センノカミキリ 2011-08-31 | 甲虫 センノカミキリ Acalolepta luxuriosa 菰野町の八風渓谷。枯枝にいる大きなカミキリを見つけた。 原色日本甲虫図鑑Ⅳによると,センノカミキリは「20-36㎜。体は黒色,灰黄褐色の微毛に覆われるが,上翅には中央の前後に2本の黒色の横帯をもつ。6~8月,温帯樹林帯の広葉樹の若枝や葉柄を後食するため集まる。倒木・伐採木にも集まるがしめった部分を好む。」 センノキ(ハリギリ)などのウコギ科の植物をホストとしていると聞いている。 2010.8.27
ヒメオビオオキノコ 2011-08-30 | 甲虫 オオキノコムシ科のヒメオビオオキノコ Episcapha fortunii 津市の偕楽公園。枯れかかった木の幹にヒメオビオオキノコを見つけた。 原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,ヒメオビオオキノコは「眼は大きく突出し,前縁は頭蓋におおわれず,内縁は強く弧状。前胸背板側縁はほぼ直線状。背面は短毛を密生する。9.0-13.0㎜。ふつう。」などとある。 幼虫も成虫もキノコに生息するが,キノコを見つけてもヒメオビオオキノコの姿はなかなか見つけられないものである。 2011.8.22 オオキノコムシ科の幼虫
ショウリョウバッタモドキ 2011-08-28 | バッタ類 バッタ科のショウリョウバッタモドキ Gonista bicolor 津市の偕楽公園。草むらでショウリョウバッタモドキと出会った。 新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,ショウリョウバッタモドキは「体長40-57㎜。体翅の背面はほとんど直線状。本州以南東洋熱帯地方に広く分布し,本邦では湿地の草原などに生息する。草の茎に擬態しているので,見つけにくい。見つけても,すぐ茎の反対側にかくれる習性がある。」という。 バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑によると,「淡緑色と褐色の2型がある。背面は淡紅色で,ほぼ直線状。体は柔らかい。従来のバッタ科が生息する環境とは異なり,チガヤなどイネ科植物の草原に群生する。年1化で,成虫は8~11月に多い。」 2011.8.22
アシグロツユムシ幼虫 2011-08-28 | バッタ類 キリギリス科のアシグロツユムシ幼虫Phaneroptera nigroantennata 菰野町の林道を歩いていて,林道脇の草むらでアシグロツユムシの終令幼虫と出会った。 新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,アシグロツユムシ成虫は「体翅や脚に褐色部が強く,後脛節は全く黒色,触角も黒色で白色部を有する」という。 2011.8.15
サンショウソウ 2011-08-24 | 草花 イラクサ科サンショウソウ属のサンショウソウ Pellionia minima 紀北町紀伊長島区をうろついた。とある神社の周辺部の崖にサンショウソウが群生しているのを見つけた。 『山に咲く花』によると,サンショウソウは山地の陰湿地に生える多年草。雌雄異株で,花期は4~6月。関東地方から西の本州,四国,九州,沖縄に分布する。 日本固有種で,複数の県の絶滅危惧種に選定されている。 名前のとおり,山椒の葉の様子に良く似ている。 2011.8.18
キイロスズメ 2011-08-24 | 蛾 スズメガ科のキイロスズメ Theretra nessus (Drury, 1773 津市久居の知人宅で,ポポーの木に止まるキイロスズメを見つけた。 成虫の出現月は 5-10月で,開張は 80-105㎜もある。幼虫はヤマノイモ科のナガイモやオニドコロなどを食草とする。蛹で越冬する。 キイロスズメも大きいが,実をつけたポポーの木も大きかった。 2011.8.17
昼間から飛ぶモンシロモドキ 2011-08-22 | 蛾 ヒトリガ科のモンシロモドキ Nyctemera adversata (Schaller, 1788) 紀北町海野の林縁でモンシロモドキを見つけた。ひらりひらりと飛んでいたので蝶かと思った。 『増補改訂版 昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』によると,前翅長は25㎜,本州から沖縄に分布し,成虫の出現期は3-11月,幼虫の食餌植物はキク科のスイゼンジナで,昼飛ぶという。 2011.8.18
樹液酒場のヨツボシオオキスイ 2011-08-20 | 甲虫 キスイムシ科のヨツボシオオキスイ Helota gemmata 菰野町。河川敷で,樹液が出ている木を見つけた。カナブンが集まっていたが,ヨツボシオオキスイの姿もあった。近づくと,ヨツボシオオキスイは樹皮の隙間にゆっくりと逃げ込んでいった。クヌギやコナラの樹液酒場で良く見かける風景だ。 原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,ヨツボシオオキスイは「11-15㎜。上翅の第3,5間室のくびれは弱い。翅端は♂ではまるく,♀ではとがる。ふつう。」 2011.8.10
