田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

パンダ幼虫

2006-12-27 | 
ミナミクロホシフタオ幼虫
サンゴジュハムシが姿を消したサンゴジュの葉に白黒のパンダ模様の幼虫1個体を見つけた。
食草から判断して、ミナミクロホシフタオの幼虫だと思われる。
2006.12.24
ミナミクロホシフタオ幼虫
ミナミクロホシフタオの幼虫は個体差が大きく、白黒の割合がさまざまなようだ。
死んだように動く気配が無かったので触ってみた。やわらかい。何度も触っていたら動き出した。
ミナミクロホシフタオ幼虫
ミナミクロホシフタオ幼虫
ツバメガ科フタオビ亜科のクロホシフタオ、ヒメクロホシフタオ、ミナミクロホシフタオの3種はよく似ているらしい。成虫の斑紋の差異は微弱らしいから、幼虫の模様の差異も微妙かなとは想像される。

ミナミクロホシフタオ幼虫
6日後に再訪した。また1個体しか見つけられなかったが、白黒の割合が異なっている。成長して変化したものか、個体差なのか、確かめられなかった。


クロスジホソサジヨコバイ

2006-12-26 | 田中川
クロスジホソサジヨコバイ
里山の小高いところにある城跡公園に、月に何度も訪ねている。
常緑のサンゴジュの植込みもあって、夏場にはサンゴジュハムシの姿を見ていたので、
今頃どうしているのかなと覗き込んだ。
サンゴジュの葉は、サンゴジュハムシに食べられた痕跡がたくさん残っていた。
一枚の葉に、6ミリほどの細長いヨコバイを見つけた。
クロスジホソサジヨコバイ ヨコバイ科ホソサジヨコバイ亜科
冬場によく見られるヨコバイ。
背中の赤い色が気に入った。♀だろうか。
2006.12.24

12月のツマグロヒョウモン

2006-12-24 | チョウ
ツマグロヒョウモン♂
菰野町のある寺の境内、昼過ぎ。
ツマグロヒョウモン♂が駐車場の砂利の上で翅を広げていた。
このあと、このチョウは本堂の高い屋根を勢い良く飛び越えて行った。
越冬形態は幼虫。
ある図鑑には3月から11月まで成虫の姿を見ることができると書いてあった。

2006.12.17 

クヌギ落ち葉の虫こぶ

2006-12-22 | 虫こぶ
クヌギハケタマフシ
北勢中央公園のクヌギの木はすっかり落葉していた。
何枚かの落ち葉に、クヌギハケタマフシという虫こぶが付いていた。
いずれも葉裏に付いていた。
やがて葉から脱落する虫こぶの中で、クヌギハケタマバチは成虫越冬する。
分布は関東以北の本州と、ものの本には書かれていたが、ここは三重県の北部。
2006.12.17

後日、図書館にて分厚い図鑑で確認した結果、クヌギハオオケタマフシであることが判明。クヌギハオオケタマバチにより葉裏に作られる虫こぶで、分布は関東および中部以南の本州、四国、九州。
7月上旬から虫こぶが出現。
11月上旬に羽化し、早いものでは年内に、遅いものは翌春に成虫が出現する。
それにしても、この2種はそっくりだ。

イヌツゲの虫こぶ

2006-12-17 | 虫こぶ
イヌツゲメタマフシ

イヌツゲメタマフシ
イヌツゲメタマフシという虫こぶ。
イヌツゲタマバエの幼虫が内部に数匹入っている。
3齢幼虫で越冬し、成虫になるのは4月下旬以降。
側芽が肥大した虫こぶと図鑑には書かれていたが、頂芽にも見られた。

田中川に最も近い神社にて
2006.12.15

イヌツゲメタマフシ
2006.12.17 県民の森で二株のイヌツゲと出会ったが、いずれの株にもこの虫こぶが見られた。

アブラムシを食べる幼虫

2006-12-15 | 田中川
  2006.12.15   

庭のスダチの木にアブラムシが大発生した。
もともとアゲハチョウたちの為の木なので、消毒するつもりがない。
12月に入り、ナミアゲハの終齢幼虫が次々に姿を消してしまった。
寒さが厳しく蛹に成れなかったのだろう。
淋しい思いでスダチを見つめていると、きれいなアブが飛んでくる。
木に止まったり周辺を飛び交って、いったい何をしているのだろう。
私は小さな木の横にしゃがみこんだ。

アブラムシだらけのスダチに見慣れない幼虫と蛹を見つける。
クロヒラタアブ。成虫は花粉や蜜を食べるが、幼虫の餌はアブラムシ。
鋭い口器で刺し体液を吸うらしい。成虫越冬する。
スダチの枝先の蛹たちも、もうすぐ羽化するのだろうか。
暖かい日には、クロヒラタアブが飛んでくる。
産卵に来るのだろうが、無事育つのだろうか。

