豆の育種のマメな話

◇北海道と南米大陸に夢を描いた育種家の落穂ひろい「豆の話」
◇伊豆だより ◇恵庭散歩 ◇さすらい考
 

北海道文教大学「平成27年度公開講座」を聴講して

2015-09-13 18:02:30 | 講演会、学成り難し・・・

恵庭散歩-「講演会」の章

北海道文教大学の公開講座を聴講する機会があり,8月下旬~9月上旬に5回ほど恵庭市黄金中央にあるキャンパスへ通った。学生気分で講義を聞くのは何年ぶりのことだろうか。

この大学は,拙宅から徒歩で約40分の距離にある。前身は「北海道栄養短期大学」で,さらに遡れば第二次世界大戦中の昭和17年(1942)創設の「北海道女子栄養学校」であると言う。この大学について多くの知見はないが,かつて恩師高橋万右衛門先生が定年後にこの学校の学長だったので,名前を聞いたことはある。先生は,「これから日本の企業も国際化する。優秀な秘書を育てる秘書学科を置きたいだよ」と語っていたのを思い出す。

現在は,外国語学部(国際言語学科,英米語コミュニケーション学科)と人間科学部(健康栄養学科,理学療法学科,作業療法学科,看護学科,こども発達学科)からなり,大学院としてグローバルコミュニケーション研究科と健康栄養科学研究科(共に修士)を設置している。

平成27年度公開講座は,一般社会人を対象とした生涯学習を支援する目的で,「ことばと心と身体の豊かさとは」を講座の共通テーマにしたと謳っている。具体的には,「特別学術講演」「小説と漢詩の旅」「長い人生を健康に過ごすために」「親子の絆をより豊かに」の4講座からなり,「小説と漢詩の旅」では4講義,「長い人生を健康に過ごすために」では10講義,「親子の絆をより豊かに」では3講義が計画されていた。何れも同大学の特徴を活かしたプログラムである(同校の教授陣が講義を担当)。

聴講した講義は,

黒澤秀樹「骨粗鬆症・ロコモテイブシンドローム・廃用症候群」

草野真暢「喫煙を考える」

池田仁「老化と寿命を科学する」

大山徹「ノロウイルス~食中毒と感染について」

続佳代「薬と上手につきあう」

何れも,最近の情報を得ることが出来,有意義な講義であった。その他,佐藤登代子「健康法としての太極拳」,小塚美由紀・山田美智子「やさしい薬膳カレー(調理実習)」等も人気があったと聞いた。なお,国際言語学科の公開講座(佐藤進「江戸時代の木版本で漢詩を読む」,中村至「宇江佐真理・時代小説の名作発見」,神谷忠孝「三浦綾子文学について」,黒坂満輝「漢詩から探る中国人の情感」)も興味があったが,残念ながら日程調整がつかず出席していない。

因みに,昨年度も公開講座があり以下の講義を聴講している。

榊原千佐子「認知症の予防と介護」

木村一志「脳はどのようにして出来上がるか」

池田官司「認知症を起こす病気」

渡辺明日香「心と体をリラックス」

聴講者(各講座100名定員)は近隣市町村の市民,中でも多くは地元の恵庭市民だったのだろう。多くは60~70代の高齢者であったが,全員が講師の話に身を乗り出すがごとく聞き入っている。「老いてなお学ばん」とする姿勢は尊敬に値する。新しい情報に「自身の体験を重ね合わせるように聞いているのだな」と感じた次第。この年齢の人々は真面目な世代なのだ。

さて,地域社会と共生する大学(地域に開かれ,地域に貢献し,地域に理解される)であろうとする取り組みは,住民にとっては非常に有難い。是非,地域住民(社会人)を受け入れる多くの機会を設定して頂きたい。その形態は多様だろうが,大学の特徴を活かした社会人参加型のセミナ等が企画されると面白い。

ところで,地域に開かれた組織で在ろうとする試みはいつ頃発生したのだろう? 

記憶を辿れば,例えば農業試験場では平成4~6年(1992-94)頃に議論され,公開デーを開始したのは凡そ20年前の平成7~8年(1995-96)であった(中央農試・道南農試:平成7年,上川農試:平成8年など)。その後,各地域で新技術発表会が行われ,地域連絡協議会等の組織化が進んだ。それを受けて,産学官連携の動きが活性化した経緯がある。

大学における取組は比較的新しいと思われるが,各大学で多様な催しが企画実行されていることは喜ばしい。

来年も聴講したいものだと思いながら,漁川の堤防を歩いて帰途についた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パラグアイからの情報「大豆... | トップ | 近畿大学バイオコークス研究... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

講演会、学成り難し・・・」カテゴリの最新記事