コツチバチ科のマメコガネコツチバチ♀ Tiphia popilliavora Rohwer
津市の豊津海岸。砂浜に放置されたいくつかの水槽のひとつに雨水がいっぱい溜まっている。その中で小さな2匹のハチが脚を動かしている。溺れているのだ。
足元にあったイネ科の穂を放り込んでやると,しがみついてきた。水槽の縁に穂を引き寄せると,ハチが自力で水槽の壁を登ってきた。
ハチはアカアシクロツチバチのペアーかと思っていたが,穂にしがみいてきた個体の翅に明瞭な縁紋がない。知人に確認してもらうと,この個体はマメコガネコツチバチ♀ と判った。体長は8ミリを少し越えるくらいで,アカアシクロツチバチの雄よりも少し大きく雌よりも少し小さい。
てっきりアカアシクロツチバチが仲良く雌雄揃って水でも飲みにきて,この日は西風が強かったので水槽内に落ちてしまったのだろうと思い込んでいた。2種類のコツチバチだったとは。本当に同定は難しい。
水に濡れた翅では水面から飛び立てないようだ。
新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,アカアシクロツチバチの「♂は全体黒色。第5腹板両側の歯状突起は小さく,前胸背板の横隆起は側方で角をなして突出する。」などとある。
マメコガネコツチバチについては,私は何も資料を持ち合わせていない。何に載っているのだろう。
2010.10.30
水面から水槽の壁面を這い上がるマメコガネコツチバチ雌
水槽から脱出したコツチバチ科のアカアシクロツチバチ♀ Tiphia biseculata Allen et Jaynes,1930
砂浜にアカアシクロツチバチ