田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ヒバリ

2009-02-26 | 
ヒバリ
白子漁港の空き地でヒバリを見つけた。
雌雄同色。雄は頭頂の羽を良く立てるが、雌は雄ほどに立てないと図鑑に書いてあった。「♂と思われる」という写真が掲載されていたが、その写真と見比べると、良く似ているので私が出会ったのは雄と思われる。
丈の低い草が疎らに生えた乾燥地を好むとのこと。漁港の空き地もそんな所であった。
鳥の図鑑を見ていて気づいた事だが、鳥たちはほとんど皆嘴を左に向けている。飛翔写真もみな左方向へ飛んでいるものばかりだ。鳥の図鑑では常識なのであろうか。
2009.2.25

ヒバリ

ヒバリ

セッカ

2009-02-26 | 
セツカ
鈴鹿市の白子漁港をうろついた。
車の窓越しに鳥が見えた。窓ガラスを下げたかったが、鳥が逃げると思ったので、ガラス越しの撮影。
ウグイス科のセツカ
繁殖期以外は1羽で生活する。
田中川干潟周辺でも見かけるが、撮影できていない。
繁殖期の雄は上昇しながら「ヒッヒッヒッ」と鳴く。声は良く聞くが、アシ原や草むらの中へ消えていってしまう。
巣作りは雄の仕事で、草と蜘蛛の巣を使って楕円形の巣を作るという。見てみたい。
2009.2.25

セツカ

セツカ

風車が見える

2009-02-25 | 風景
風力発電所
ここは津市北部の海岸。海の向こうは知多半島。
今日は海の向こうに風力発電所があって、2基の風車が回っていることに初めて気づいた。
中部国際空港よりも北。風車の左手にはタンクや高い煙突が続く。
調べると、知多市の新舞子マリンパークという人工島の人工海岸に設置されているものと分かった。
2009.2.23

風力発電所

中電知多火力発電所
右手のタンク群は東邦ガスの知多LNG共同基地のものと思われる。
高い煙突は中電知多火力発電所とその周辺の工場群のものだろう。
左端には造船所が見える。IHI CHITA SHIPYARD のものだ。
造船所右手の煙突は知多第二火力発電所のものか。
造船所の左手は名古屋港へと続く。

アメフラシ打ちあがる

2009-02-23 | 三重の生き物
アメフラシ
鈴鹿市北部の海岸をふらりと訪ねた。
ある漁港近くの波打ち際で大量のアメフラシが打ちあがっているのを見つけた。
周りにアオサ類も打ちあがっており、海藻を食べるアメフラシがこの漁港近くで暮らしていたのだろうと偲ばれた。
ちょっと触ってみたら緩やかに動くので、海の中に入れてみた。
波の動きに合わせて転がるばかりではあるが、紫色の汁を出し続けていた。
魚の網に時々かかることがあると近くに居た漁師が教えてくれた。

卵は黄色いラーメン状となるため、「海素麺」と呼ばれる。これを「うみぞうめん」と読ませて紹介されているところもあちこちで散見されるが、「うみそうめん」と読むほうが自然ではないかと思う。そう思ったので、ある先生にお聞きしたら、「俗称だから、どちらでも構わないでしょう」という答えが返ってきた。
2009.2.21

アメフラシ

アメフラシ

ホシハジロ捕獲

2009-02-21 | 
ホシハジロ
庭で鳥が動けなくなっている。何とか、ならないかと近所の人が言ってきた。
植え込みの中に座り込むホシハジロを見つけた。
思ったより小さく感じた。咬むのかどうか知らないが、咬まれたら痛いので手袋をして捕獲。意外と大人しくしている。
オートバイが近くを通ると、その音におびえた。
近くの池には仲間たちがいっぱいいる。その池が見えたとたんに、ホシハジロは飛び出そうと暴れた。
少し力を弱めたら、ホシハジロはまっすぐに池に向かって飛んでいった。
どこか怪我でもしていたのか、何も確認できなかった。
2009.2.20

ホシハジロ

ホシハジロ

田のケリ

2009-02-19 | 
ケリ
チドリ科のケリ

近くの農道を通ったとき、田の中で餌を探す2羽のケリを見つけた。
黄色い嘴の先は黒いが、泥で汚れている。主に昆虫類を食べると図鑑に書かれていたが、この時期は泥干潟でも良く見かけるので、昆虫類以外のものを探しているのではないかと思う。

