フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

座右の銘

2017-04-17 23:15:48 | Weblog
小話を一つ。あるタレントに「貴方の座右の銘は?」と訊ねたところ「1.2と1.5」と答えました。左右の視力と間違えたのですね。「左右の目は?」と聞いたのです。私の座右の銘は前にも述べたと思いますが、父から言われた『実るほど頭を垂れる稲穂かな』です。歌謡曲の世界でも座右の銘を含んだ詩が世に多く出ています。
ところで、何故座右の銘と右側を言うのでしょう。座右とは文字とおり、座席の右のことで、それが転じて「かたわら」「身近なところ」という意味です。そこからいつも自分のそばに記しておいて日常の戒めの言葉や文を座右の銘というようになりました。中国で生まれた「左遷」という言葉でわかるように、左はよくない側に使われていました。つまり中国では右が必ず上位にあるのです。中国だけではありません。英語でも右の「right」に正しいという意味があるところから考えると右が上位は洋の東西を問うものではないようです。