◆反対討論
平成19年2月議会において松阪駅西地区市街地再開発事業の関連予算は前代未聞の23時間のロングラン徹夜議会のあとの採決の結果、賛成19対反対13で可決された。
議案の採決の前に有志議員により、自分はなぜ賛成するか、自分なぜ反対するかを述べる賛成討論、反対討論を行うが、私は次のように反対討論を行った。
『本議案により市から補助金が出される松阪駅西地区市街地再開発事業は、民間業者の発想と計画を市がそっくりそのまま受け入れ、気前よく税金を投入するもので、一部の業者の利益のための事業に思えます。
この事業に対する反対理由として、
1、松阪駅前という公共の場所を舞台とする計画でありながら、市民への十分な説明がなさていない。
2、1300億円もの借金を抱える松阪市が民主導の事業に多額の税金を投入すること。
3、駅前における24階建て、70余メートルマンションは、駅を利用する人や地元住民に圧迫感を与え、歴史と文化都市松阪の景観を台なしにするおそれがある。
4、福祉総合センターの駅前への立地も、自然環境にすぐれた場所への設置を希望する市民の願いに反するものであります。
市街地の活性化は市民の願いです。今回のように一部の業者の利益のための発想では、とても市街地の活性化に役立つとは思えません。駅前再開発は、もっと市民がみんなで議論して考えるべきです。 私は、市政をチェックするという市議会議員の役割を果たすために、市民の方に顔を向け、市民の利益のために本議案に反対します。』
議会が終わったあと本議案に賛成された一人の先輩議員から「自分は賛成の立場だが、反対したくなるようないい討論だった」と言われた。また一人の新聞記者さんからも「論理的でいい討論だった」と言われた。
◆市民への説明責任
19年の2月議会で駅西再開発事業は可決されたが、このとき反対議員に限らず、賛成議員からも、市議会に対する、また市民に対する行政からの説明責任が果たされていないとの指摘があった。
このため市ではこのあとケーブルテレビを通じてこの事業の説明をしたり、パンフレットの全戸配布をした。また市民の代表を選任にして「まちづくりフォーラム」や「市民意見交換会」が開催された。
兵庫県の川西市では再開発事業を進めるにあたって行政が、市内の自治会、PTA、婦人会、JCなどあらゆる団体を対象に説明をして廻ったと聞きいた。それに比べるとまだまだ説明がなされたとは言えない。本当の説明責任とは一方的に説明をするだけではなく、説明をして市民に理解してもらってはじめて説明責任を果たしたことになる。
そしてなにより市民への充分な説明、市議会への充分な説明のあと議案を市議会に上程すべきではなかったか。
◆市民からのいろいろな提案
この事業が前に向かって進んでいくことになってからも、市民からいろいろな提案も出された。市民が自由な発想で作成した駅西再開発のレイアウト、三交百貨店跡地と合わせて開発してはどうか、マンションを駅より遠い北側にもっていってはどうかなど市民から意見が示された。
この中で殿町住民協議会(梅本治会長)が提示したイメージ図は、マンションを計画からはずし、市総合センター、ホテル、立体駐車場を中心とし、観光センター、レストラン、物販店などを配した見るからに「うきうき」するようなすばらしい計画であった。
しかし、これらの意見はすべて現実的でないと却下された。本来、駅周辺のような公共の場の開発は、企業利益からスタートするのではなく、市民の自由な発想から始まり、それをいかにすれば現実化できるかと煮詰めていくことが一番大事ではなかったか。(次回につづく)
平成20年11月16日
松阪市議会議員 川口 保
平成19年2月議会において松阪駅西地区市街地再開発事業の関連予算は前代未聞の23時間のロングラン徹夜議会のあとの採決の結果、賛成19対反対13で可決された。
議案の採決の前に有志議員により、自分はなぜ賛成するか、自分なぜ反対するかを述べる賛成討論、反対討論を行うが、私は次のように反対討論を行った。
『本議案により市から補助金が出される松阪駅西地区市街地再開発事業は、民間業者の発想と計画を市がそっくりそのまま受け入れ、気前よく税金を投入するもので、一部の業者の利益のための事業に思えます。
この事業に対する反対理由として、
1、松阪駅前という公共の場所を舞台とする計画でありながら、市民への十分な説明がなさていない。
2、1300億円もの借金を抱える松阪市が民主導の事業に多額の税金を投入すること。
3、駅前における24階建て、70余メートルマンションは、駅を利用する人や地元住民に圧迫感を与え、歴史と文化都市松阪の景観を台なしにするおそれがある。
4、福祉総合センターの駅前への立地も、自然環境にすぐれた場所への設置を希望する市民の願いに反するものであります。
市街地の活性化は市民の願いです。今回のように一部の業者の利益のための発想では、とても市街地の活性化に役立つとは思えません。駅前再開発は、もっと市民がみんなで議論して考えるべきです。 私は、市政をチェックするという市議会議員の役割を果たすために、市民の方に顔を向け、市民の利益のために本議案に反対します。』
議会が終わったあと本議案に賛成された一人の先輩議員から「自分は賛成の立場だが、反対したくなるようないい討論だった」と言われた。また一人の新聞記者さんからも「論理的でいい討論だった」と言われた。
◆市民への説明責任
19年の2月議会で駅西再開発事業は可決されたが、このとき反対議員に限らず、賛成議員からも、市議会に対する、また市民に対する行政からの説明責任が果たされていないとの指摘があった。
このため市ではこのあとケーブルテレビを通じてこの事業の説明をしたり、パンフレットの全戸配布をした。また市民の代表を選任にして「まちづくりフォーラム」や「市民意見交換会」が開催された。
兵庫県の川西市では再開発事業を進めるにあたって行政が、市内の自治会、PTA、婦人会、JCなどあらゆる団体を対象に説明をして廻ったと聞きいた。それに比べるとまだまだ説明がなされたとは言えない。本当の説明責任とは一方的に説明をするだけではなく、説明をして市民に理解してもらってはじめて説明責任を果たしたことになる。
そしてなにより市民への充分な説明、市議会への充分な説明のあと議案を市議会に上程すべきではなかったか。
◆市民からのいろいろな提案
この事業が前に向かって進んでいくことになってからも、市民からいろいろな提案も出された。市民が自由な発想で作成した駅西再開発のレイアウト、三交百貨店跡地と合わせて開発してはどうか、マンションを駅より遠い北側にもっていってはどうかなど市民から意見が示された。
この中で殿町住民協議会(梅本治会長)が提示したイメージ図は、マンションを計画からはずし、市総合センター、ホテル、立体駐車場を中心とし、観光センター、レストラン、物販店などを配した見るからに「うきうき」するようなすばらしい計画であった。
しかし、これらの意見はすべて現実的でないと却下された。本来、駅周辺のような公共の場の開発は、企業利益からスタートするのではなく、市民の自由な発想から始まり、それをいかにすれば現実化できるかと煮詰めていくことが一番大事ではなかったか。(次回につづく)
平成20年11月16日
松阪市議会議員 川口 保