ハトを飼っていた小学生の頃、砂浜で鳥の卵を見つけて持ち帰った。松の木の下に産んであった。親鳥が松の周りを飛び回っていた。飛び回る鳥の羽根の色を今でも忘れない。鳴き声は兎に角けたたましかった。卵はハトに抱かせた。生まれてきた雛はすぐに歩き出した。足がひょろ長かった。巣箱から出して庭で遊んでいたら、あっという間にどこかへ走り去って二度と見つからなかった。
あのときの鳥がケリだと分かったのは、10年ほど前、田中川干潟から飛びたったケリの羽根に見覚えがあったからである。40年の月日が流れていた。
2009.2.17

ケリ

2月のヒメフンバエ

2009-02-16 | ハエ目(双翅目)
ヒメフンバエ♂
フンバエ科のヒメフンバエ Scathophaga stercoraria (Linnaeus, 1758)

最高気温が18℃を超えたこの日、菜の花畑でヒメフンバエの雌雄と出会った。
成虫で越冬している個体たちなのであろう。
ヒメフンバエの成虫は小型の双翅類などの小昆虫を捕食するらしいが、捕食シーンはまだ見たことが無い。菜の花に訪花している様子を見ていると、花の蜜がお気に入りのように思える。昆虫ばかりをあさっているのでは無さそうである。
上の個体は腹部や腿節などに金色の柔毛がたくさん生えているので♂。
下2枚の写真は雌で、腹部や腿節の毛が銀色で本数も雄よりは少ない。

学名には逸話がある。ヒメフンバエ属(Scathophaga)の命名者Meigen(1803)がScatophagaと綴るべきところを、間違ってScathophagaと綴って発表してしまい、後日の訂正が出来ない状況となってしまい、良くあることらしいが、間違った綴りが正式な学名になっている例の一つと言う。

2009.2.15
ヒメフンバエ雌
ヒメフンバエ雌
ヒメフンバエ雌

シバンムシsp

2009-02-16 | 甲虫
シバンムシsp
海岸堤防沿いに生えるトベラの葉に小さな甲虫を見つけた。2月とは思えぬこの日の温かさ。甲虫とは久しぶりの出会いだ。
甲虫の先生のところへ持っていって同定をお願いした。
「シバンムシです」
「何シバンムシですか」
「それ以上は分かりません」

甲虫図鑑を見ると、「かなりの未記載種がある」と書いてある。図版との絵合わせではコガタマツシバンムシに似ていると思えた。その種の解説は次のとおり。

体長は2.5-3.5ミリ。体下面は腹部を除き黒味が強い。ふ節は第2節目から強く前方に広がり、第5節(爪節)は比較的短い。アカマツ、クロマツ林に少なくない。本州、四国。

近くにはクロマツが生えている、体長も3ミリまでだ、分布も良し。問題はこの後だ。
シバンムシ科の属の検索表にはマツシバンムシ属の特徴として、「前胸背板側稜は完全。前基節は互いに接する。触覚先端3節はいちじるしく伸長し、複眼は大きく突出する」とある。
検索表を解読していくのは大変だ、お手上げである。
甲虫の先生が「シバンムシの仲間ですね」と言っているのだから、そういうことにしておこう。
2009.2.14

白菜のハエ

2009-02-12 | ハエ目(双翅目)
シリモチハナレメイエバエ
シリモチハナレメイエバエ
2008.11.29 白菜畑で翅が伸びきっていないハエに出会った。
この様子はどういう状況なのか、またハエの正体は誰なのか、しかるべきところに問い合わせた。

ウミユスリカ様からの回答は
「本来だったらこういう状態の生態写真では同定はまず無理なんですが、たまたまこの画像のハエは、雄の腹部後半の形態が非常に特殊なグループなので、ある程度の絞込みができました。
イエバエ科ハナレメイエバエ亜科のシリボソハナレメイエバエ属Pygophoraの一種です。ただ、細くなった腹部後半の背面がキール(船の竜骨)みたいになっているかどうかがこの画像ではちょっと判断しにくいので種までの同定は保留いたします。
腹部第5節背板剛毛の感じから、シリモチハナレメイエバエPygophora confusaの可能性が高いとは思うのですが。
恐らく幼虫も成虫も肉食で、微小な昆虫を捕食していると思います。」

三枝豊平様からの回答は
「ハナレメイエバエ亜科Coenosiinaeのハナレメイエバエ族Coenosiiniの1種です.この亜科の属までは以下の検索表で検索してみてください.
おそらく翅を伸展する直前か,伸展失敗した個体でしょう.
検索表の1は写真からは不明ですから,3からはじめてみてください.用語などは北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻の双翅目の概説などを参照してください.以下のものは,私が私のコレクションに基づいて作製したもので,ややくどい印象を与えますが,初心者にもわかるようにしたので,おそらく属の検索は可能でしょう.

