川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

豪腕小沢さんに謙虚さを

2010-06-04 09:45:16 | 日記
 鳩山総理が辞任することになった。鳩山さん本人の政治手腕や金の問題もあるが、内閣支持率の低下など小沢幹事長が足を引っ張ったことも大きい。
 自民党に残って入ればとっくに総理になっていただろうといわれる小沢さんが、長い間の野党時代から脱却して、やっとの思い出いで手にした政権の座だった。民主党の幹事長に座った小沢さんが豪腕ぶりを発揮したのは当然であった。

 今「政治家」と呼べる政治家は二人しかいない、一人は小沢さんともう一人は亀井静香さんであると、テレビである評論家が言っていた。最近、政治家の線が細くなってきた感じがする、自民党の最近の歴代総理も線が細かった。かつて三角大中福(三木武夫、田中角栄、大平正芳、中曽根康弘、福田赳夫)で総理の座を争った時代には、やり手で個性的でエネルギッシュな感じの政治家が多かった。あの時代は実力でのし上がってきた政治家が中心であったが、今は二世、三世の世襲議員が多いのも政治家が小粒になった要因であろう。

 小沢さんは世襲議員ではあるが、最近まれにみる骨太の政治家である。政権政党の幹事長として権力が集まったが、このような時こそ、権力が大きくなればなるほど謙虚さも必要ではなかっただろうか。
 昨年12月、天皇陛下と中国から来日した要人との会見を、宮内庁の要請による「1カ月ルール」を破って実現したことで批判を受けた。あのときの記者会見での傲慢ぶりが目についた。小沢さんは47才で自民党幹事長になっている。この幹事長時代に総理候補を自分の事務所に呼び出し面接した、いわゆる「小沢面接」に党内外から批判を受けたことが思い出される。このことが小沢さんのその後の人生を大きく変えていったのではないだろうか。

 かつて、「所得倍増」をスローガンに掲げて経済重視の内政主義を打ち出した池田勇人首相や日本列島改造論を掲げ大型公共投資を中心とする経済成長政策を追い求めようとした田中角栄首相(私はあまり好きではなかったが)のように、バブル崩壊後閉塞した日本経済を大きく動かし景気の回復を、いつか誕生するであろう「小沢総理」に期待していたのだが、国民の支持が得られなければ何ともならない。

 今、国民は小沢さんにはへきへきしているが、我慢することと謙虚さを備えて、もう一度出直してもらった方がよいのではないかと思う。