逃げてしまう。それを追いかけて,杭の周りを何周も回らされた。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,ヒメカマキリは体長29~35㎜。緑色または緑褐色の小型種。前胸背はかなり細長く,側角部もかなり突出。前部は後部の約1/2。やや山手の潅木上などで発見せられる。日本固有種。」

この日は曇り空で,山の空気は気持ち悪いほど静寂であった。むろん昆虫たちの姿もほとんど無かった。

2011.10.24

マタタビの果実

2011-10-25 | 樹木

マタタビ科のマタタビ

久しぶりに大洞山に出かけた。9月初旬に青い果実を見つけていたマタタビの木を訪ねると,果実はすっかり橙黄色に熟していた。

『樹に咲く花』によると,果実は「長さ2~2.5㌢の長楕円形で,先端はくちばし状に細くなり,10月に橙黄色に熟す。なかには長さ約1.5㍉の小さな種子が多数ある。果実には辛味と香りがあり,塩漬けや果実酒にする。」

2011.10.24

2011.10.24のマタタビ


2011.9.7のマタタビ

ワモンヒョウタンゾウムシ

2011-10-24 | 甲虫

ゾウムシ科クチブトゾウムシ亜科のワモンヒョウタンゾウムシSympiezomias lewisi

6月に津市芸濃町の里山の農耕地で出会ったゾウムシの名前がようやく判明した。

原色日本甲虫図鑑(Ⅳ)によると,ワモンヒョウタンゾウムシは「6.8-10.0㎜。前胸背板は中央に幅広い黒筋があり,側縁も暗色。前胸は♂♀とも幅広い。本州・四国・九州。クワやミカンなどを加害する。」

ゴボウやビワ,イチジクの害虫としても知られている。
2011.6.8

ツマジロエダシャク成虫と幼虫

2011-10-23 | 

シャクガ科エダシャク亜科のツマジロエダシャク Krananda latimarginaria

津市の偕楽公園。雑木林の中でツマジロエダシャク成虫を見つけた。続けて,エノキの幹でヨコヅナサシガメ幼虫がツマジロエダシャク幼虫の体液を吸っているのを見つけた。

ツマジロエダシャク成虫の出現月は10月,幼虫はクスノキやオガタマを食べ,終齢では30㎜ほどの体長となる。ヨコヅナサシガメにやられたこの幼虫も30㎜くらいだったので終齢であろう。
2011.10.20







キハダカニグモ

2011-10-22 | 蜘蛛

カニグモ科キハダカニグモ属のキハダカニグモBassaniana decorata

津市の偕楽公園。立ち枯れの小さな朽ち木を倒したら,キハダカニグモが這い出してきた。

『フィールド図鑑クモ』によると,「落葉樹の幹に多い。樹皮の下や隙間に逃げ込む。出現期:6~9月。体長:5~6mm。」
2011.10.20

神島のラセイタソウ

2011-10-21 | 草花

イラクサ科カラムシ属のラセイタソウ(羅背板草) Boehmeria biloba
 
神島。港から古里の浜方面へ行く道すがら,ラセイタソウの群生に出会った。この植物は十年以上前に知人から株分けしていただいたことがあり,志摩半島方面では雑草のように生えていると聞いていた。

『野に咲く花』によると,「葉の表面がラシャに似た毛織物のラセイタに似ていることによる。海岸の岩の間などに生える高さ30~70㌢の多年草。雌雄同株。花期 7~9月。分布 北(南部)~本(紀伊半島まで)の太平洋岸。」

2011.10.14










ツルソバ

2011-10-20 | 草花

タデ科タデ属のツルソバ

神島に出かけた。あちこちの道路脇にツルソバが群生していた。花や黒い実をつけているのも見られた。

『野に咲く花』によると,「暖地の海岸に生える多年草。茎はよく分枝し,つる状に長くのびて地をはったり,斜めに立ち上がってよく茂る。花は枝先に多数集まってつき,花柄には腺毛がある。花期5~11月。」

今にも雨が降り出しそうな天気で,風もあり,虫たちの姿がほとんど見られなかった。伊良湖岬から渡ってくる昆虫たちを観察したかったのだが,こんな湿度の高い日は虫たちも敬遠するのだろう。
2011.10.14










