フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

巻き込む力

2012-10-11 22:12:50 | Weblog
京都大学教授の山中伸弥さんがノーベル賞を受賞してから、山中さんの人となりがいろんな角度から報道されています。その中でも私は、周りの人達を巻き込む力が優れていると思っています。何か思いついた際に周りの人達と一緒に研究し、深めていったからこそ大発見につながったのだと思います。新聞のコラム欄にいろんな組織を作り上げた人達が取り上げられていますが、こうした創始者は押しなべて巻き込む力が優れているので、人材を得て組織を大きくしたのだと思います。
その巻き込む力とはなんでしょうか。私見ですが、それはそのことを面白がるかどうかです。面白くて仕方ない時には人に対してぐいぐい迫っていけます。「おもしろいぞ、おもしろいぞ」と話しかける毎に、相手を引き込んでしまいます。つまり義務だけで取り組んでいては、仲間を引き込むことはできませんね。
こうした才能は子供の頃の遊び場で培われます。おもしろい遊びを考えて、友達に加わって貰い遊びを充実していくのと似ています。巻き込む力を培うことが将来に役立つと思いますね。

大文字と小文字

2012-10-10 23:04:11 | Weblog
日本中に元気を与える受賞でした。iPS細胞(人工多能性幹細胞)の開発で京都大学、教授の山中伸弥さんがノーベル医学、生理学賞に輝きました。この賞の重みは、世界中から取材陣が訪れる事からもわかります。
山中さんはiPS細胞を発見してから毎年のようにノーベル賞の候補に上がっていましたからようやくという感じですね。しかし年齢はまだ50歳とお若いです。ですから、この発見が実際の治療に役立つまで先頭に立って貰えそうで期待が一杯です。
ところでこのiPS細胞のiの字が小文字になっています。山中教授によると、iPodのように、小文字だと親しみが持てるので小文字にこだわったそうです。大文字より小文字の方が親しみを持てるのかと私などは思ってしまいますが、山中教授はiPodの普及の様子が、素晴らしい拡がりに見えたのでしょうか。臨床医の経験がおありですから、病に苦しむ姿を目の当たりにしていらっしゃる山中教授は、早くこのiPS細胞を使った創薬が誕生することもネーミングのこだわりにつながったことでしょう。iが愛として大きく育つことを願いたいです。

ガム効果

2012-10-09 14:14:06 | Weblog
私の偏見でしょうかね。野球中継を見ていて、選手がガムを噛みながらプレーする姿がどうも好ましくないと思えて仕方ないんです。しかし昨日のガムを噛むことの効能の報道にはビックリしています。
その報道をおさらいをすると、ガムには認知症の進行が止まったとか、子供の成績が上がったとか、がん予防に効果があるとかはたまたダイエットにまで効果があるという、良いことづくめでした。アメリカほどではないけれど、日本の選手にもガムを噛む選手がいます。何でもガムを噛むと気持ちが落ち着くのだそうですね。それでも見た目はねぇ。ガムを噛む効果があれほどあるのですから、世間という空間以外では、どんどん噛むといいですね。
さて我々アナウンサーの世界では、噛むという言葉は好ましくありません。つまり原稿を読む場合につっかえる事を「噛む」というのです。「今日は噛み噛みだったね」とディレクターから言われると、大変面目ないことなんです。〇〇王子が流行ったころの最高の非難言葉は噛み噛み王子だったかも知れませんね。
ガムを噛むからとんでもない方向にいってしまいましたが、この報道でガムが爆発的に売れるかも知れませんね。

