7月19日、島松公民館が開催する異文化交流講座「成長著しいベトナムと日本文化の違い(講師:フアム・テイ・ヴアン・アン)」を聴講した。
アンさんは4年前に来日、東川町で旭川福祉専門学校日本語学科に学び、2017年から北海道文教大学国際言語学科の留学生、恵庭在住である。1時間30分の講演はすべて日本語で行われ、資料も日本語版。準備に相当の時間と労力を要したであろうことが推測できた。
講演の構成も内容もほぼ万全で、参加した全ての方がベトナムを理解出来たのではないかと思う。4年間で日本語をここまでマスターしていることも素晴らしい(若さだネ)。タイやマレーシアの友人がかつて「ベトナム人は働き者、勤勉だ」と話していたが、その言葉を実感、納得した次第。アンさん有難う。
(上図は配布資料から引用)
◆内容
講演はスライドを中心に進められ、最後に質疑応答が行われた。内容は概略以下のとおり。
1. ベトナムの基本情報:正式国名、公用語、民族構成、宗教、面積、人口について紹介し、出生率と高齢率を日本と比較。
2. ベトナム現代歴史年表:独立宣言(1945)、インドシナ戦争(ベトナム第一戦争1946-54)、ベトナム戦争(ベトナム第二戦争1960-75)、中越戦争(1979)について、映像とともに流れを紹介。ビデオ映像も。
3. ベトナムの経済:①経済発展にともなって所得水準が高まっている、②ベトナム最大手のビングループが自動車メイカー等を設立し、販売も伸びている、③日系企業のベトナム進出におけるインセンテイブ、④日本におけるベトナム技能実習生の急増について紹介。
4. ベトナムの観光地:ハノイ首都、ハロン湾世界遺産、ダナン市、古都ホイアン世界遺産、ホチミン市、メコンデルタを紹介。
5. ベトナムの教育:教育システムと現状を紹介。
6. ベトナム人のライフスタイル:仕事とエンターテイメントのバランス、バイク天国、習慣などを紹介。
◆悲しい戦争を乗り越え、経済発展著しいベトナム。労働者賃金が中国の半分以下(約200ドル/月)と周辺国よりも安いので日系企業のベトナム進出が進み、日本国内でもベトナム人労働力に依存する企業・農家が増えているのが現実。しかし、低廉な人件費がいつまでも続くことはありえない。今後は、ベトナム人の勤勉さなど質の高い労働力にこそインセンテイブの主眼を置くべきだろうと感じた。
◆一昨年も島松公民館で、異文化交流講座「ニュージランドを知る(講師:メラニー山崎)」が開催され、参加したことを思い出す。公民館の地味な活動ではあるが継続されることを期待したい。海外各国との友好は「知ること」から始まる。
恵庭市には416名の外国人が住み(1位は中国)、ベトナム人も95名いると聞いた。街角で出会って、挨拶の声を掛け合えるような空気が醸成されることを期待したい。
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