フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

小さな秋

2015-09-02 22:39:35 | Weblog
九月に入ると秋の気配が色濃く漂ってきます。学校の教室にも子供達の賑やかな声が溢れ、夜になるとコオロギはじめ虫の声も大きくなってきました。
今年の夏が特に暑かったので秋が恋しく、嬉しく、秋の到来を敏感に感じますね。久しぶりに晴れた空を見上げると羊の群れを思わせる高積雲はより秋を感じさせてくれます。そういえば、どこかのテレビ局で彼岸花が咲いていると伝えていました。暑さの中に忍び込んだ「小さな秋」は今、たけなわです。越中おわらの風の盆で八尾の町はおわら節にのって夜通し酔いしれていることでしょう。胡弓の物悲しい音色がより小さな秋を引き立てます。元々、風の盆は地方に伝わる自然に対する人々の謙虚な気持ちから行われました。自然と向き合うそんな気持ちが秋という季節を楽しむ秘訣ではないでしょうか。
ある人の粋な秋の感じ方を披露しておきましょう。この季節に、夏休みに子供達と行った海岸で手にいれた貝殻に耳をあて海の響きを感じるそうです。なんとも素敵な小さな秋ではありませんか。