田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ヒトハリザトウムシ

2005-11-17 | 田中川
干潟への出入口となっているコンクリートブロック内に、ヒトハリザトウムシの集団を見つけました。
豆粒ほどの体は寸同で「頭、胸、腹」の区分がありません。2つの眼と長い8本の歩脚をもち一対の脚を触覚器として杖のように使います。口の近くにあるはさみ状の付属器で小動物を食べますが、乾燥に弱く昼間は陰湿な場所に群生して休みます。
現在ザトウムシの仲間は世界で約4500種。
日本では約80種が確認されていますが海岸性は本種のみです。
砂浜と海食崖をそなえた自然海岸に生息しますが、近年生息地の消失とともに減少しています。
ヒトハリザトウムシ越冬
6月始め数百と群生した個体も11月に入り崖の隙間で数えるほどになりました。
卵越冬しますが、1月末カニの巣穴の中で成体を発見しました。
左の写真は2006.2.5 
幾たびかの降雪にも耐えて生き抜くヒトハリザトウムシの越冬個体です。堆積した枯れ草の下にいた個体で、カニの巣穴に逃げ込もうとしているところです。越冬中も集団でいますが、西風が当たらない漂着物の下などに、数個体づつバラけて越冬しています。

ヒトハリザトウムシ越冬準備

シロヘリクチブトカメムシ

2005-11-16 | カメムシ
セイタカアワダチソウの葉の上でハグロハバチの幼虫の体液を吸っているシロヘリクチブトカメムシを見つけました。撮影しようと近ずくと幼虫を刺したまま隠れようとします。おそらく食草にいた幼虫を襲い安全な所まで運んできたのでしょう。
シロヘリクチブトカメムシ幼虫

カメムシを含む半翅目の仲間は、注射針のような口を持っていて植物の汁や動物の体液を吸って生きています.樹液を吸うセミも半翅目の仲間です。
本来南方系のカメムシですが分布を広げているようです。不完全変態で幼虫時代から蛾や蝶の幼虫の体液を吸って成長します。
左の写真はアワヨトウの幼虫の体液を吸い取っているシロヘリクチブトカメムシの5齢幼虫です。2005.9.18