川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

西野かんこ塾まもなくスタート

2010-05-09 02:02:08 | 日記
                     写真は以前のかんこ塾の様子

 松阪市西野町に古くから伝わる伝統神事「西野かんこ踊り」の練習が6月5日からスタートします。西野かんこ踊りは「子踊り」とも呼ばれ、毎年盆前後の土曜日または日曜日に行われます。この踊りがいつから始まったかはわかりませんが、何百年もの昔から伝わってきた踊りです。戦後長い間中断してきたのを復活して現在にいたっていますが、太鼓を確実に打てる人、歌を確実に歌える人、また笛や「ざい」ができる人が極めて少なくなってきました。このため踊りのエキスパートを育てるために、2年前から西野かんこ踊り保存会(川口保会長)の中に「西野かんこ塾(錦洋明塾長)」を発足させ練習に取り組んでいます。
 かんこ塾では、若いときから歌や太鼓をやってきた「師範」と呼ばれる人たちの指導のもとで、若い人たちが歌や太鼓を習います。

 松阪市内では現在 7つの地区(猟師、松崎浦、曽原、笠松、新屋庄、小阿坂、西野)でかんこ踊りが行われています。以前は多くの地区でかんこ踊りが行われていましたが、ほとんどの地区で途絶えていき、現在残っているのは合併して広くなった松阪市でも、この7ヶ所です。このうち猟師、松崎浦、曽原、笠松、新屋庄のかんこ踊りは初盆供養の踊りで、小阿坂、西野のかんこ踊りは豊年祈願や雨乞いの神事踊りです。
 私も市内の全てのかんこ踊りを見せていただきましたが、歌や踊りがよく似ているところもあれば、全く異なるところもありました。

 西野かんこ踊りは、「鼓踊り」または「子踊り」とも呼ばれ、和歌山県日高川町にある安珍清姫悲恋物語で知られる道成寺の流れをくむ郷土芸能です。子踊りの「鐘巻踊」のうたの中にも安珍清姫悲恋物語が歌われています。
 「子踊り」と呼ばれるように、踊りの中心は子供たちです。小学生を対象としていますが、幼児たちもおもちゃの太鼓をもって踊りの輪に加わっています。最近は子供の人数が少なくなってきたので、大人の人たちも多く踊りに加わっています。また昨年初めて中学生も参加しました。
 踊りの輪の中央には大太鼓、その外側に大人の踊り子、さらにその外側に子供たちの輪、一番外側には子供たちの母親や地区の大人たちが竹の先に紙の房のついた「ざい」と呼ばれるものをもって踊ります。

 私もかんこ踊り保存会の会長をさせてもらっていますが、戦後の中断していた時の、歌も踊りも知らない空白の世代です。ただこのような貴重な郷土芸能に対する思いは強く、何とか後世に残して行きたいと思っています。
 平成4年に旧松阪市の4ヶ所(猟師、松崎浦、小阿坂、西野)のかんこ踊りが、市民文化会館で一同に会して踊りを披露したことがあります。できればもう一度の市内の7ヶ所に、現在中断している粥見のかんこ踊りを加えた8ヶ所の競演ができればいいと願っています。

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