体育の日

2012-10-08 15:21:01 | Weblog
名古屋地方は体育の日に相応しい素晴らしい晴天です。もともと東京オリンピックの開会式は10月10日にしたのも晴れの特異日として選ばれたものです。やはり統計通りこの近辺はいいお天気が続くものですね。
体育の日にちなんで、日本人アスリートの中での人気投票の結果が出ました。男子は4年連続でイチロー選手がトップ。2位が体操の内村航平選手、3位が水泳の北島康介選手でした。女子は1位は初めてサッカーの澤穂希選手、2位が浅田真央選手、3位が福原愛選手でした。こうしてみると、イチロー選手の人気は根強いですね。
そのイチロー選手が11年振りに出場する大リーグのプレイオフの地区シリーズが始まりました。その試合でも先制打を含めて5打数2安打2打点と活躍し勝利に貢献しました。ポストシーズンはまだまだ長いですが、再生なったイチローをどんどん見せてほしいですね。
ご紹介したアスリートの人気投票でトップを続ける存在だけに期待が大きいわけですから、さすがのプレーを続けてほしいものです。オリンピックでも日本人の活躍で日本中が元気になるのは証明済みです。明日も活躍を祈り
ます。

嬉しいゲスト

2012-10-07 21:49:49 | Weblog
今日から東海ラジオの新番組『松原敬生の日曜も歌謡曲』がスタートしました。歌謡曲復権の一助になるように、頑張りたいと思います。
さてその初回のゲストになんと、あの石原裕次郎さんの奥様の石原まき子さんが登場されたのです。ご本人も往年の大スター、北原三枝さんですね。やはりオーラが出ていらっしゃるんです。「黒部の太陽」の上映会の案内のために出演されたのですが、裕次郎さんが亡くなって25年が過ぎているのに、ものすごく裕次郎さんをみずみずしく語られる姿には感心するばかりです。
初めてお目にかかったのでかなり図々しく、裕次郎ファンぶりを打ち合わせ中に語らせていただきました。ニコニコ笑って聞いていただきました。そして何より嬉しかったのは、かつて私が歌った25年前の作品『想い出をありがとう』という曲を持って帰っていただけたことです。心より嬉しそうに受け取って貰いました。私にとって裕次郎さんはどれだけ語っても語り尽くすことがないだけに、あっという間の出来事のように思えます。お別れする時に、そっとお尋ねしまた。「東
海の裕次郎と言い続けていいですか?」笑顔で頷いて下さいました(笑)。

イチロー選手

2012-10-06 23:19:09 | Weblog
久しぶりの地区優勝を味わったイチロー選手のいまさらながらの発信力には驚きます。マリナーズ時代の後半は報道する側もマンネリ感があったのでしょうか。記録的な事柄以外はあまり取り上げられませんでしたが、ヤンキースに移籍した後は一挙手一投足にまで報道が及ぶようになりました。ファンもそれを受けて、イチロー選手に熱い視線を注いでいます。先日のユニフォームのレプリカの売上もヤンキースに移った後半は堂々の3位にランクされました。また、ここに来てイチロー選手のバットを巡る場外戦がヒートアップしているのです。
アメリカニューヨークの地元テレビ局の解説者、彼は元ヤンキースの投手でサイヤング賞を受賞したこともある人ですが、その彼が「イチローのバットはチョップ・スティック(箸)である」と番組の中で解説したのです。これを聞いた人達が差別だとして騒ぎ立てていまや全米巻き込む騒ぎになっているのです。
この現象を見て、改めてイチロー選手の存在感を確認出来ますし、12年間の大リーガーとしての実績が素晴らしいものだと同じ日本人として誇らしく思えますね。実績に裏打ちされた発信力と言えましょう。

大滝秀治さん逝く

2012-10-05 16:18:44 | Weblog
また、名物俳優が逝ってしまいました。大滝秀治さん、享年87歳でした。この俳優が登場すると、スクリーンが一層充実した感じがしました。
大滝さんの姿から思ったのは、たとえは悪いかも知れませんが、麻雀の配牌です。麻雀をする人は判ると思いますが、最初に配られる牌は人によってバラバラです。好配牌もあれば、どうやって上がりに持っていこうか見当もつかないほどひどい配牌もありますが、しかしどんなにひどくてもゲームを捨てるわけにはいきません。手の中の配牌が少しでも良くなるように一生懸命牌を持って来て、いい形にしようと努力します。人生に似ています。大滝さんの演技を見ていると、自分の手牌がどんなに悪くても一生懸命ツモって手牌を良くしようとしている姿にダブります。どんな役でもどんなシーンでも、大滝さんならではの役やシーンに変えてしまいます。素晴らしいですね。ですから、いつでも誰からでも共演のお呼びがかかります。おそらく大滝さんのような俳優さんは、後にも先にも大滝さんだけでしょう。
偉大なる演技者、大滝秀治さんの御冥福をお祈りします。