伊良湖岬遠望

砂浜のセスジアカムネグモ

2011-10-15 | 蜘蛛

サラグモ科のセスジアカムネグモUmmeliata insecticeps

去年の夏に芦原海岸で見つけていたクモの名前が判った。セスジアカムネグモという。一年以上前のことなので,海岸のどんな所で見つけたものか,まるで思い出せない。流木の下にこんなのが居たような気もするが。

『フィールド図鑑クモ』によると,セスジアカムネグモOedothorax insecticepsは「水田に生息,地表にシート網を張るが,徘徊して獲物を捕らえることも多い。同属には12種以上いる。出現期:一年中。体長:2.5~3.5㎜。」

属名は変更されたようである。

2010.6.17

オビカワウンカ

2011-10-13 | 三重の生き物

ヒシウンカ科のオビカワウンカAndes harimaensis

津市美杉町の大洞山でオビカワウンカと出会った。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長(翅端まで)♂8~8.2㎜,♀8.8~10㎜。前翅の前縁室のほぼ中央から爪状部の先端に向かって,幅の広い暗褐色帯がある。本州・四国・九州・琉球に分布し,山地に珍しくない。」
2011.9.7

サンショウの実

2011-10-12 | 樹木

近所の庭にサンショウの木があって,赤い実と黒い種子が眼に入った。「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざを思い出した。これまで赤い実も黒い種子も食べてみたことが無かったので,試食してみた。

種子はパリパリした食感はあるが,山椒の香りも味もしなかった。実の赤い皮を食べたところ,口の中がしびれた。ピリリという辛さではなくて,ビリビリと持続するしびれる辛さである。しかし,山椒の香りは充分楽しめる。

サンショウの木は雌雄異株で,実のなる木は雌株。
2011.10.2

ニシオオクロナガオサムシ♀

2011-10-11 | 甲虫

オサムシ科のニシオオクロナガオサムシCarabus kumagaii nishi Kubota et Ishikawa 

津市美里町の渓流沿いの崖でオサムシを見つけた。体長は35㎜ほど。

亀山市史自然編によると,ニシオオクロナガオサムシは「2004年にオオクロナガオサムシの新亜種として記載発表され,安坂山町石水渓と坂本で採集された標本が,パラタイプに指定されている。三重県の平野部では,概ね安濃川を境に北にクロナガオサムシが,南にニシオオクロナガオサムシが分布しており,市内の山間部では両尾町までニシオオクロナガオサムシが分布している。」という。

美里町は安濃川の南側に位置する。
これから11月にかけて,オサムシたちは朽ち木や土中にもぐって成虫で越冬していく。
2011.10.3

マダラヒメバチ

2011-10-10 | ハチ目(膜翅目)

ヒメバチ科ヒメバチ亜科のマダラヒメバチ Ichneumon yumyum Kriechbaumer

6月の豊津海岸でハマボウフウの花にやってきたヒメバチ。どうやらマダラヒメバチのようである。
『札幌の昆虫』には,マダラヒメバチは「7~8月。13㎜前後。山地。鱗翅類の幼虫」とある。
小学館の図鑑NEO昆虫には「アゲハなどの幼虫に寄生します。ヒメバチ科。14㎜前後。北海道~九州」とある。

2011.6.13

サクラタデ

2011-10-08 | 草花

タデ科のサクラタデPersicaria conspicua

津市美里町北長野,国道163号線を走る。渓流近くの空き地にサクラタデが群生していた。隣にはボントクタデの群生も見られた。

『野に咲く花』によると,「桜蓼。花の色がサクラに似ていることによる。水辺や湿地に生える高さ0.5~1㍍の多年草。地下茎を横にのばしてふえる。雌雄異株。雄花の雌しべは雄しべより短く,結実しない。タデの仲間のなかでは花がもっとも大きい。」
2011.10.3




エビイロカメムシ

2011-10-05 | カメムシ

カメムシ科のエビイロカメムシGonopsis affinis (Uhler)

津市美里町。山地。道路脇の造成地でエビイロカメムシを見つけた。

日本原色カメムシ図鑑に依れば,「体長14-19㎜。黄褐色で,頭部が三角形をして先端がとがっている。触角と口吻は短い。幼虫は扁平で楕円形をしている。ススキ,サトウキビなどのイネ科植物に寄生する。」

そういや,辺りはススキがたくさん生えていた。
2011.10.3