ハナレメイエバエ亜科Coenosiinaeの属の検索表

1.3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2以下で,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルより後方に位置する.・・・・・・ミズギワイエバエ族Limnophorini・・・2
 3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,ほぼ正三角形か,あるいは高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2より長く,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルか,それより前方に位置する・・・・・・・・・・・・・・・・ ハナレメイエバエ族Coenosiini・・・3
2.小腮鬚は匙状;一般に腹部は細長い・・・カトリバエ属Lispe
 小腮鬚は細長い;イエバエのように腹部は短く丸い・・・・ミズギワイエバエ属Limnophora(ここには翅のR4+5脈基部の膨らみに刺毛を欠くタカネイエバエ属Spilogonaも該当するが,高山性で平地にはいない)

3.頭部の前額眼縁板の上方にある後向きの額眼縁剛毛(reclinate ors)は2対(これらより前方には前向きや内向きのorsがある);後脛節の基部より2/3以内にある前背剛毛は2本(先端近くにはもう1本ある)・・・4
 
頭部の前額眼縁板の上方にある後向きの額眼縁剛毛(reclinate ors)は1対(これらより前方には前向きや内向きのorsがある);後脛節の基部より2/3以内にある前背剛毛は1本か0(先端近くにはもう1本ある)      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハナレメイエバエ属Coenosia
4.中脛節は中ほどに1本の後背剛毛をもつ;単眼三角板(単眼を含む粉で覆われた光沢のない三角の領域)は大型で,その前端は触角基部近くの前額帯の前縁にほぼ達する・・・・・・5
 中脛節は中ほどに2本の後背剛毛をもつ;単眼三角板(単眼を含む粉で覆われた光沢のない三角の領域)は小型で,その前端は触角基部より遥か前方で終わり,前額帯の前縁には達しない(多くの種では雄の第5腹節背板の後縁は中央部で強く突出する)  ・・・・・・・・・・・・・・・・ シリボソハナレメイエバエ属Pygophora
5.小楯板剛毛は2対4本;後脛節は基部から2/3までの間に2本の後背剛毛を持つ;翅は透明で前半が暗色にならない・・6 
 小楯板剛毛は1対2本;後脛節は中ほどに1本の短い後背剛毛を持つ;翅の前半は暗色・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヘリグロハナレメイエバエ属Orchisia(普通種のヘリグロハナレメイエバエO. costata1種のみ)
6.触角刺毛に生じる毛は大変短く,そのために触角刺毛は櫛歯状ではない・・・・・・ホソハナレメイエバエ属Caricea 
 触角刺毛に生じる毛は大変長く,最長のものは刺毛本体の長さの1/3に達し,そのために触角刺毛は櫛歯状になる(雄では上側だけ,雌では下側にも長い毛が生じるので両櫛歯状になる)・・・・・・・クシヒゲハナレメイエバエ属Pectiniseta(P. yaeyamensisヤエヤマクシヒゲハナレメイエバエ1種が八重山諸島に普通に生息するのみ)」


さらに三枝様の回答は続く 
「あなたが撮影された翅が伸びていない個体の腿節などが屈曲しているのは,囲蛹内の蛹の段階では,蛹のクチクラのサイズより成虫のそれの方が一般に大型のために,例えば,しばしば腿節はある程度曲がった状態で成虫形成が起ります.羽化段階では成虫のクチクラはまだ硬化していないので,翅を展開・伸張するのと同様に,血圧でこれらを伸ばしていきます.これは体,特に腹部の筋肉を収縮させることで,体の容積を縮めるような圧力になり,ヘモリンフ(血リンパ)に圧力がかかり,これで成虫の形になるように,縮んでいる各部が,風船に空気がはいるように,展開していきます.成長が不十分で小型の個体は体液(要するにヘモリンフ)が不足していたり,十分に成長した個体でも羽化後に傷が生じてそこから出血がおこると,十分な血圧に達しないために,成虫の本来の形にならないで,各部の十分な伸張が起りません.また,羽化後クチクラは急速に硬化を始めますから,何らかの理由でそれまでに十分に血圧を加えて体の各部を伸張する時間が足りないと,各部の伸張が不完全で終わります.チョウで羽化時に十分に翅を展開できるような場所がないと翅の形が異常になるのもこの理由からです.」

