フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

五月

2013-05-01 14:59:13 | Weblog
今日から五月です。中国文化の影響を強く受けてきた日本にとって「五」という数字は尊い数字なんです。陰陽五行説が入ってくる以前から「海、山、川、木、草」を「五魂」と呼んで神聖化して来ました。また間もなく五月五日の端午の節句という「五節句」が来ますが、邪気を払う大切な日としてきました。一月七日の人日の節句、三月三日の桃の節句ともいう上巳の節句、それに端午の節句、七月七日の七夕節句、九月九日の重陽の節句を五節句というのです。
そして五はちょうどいい数字でもあります。十人では多過ぎますが、五人ならそれぞれ区別もつきます。そんなところから江戸時代には五人組制度が生まれています。この制度は犯罪の防止や年貢の納入に連帯責任を負わせたのです。また密告制度も取り入れたので下々には評判はよくありませんでしたが、徳川幕府にとっては「五人」というのが一番扱いやすい数字だったのでしょう。
日本人に好まれる塔も五重塔も建築上、最もどっしりとして荘厳な感じからも一番好まれているのです。
さあ、どっしりとして五月を過ごしましょうか。