エゾスズメ幼虫 2011-08-18 | 蛾 スズメガ科ウチスズメ亜科のエゾスズメ幼虫 Phyllosphingia dissimilis dissimilis (Bremer, 1861) 津市美杉町の大洞山。クルミ科のオニグルミが実をつけている。このオニグルミの葉をムシャムシャと勢い良く食べている大きな幼虫を見つけた。オニグルミを食餌植物とするスズメガの幼虫となると,エゾスズメが知られている。その終齢幼虫の体長は85㎜ほどというから,この幼虫は終齢と思われる。 エゾスズメは北海道,本州,四国,九州,対馬;シベリア,朝鮮に分布する。 『幼虫図鑑』という画像掲示板で,atozさんという方から,「尾脚の上あたりがイボイボになってるのも」エゾスズメ幼虫の特徴だと教えてもらった。 幼虫の画像は,これまでネット上にはほとんど出ていない。 2011.8.12
ムラサキアツバ幼虫 2011-08-17 | 蛾 ヤガ科シタバガ亜科のムラサキアツバ Diomea cremata (Butler, 1878) 津市芸濃町の林道を歩いていて,キノコを食べている幼虫を見つけた。 シイタケの害虫として知られるムラサキアツバの幼虫と思われる。終齢幼虫の体長は30㎜になるという。 キノコに頭を突っ込んでいたので,むりやり引っ張り出して撮影した。 2011.8.13
ウバタマムシ 2011-08-17 | 甲虫 タマムシ科のウバタマムシ Chalcophora japonica 菰野町の林道でウバタマムシを見つけた。 原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,ウバタマムシは「24-40㎜。金銅色ないし赤銅色,ときに緑色を帯びる。生時は全体に黄灰色粉で薄くおおわれる。5~8月。マツ類の枯材につく。成虫越冬するものもある。」などとある。 2011.8.15
エゴシギゾウムシ 2011-08-15 | 甲虫 ゾウムシ科のエゴシギゾウムシ Curculio styracis 津市美杉町の大洞山。エゴノキの果実にゾウムシがくっついていた。 原色日本甲虫図鑑Ⅳによると,エゴシギゾウムシは「5.5-7㎜。小楯板の長さは幅の1.5倍,会合部の縁どりは黒い。本州・四国・九州。エゴの実に産卵する。少ない。」 2011.8.12
青山高原のヒグラシ 2011-08-14 | 三重の生き物 セミ科のヒグラシ anna japonensis 青山高原道路でヒグラシの死骸を見つけた。 カナカナと鳴く声の主を山中で見つけることは難しい。 ヒグラシという名前はずいぶん前から聞き知っていたが,海岸育ちの私はヒグラシの声も姿も子供時代には全く知らなかった。 近頃は山地に出かけることが多くなって,昼間からカナカナの声を良く聞くようになった。 このヒグラシはきっと高原道路を走る車に衝突したのだろう。近くの路面にはアブたちの死骸がたくさん見つかった。 2011.8.11
樹液に集まるホシアシナガヤセバエ 2011-08-12 | ハエ目(双翅目) ナガズヤセバエ科のホシアシナガヤセバエ Stypocladius appendiculatus 菰野町。樹液の出ている何本かの木でホシアシナガヤセバエと出会った。 新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「体長8-10㎜。褐色。頭部は長く扁平。複眼後方は長く,栗色縦帯を持つ。触角,第1節は幅より長く,第2節は前節よりはるかに長く幅広く,第3節は更に長く扁平,末端丸く,背側に白色端棘を生ずる。翅のr2+3脈とm1+2脈に前者では後方に,後者では前方に,暗褐紋を伴う数個の支脈を出す。夏季樹液に集まる。」などとある。 原色日本昆虫図鑑(下)によると,ナガズヤセバエ科(アシナガヤセバエ科)のホシアシナガヤセバエは「翅長7㎜。頭部は長くて扁平で側面は濃褐色。胸部背面は灰褐色粉を装い,3本の濃褐色縦条があるが,互いに離合しては複雑な斑紋となる。あしの腿節の基部より2/3の位置に黄色環紋がある。翅は細く,R2-3脈と中脈には,それぞれ向かい合った方向へ数本の小支脈を出し,暗褐色の小斑点を伴う。腹部は細長く,各節背面の後縁は狭く淡褐色を呈する。」 同じ特徴を表現するにしても,図鑑によって随分と言い回しが異なるものだと感心した。 2011.8.10
コムラサキ♀ 2011-08-11 | チョウ タテハチョウ科のコムラサキApatura metis substituta 菰野町。樹液の出ている木を何本か見つけたので覗きに行った。 この日はカナブンが多かったが,見られぬチョウと出会った。コムラキで,10年ぶりくらいか。 『広島県蝶類図鑑』によると,コムラサキの「雄の翅表は角度によって紫色に輝く幻光があるが,雌にはこの紫色の幻光がない。」 この雌は翅をゆっくりと閉じたり開いたりしながら,この場所から離れようとしなかった。右翅が相当傷んでいる。 2011.8.10 コムラサキ♀ コムラキ幼虫