ヤチバエ科のヤマトヤチバエ
Limnia japonica Yano
松阪市飯高町波瀬で灯火採集した折に見つけたヤチバエ.近くを櫛田川が流れる.
日本産水生昆虫(2005.東海大学出版会)によると,ヤマトヤチバエの「成虫は河川沿いの草地に生息する.日本でのみ分布が知られ,九州で5,8,9月,本州では7~9月,北海道で8月に普通に見られる.額および触角は黄褐色,顔は黄白色,中央に暗色帯をもつ.脚は黄褐色;前胸基腹板は剛毛を持つ;翅長6.5mm,体長7.5~8.0mm.前翅の前縁は透明斑が少なくその他の部位よりも暗色がかっている.」
また,同書によると,セスジヤチバエ属
Limniaの特徴は「触角刺毛は白色,かつ白色軟毛で覆われる.前翅は網目状の斑紋をもつ.翅脈(veinA1+CuA2)の先端は前翅の後縁に達する.」など.
利尻島のヤチバエとシマバエ(笹川,2005)によると,ヤマトヤチバエは「翅に多数の淡褐色斑点が並列する種で,九州および本州産模式種では黒色の中胸背が灰色粉でおおわれ,明瞭な暗色縦条が2本走っている.」
三重県のヤチバエ科の記録は,これまでヒゲナガヤチバエのみ.
文献
笹川満廣 (2005) 利尻島のヤチバエとシマバエ.利尻研究,(24): 101-102.
末吉昌宏 (2005) ヤチバエ科,日本産水生昆虫-科・属・種への検索.1229-1256,東海大学出版会.
2011.6.18