「腹部後半の背面がキールみたいになっているという状態」と「第5腹節背板の後縁は中央部で強く突出する」という記述とは同じ意味でしょうか?と再質問すると三枝様から更に詳細な説明をいただいた。

「これは同じ意味です.この状態はPygophora属シリボソハナレメイエバエ属の中でも変化があり,ほとんどそのようになっていない種もあります.
あなたが撮影され,ウミユスリカさんがシリモチハナレメイエバエPygophora confusaであろうと同定された,この種の側面図を先ず示しておきます.背面図とこれとは別種のウロコシリモチ(ハナレメイエバエ)Pygophora lepidoferaの側面図を次とその次に図示しておきます.後種の場合には第5腹節背板の突出はかなり弱くなっています.前種はこの背板のやや側部に近く上を向く小型の剛毛が何個か長い一般の剛毛に混じって生じていますし,後種ではこの部分に鱗状の剛毛が生じています.」
シリモチハナレメイエバエ側面図
シリモチハナレメイエバエ側面図です.第5腹節背板の突出は強く、この背板のやや側部に近く上を向く小型の剛毛が何個か長い一般の剛毛に混じって生じています.
(写真、解説文ともに三枝豊平様提供)

シリモチハナレメイエバエ背面図
シリモチハナレメイエバエの背面図です.この位置から見ると,第5腹節背板が両側から側圧されてしかも後方にやや突出している状態がわかると思います.(写真、解説文とも三枝豊平様提供)

ウロコシリモチハナレメイエバエ
これはウロコシリモチハナレメイエバエの側面図です.
シリモチハナレメイエバエより第5腹節背板の突出が弱い状態がわかります.ここに生じている鱗状の剛毛はあまりはっきりしませんが,黒く写っているものがそれです.(写真、解説文ともに三枝豊平様提供)


以上は「一寸のハエにも五分の大和魂」という画像掲示板でのやり取りをほぼ再現したものである。通常、人の投稿画像を無断で借用するのはご法度ではあるが、この時の掲示板のデータが管理人の誤操作により消去されてしまったので、三枝様の投稿画像をあえて使用して再現を試みた。

ウスヒラタゴキブリ幼虫

2009-02-11 | 田中川
ウスヒラタゴキブリ幼虫
田中川干潟、ハマボウの古木際にて。
ウスヒラタゴキブリの幼虫が流木の下で越冬していた。
木の上で生活すると聞いているこのゴキブリ、やはりハマボウで生活していたのか。
成虫にはまだ会えていないが、きっとこのハマボウの樹上で出会えると思うと楽しくなってくる。

そのうち、三重大学の学生たちも底生生物の調査にこの干潟へやってくることだろう。
女の人も干潟の中で調査しているよと釣り人に聞いたことがある。私はその女性が誰かは察しが付いている。
2009.2.1

干潟のゴキブリ

ウスヒラタゴキブリ幼虫

ハシボソガラスのいる風景

2009-02-09 | 風景
ハシボソガラス
2009.2.6 冬の芦原海岸
風で砂が舞い上がる。打ちあがったバカガイも砂に埋もれていく。
そのバカガイを好んで漁っているのはハシボソガラスの群れ。
こんなにカラスが多くてはシロチドリも安心して卵を産めないだろうなあ。
たくさんの流木は少数の有志が少しずつ集めては砂浜で燃やしていた。行政は何もしてくれなかった。

海の向こうに見えるタンク群はどこのものなのだろう。知多の辺りだとは思っているが、行ったことが無い。
海を見るたびに思う。
遠くにかすんで見える山はどこの山だろう。
山の上に見える煙突はいつも煙を出している。
どこの工場のものなのだろうか。
いつかきっと解き明かしたいと。

ナミハナアブ雌

2009-02-03 | ハエ目(双翅目)
ナミハナアブ雌
ハナアブ科 ナミハナアブ  Eristalis(Eristalis)tenax(Linnaeus, 1758)

近くの菜の花畑でナミハナアブ雌を見つけた。
前日まで強い風が吹いていたが、この日は日差しも暖かく、成虫で越冬しているナミハナアブが花の蜜を舐めにやって来た。
角度を変え、花を替えて蜜を求める。口吻が長いんだなあ。
体のあちこちが痛んで医者通いの私には、このナミアナアブの動きがものすごくエネルギッシュに思えた。
2009.2.2

ナミハナアブ雌

ナミハナアブ雌