フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

芝居の魅力

2010-01-09 20:36:48 | Weblog
歌手の水森かおりさんの座長公演を見に出かけました。新春の華やいだ雰囲気いっぱいのステージでした。それにも増して初めてのお芝居に取り組む水森さんに対して、お客さんの優しい眼差しが印象的でした。芸どころ名古屋と言われるように、もともとはお金を払って観劇するだけに厳しい視線の土地柄ですが、水森さんには優しいですね。彼女の庶民的な人柄のせいでしょう。
お芝居は生の魅力が一杯です。演者さんもお客さんの何かを吸収しようという凄い意思に引きずられて、自分以上のものをだそうと頑張ります。これも生の魅力の一つです。さらに演者さんは別人になる楽しみで、自分をさらけ出さなくてもいい気楽さもあるでしょう。観る側の我々も泣いたり笑ったり感動したり、しばらくは余裕のある時間を過ごすことができます。芝居が終わって現実に戻るのが怖いことがあります(笑)。
ところで劇場で一番見やすい席を「とちり」という事を知っていますか?7,8,9列目をいいます。「いろはにほへとちりぬる」から来ています。早とちりなど演技上のとちりがよく見える席でもあるんです。私の席も今日は7列目でしたがとちりは見えませんでした。ステージに立つ演者はとちり席のお客さんが感動してくれたらしめたものですが、私は結構感動しました。
私達はガラスの向こうのミキサーさんが笑ってくれたら満足するのですよ。