イワシ

2012-10-04 23:00:51 | Weblog
今日10月4日は「イワシの日」です1(イ)0(ワ)4(シ)というゴロ合わせから1985年に提唱されたものです。イワシは漁獲量も多く栄養も豊富です。イワシのフライなどは大好きです。小骨が多いのが難点ですが(笑)。ただ漁獲量が多過ぎてハマチやニワトリの飼料にされることも多いそうですね。
ところでイワシの漢字は鰯と書きます。何故弱い魚なんでしょうか。実は、このイワシは水から出るとすぐに死んでしまうほど弱い魚だから、作られた字なんです。外気に弱いのですね。なんだか日本の政府にも言えそうな表現ではないでしょうか。
国連総会での野田総理の演説では、当該国を刺激しないようにという気持ちが前面に出た演説でした。一方当該国は平気で日本を名指しして非難演説をしていました。野田総理には根底に領土問題は存在しないという思いがあるからでしょうか。だとしても世界に国の姿勢を発信する場での演説としては弱腰だったと思います。
野田さんが代表になった時は「どじょう」だったですね。鮫になれとは言いませんが、もう少し強さがでる外交を期待します。

カタカナ

2012-10-03 23:35:36 | Weblog
ちょっと寂しいニュースでした。名古屋駅前のシンボルとして歴史を刻んだ「大名古屋ビルヂング」が老朽化のために先月いっぱいで閉館しました。三年後には高層ビルに建てかえられるそうですが、一般からビルヂングの名称は残してほしいという要望が届いているそうです。
このビルヂングという名前が半世紀前に登場したときには、ビルディングの間違いではないかと思ったものです。おじいちゃんやおばあちゃんがよくカタカナ語を間違えて発音するのと同じだと笑ったくらいです。馴染むということは愛着さえ生むものです。
老人とカタカナには、沢山のエピソードが作られます。ファミコン=ハミコン。レモンティー=レモテー。ティッシュ=テッシュ。アナログ=アナグロ。ディズニー=デズニー。時にはパウンドケーキ=バフンドケーキまで登場してくるくらいです。総じて小さいィが発音しにくいようですから、あのビルディングもおじいちゃんやおばあちゃんは普通にビルヂングと呼んだかも知れませんね。
不思議なのは若い頃にはちゃんと言えていた言葉が年をとるとどうして言えなくなるのかこの辺を生理的に研究してほしいですね。

寝台特急

2012-10-02 17:55:38 | Weblog
今日「北国行き11:50」を歌っている伊藤美裕(みゆ)さんにインタビューしました。名前に坂本冬美さんの「美」と石原裕次郎さんの「裕」の字が入っているので気になる存在の歌手です。
話は横道にそれましたが、この曲は大阪と札幌の間を22時間かけて走る列車『トワイライトエクスプレス』から着想を得て作られた曲だそうです。そこで、ああまだ私の人生の中で寝台特急に乗ったことがなかったと残念な思いが急激に湧き起こってきました。本当に一度もないんですね。高校の修学旅行でも夜中に走っても普通の列車に新聞紙を敷いて寝たくらいです。まだまだチャンスはあるでしょうが、一度は乗ってみたいものです。寝ている間に目的地に着いているなんてロマンチックですよね。日本海側を走ると思いますが、夕陽が海に沈む様子を見ながら列車は走る、冬の海は荒れているのに列車の中は暖かい。なんとも嬉しいですね。これが旅情というとお粗末かも知れませんが一度、そんな状況に身を置いてみたいものです。
そういえば時間を惜しみなく使っての旅行なんてしたことないんです。そして今日も忙しく過ごしています。