クロヒラタアブ幼虫  

アブラムシを刺し体液を吸う
 
クロヒラタアブ?蛹(観察中)

ホソヒラタアブも飛び回っている

エチゴヒメナガカメムシの道行き

2006-12-12 | カメムシ
エチゴヒメナガカメムシ
12月に入っても、砂浜にはいろんな昆虫が動き回っている。
体長は4ミリ、このエチゴヒメナガカメムシはキク科植物に群生するらしいが、この季節、このあたりにはキク科の花なぞ咲いていない。
彼らの住家は確認できていないが、複数のカップルを見かけたから、きっと集団で住んでいるに違いないと思っている。
早春には彼らの子供たちに出会えるのであろうか。
「前胸背には金色の短い毛が密生している」と図鑑に書かれていたが、この写真からでは確認できない。
ヒメナガカメムシ類の研究はまだまだのようだから、近似種かも。
2006.12.5
エチゴヒメナガカメムシ

ハマゴウ 紅葉

2006-12-10 | 樹木
ハマゴウ
いくつも打ちあがっている流木の間を歩いていて、一株のハマゴウを見つけた。
おそらく今年生まれの株であろう。
ハマゴウの若い株と初めて出会った。
紅葉した葉はまもなく落葉する。匍匐性の落葉小低木。
芦原海岸の砂浜は海岸清掃のために重機やトラックが入る。
その通り道にこのハマゴウは育っている。
2006.12.5

ホシササキリ幼虫

2006-12-08 | バッタ類
ホシササキリ幼虫
2006.12.5
田中川干潟近くの砂浜。
枯れたオオフタバムグラを踏みつけて歩いていると、ホシササキリが飛んで移動していく。

緑色型の幼虫を見つけた。

ホシササキリの幼虫は生まれたときは全て緑色型。
一部のものは成長途中で褐色型になる。
一度褐色型になってから再び緑色型となる個体もあるという。















ホシササキリ幼虫

ホシササキリの越冬形態は卵らしい。
この時期の幼虫は無事に成虫となれるのだろうか?
枯れ草の中での緑色型は目立ちすぎる。
ホシササキリ幼虫

ホシササキリ 褐色型

クロスジフユエダシャク

2006-12-06 | 
クロスジフユエダシャク
里山の崖にホラシノブが群生している。
ホラシノブの葉に薄茶色のクロスジフユエダシャク♂を見つけた。時間は午後3時過ぎ。少し離れたところに、もう1個体見つけた。
シャクガ科エダシャク亜科 冬尺蛾のひとつ
12月に成虫が見られる。昼行性。
♀には3ミリほどの翅しかなく、飛べない。
2006.12.5




成虫越冬 2種

2006-12-03 | チョウ
ウラギンシジミ
鈴鹿の山中で、葉にしがみつくウラギンシジミに出会った。
舞い姿が恋しくて葉を揺らしたのだが、どうしても動いてくれなかった。
近くに仲間も見当たらない。雪の日はどうするのだろう。
千切れた翅が痛々しかった。

キノカワガ
細い林道を歩くと道端に小さな石の標識があった。刻まれた文字を解読しようとして、石の表面を指でまさぐると何かが落ちた。
枯葉を一枚一枚取り除くと、白色の体が浮かびあがった。
落ち葉の下に入り込んだのは、コブガ科のキノカワガ。
擬態が得意なようで個体変異が激しい。

2種とも、成虫で越冬する。
もうすぐ厳しい寒さが来る。鈴鹿の山にも私たちの暮らす街にも。
2006.11.29

谷筋に咲くミズタビラコ

2006-12-02 | 草花
ミズタビラコ
鈴鹿川の源流域、細い渓流に沿って谷筋を登っていく。

ミズタビラコがいくつもの株で白い花を咲かせていた。
ワスレナグサのような優しさを感じたが、さもありなん、同じムラサキ科のワスレナグサ属。
花期は5~6月のはずだが、11月末に咲き出すとは。

山の頂は遠く、途中で引き返した。

2006.11.29
ミズタビラコ

ニシカワトンボとクロサナエの幼虫

2006-12-02 | トンボ

鈴鹿峠に程近い、鈴鹿川の源流域へヤゴ採集に同行した。
厚手の長靴をはき川のよどみに立つ。砂を足で掘り起こし下手でざるに受ける。枯れ葉に混じり、サワガニの子やヤゴが現れる。個体は写真撮影し、全てその場で放逐した。
この日見つかったヤゴは、ニシカワトンボ♀と複数のクロサナエ。砂や枯葉に潜伏し、寒くなると餌をとらず越冬する。ヤゴたちは計10回程脱皮し、その度に約1.2倍の大きさになる。クロサナエのヤゴは1年~2年かけて成長すると思われる。
羽化は4月中旬~5月中旬。クロサナエの成虫は、曇った日に水辺に現れるそうだ。
2006.11.16

ニシカワトンボ♀の終齢幼虫

クロサナエの幼虫