フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

語り

2015-09-15 23:48:16 | Weblog
今日はあるステージで勝新太郎さんのお弟子さんの三夏紳さんとご一緒しました。お弟子さんですのでステージでは、勝さんの持ち歌をアレンジしで「新座頭市」を歌われました。さすが役者さんだけあって歌うというより語ると言った感じで披露されました。我々がどうあがいても出せない味ですね。
俳優さんが歌う場面には良く出会いましたが、総じて語り口調の歌いかたで、心に詞がずんと入ってくるようです。歌手の上手さとは違った味の歌になります。恐らく歌の主人公になることに手慣れているからではないでしょうか。よく、歌の指導でイントロの間に主人公の気持ちになりきるようにとアドバイスを受けますが、素人ではイントロの間だけでは間に合わないことがあるのでしょう。また、語り、語りと意識することによって、いわゆるくさい表現になってしまうことが多くあります。この微妙なところを上手く歌うのが役者さんなんですね。
語りと歌う、このバランスこそが味付けになるんでしょう。