フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

元号

2017-04-24 23:54:14 | Weblog
天皇退位を巡る動きが加速化しています。退位された天皇陛下を上皇と呼ぶ案が固まりつつあります。天皇が代わると元号が代わります。おそらく新しい元号なども密かに考えられていることでしょう。
身上調査票に生年月日を書く欄があり、アルファベットで明治はM、大正はT、昭和はS、そして平成はHで表します。それに重ならない元号にしなければなりませんね。
元号と言えば我々がまだ若かった頃、よく「明治は遠くになりにけり」と新聞に載りました。これは中村草田男の俳句で下の句なんです。となると、この句の上の句はなんでしょうか。答は「降る雪や」だそうです。中村草田男が降りしきる雪の中で昔と変わらぬ母校の姿を眺めていると一瞬明治の昔にかえったような錯覚におちいりますが、それがまた明治は遠くの昔になってしまったという感慨を詠んだものです。まあ、今の私の立場としては「昭和は遠くになりにけり」でしょうか。