フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

名人

2014-01-15 20:09:50 | Weblog
1939年の今日(大相撲春場所4日目)、1936年(昭和11)の春場所から勝ち続けていた横綱双葉山が安芸ノ海に敗れて69連勝で終わった日です。足掛け3年負けなかったのです。その際に双葉山が遺した名言があります。『われ未だ木鶏たりえず』これは木彫りの鶏のように全く動じることがない、最強の状態ではないと自嘲気味に語ったのです。双葉山の凄さは、成績からだけではありません。生涯一度も「待った」をしたことがないという土俵上の姿勢です。立ち遅れだとわかっても相手に合わせて相撲をとり、勝ちをおさめるのはまさに大横綱です。
同じように語ることが出来るのは、昨年亡くなられた、野球の打撃の神様、川上哲治さんです。川上さんはバッターボックスに立ってからは一度もそのバッターボックスを外すことがなかったと聞いています。両者に共通した名人気質ではないでしょうか。どんな状態でも対応出来るということは、普段の準備がきちんと出来ているから慌てないですむのです。一時流行った「想定外」なんてなかったでしょう。見えないところの努力が必要なことを教えてくれますね。

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