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幻の修了生謝辞(恵庭市長寿大学大学院修了式 / 中止)

2020-03-22 09:47:27 | 講演会、学成り難し・・・

消えた修了式と幻の謝辞

修了式はなかったけど、修了生一同この文章を共有した

令和2年3月15日に予定されていた恵庭市長寿大学卒業式・大学院修了式は、新型コロナウイルスの拡大により残念ながら中止となりました。修了生謝辞を述べるようにと言われて準備していたのが以下の文章です。いわば、「消えた修了式の幻の謝辞」。本文が仮想修了式の一コマとして、修了生の皆さんの思い出づくりの一助になれば幸いです。

写真は修了式後の祝賀会(令和元年度)

修了生 謝辞
本日ここに、私たち38名は、恵庭市長寿大学大学院の第十七回生として修了式を迎えることが出来ました。
これも偏に、ご指導賜りました講師の先生方、お世話いただいた大学事務局並びに関係機関の皆様、学園生活の活性化に御尽力頂いた学生自治会の皆様のお陰であります。心から御礼申し上げます。
思い起こせば6年前、平成26年5月8日が私たちの長寿大学入学式でした。当時の平均年齢が70.1歳、63歳から79歳までの幅広い年齢の同級生63名でしたが、誰もが初々しく、新たな挑戦へ胸を躍らせ、緊張感あふれる入学式だったことを思い出します。
あれから6年間、私たちは年齢を重ねながらも、お互いに声を掛け合い、大学・大学院と充実した時間を過ごすことが出来ました。多くの講座を受講する中で、「老いての学びは新鮮で喜びに通じること」を知りました。「学びや行動に年齢は関係ないこと」、そして何よりも「新たな挑戦の心、継続が大事であること」を学びました。「多くの仲間と一緒に学ぶ幸せ」を知りました。
私たちは、それぞれが多様な人生経験を有する個性あふれる集団でしたが、学年行事を重ねる度に連帯の心、仲間の絆が強まるのを感じました。
春の「桜だよ!歩こう会」は恒例の行事でした。ある年は、恵み野中央公園から開拓記念公園を歩き、野外彫刻を鑑賞し、郷土資料館では恵庭開拓の歴史を偲びました。黄金の桜並木からカリンバ遺跡を歩いたときには、北海道文教大学の屋上に上がり発展著しい恵庭市街を眺めました。恵庭公園で桜と自然を堪能したこともありました。花見の宴はもちろん楽しい思い出ですが、「歩くならゴミ拾いをしよう」との声に全員が賛同し、毎回、市の「ボランテイア袋」持参での歩こう会だったことを思い出します。
秋には、北大構内を歩き、博物館や学生食堂で学生気分を味わいました。汽車、地下鉄、バスを乗り継ぎ大倉山にも上り、ある年は支笏湖に遊びました。洞爺湖温泉一泊旅行では有珠山噴火の体験談を聞き、白老虎杖浜温泉への旅行では仙台藩陣屋跡を見学、ニセコ温泉旅行では変貌著しいニセコ・留寿都の姿に触れることが出来ました。各地の食を味わい、地域の活性化に向けた取り組みを学び、宿では夜を徹して若者のように語り合いました。そして冬の季節には、「体育館で歩こう」と、ランニングコースで汗を流しました。
卒業記念祝賀会のイベントも、クラスの団結を強めるものでした。企画の段階から全員で知恵を出し合い、各自が工夫を重ね、試行錯誤を重ねながらの練習で作品の完成を目指しました。出来栄えもさることながら、一つの目標に向い全員で取組んだその道程、姿勢こそが大事であったと強く感じます。この体験は私たちにとって大きな財産になりました。
大学院に進んでからは、自主学習の取り組みを強めました。地域のボランテイア活動への参加、北海道文教大学や近畿大学の公開講座も積極的に聴講し、ハイテクノロジー専門学校では模擬患者になり、FM放送への出演も体験しました。「歩こう会」「昼食会」「パークゴルフ」「温泉」「絵手紙」「学年通信発行」など、学年独自の取り組みも数多く実施しました。例えば、「幼少期の記憶を語る会」では多くの仲間が昔の記憶を辿って戦時戦後の暮らしを語り、幸せとは何かを考えました。そして、修了式に合わせて小冊子に取りまとめ、「幼少期の記憶」として発刊することが出来たことも喜びの一つであります。
学生生活を通じて、「皆で楽しもう」精神、遊び好きの仲間と一緒に過ごせて幸せでした。個々の意見を尊重しながら、何事にも全員が協力して取り組む活力ある学年、向上心あふれる集団の一員であったことを嬉しく思います。学友の皆さん有難う。学年の枠を超えて共に学んだ同窓の皆さん有難うございます。六年間の連帯に感謝します。
さて、38名の修了生の皆さん、今日は大学院の修了式です。「6年間、よく頑張ったね」と自分自身を褒めてあげましょう。体調不良や家庭の事情でやむなく退学せざるを得なかった、かつての仲間たちには、「あなた方と一緒に修了式を迎えた気持ちでいるよ」と伝え、この慶びを分かち合いたいと思います。
そして私たちは、明日からまた新たな気持ちで、「何が幸せなのか」を考え、学び、行動しようと思います。日野原先生は哲学者マルテイン・ブーバーの言葉を引用して、「人は始める事さえ忘れなければ、いつまでも若くある。新しい事への挑戦を続ければ、身体は衰えても心の若さはいつまでも続く」「前進、また前進、前に進み続けよう」と話しています。私たちも、「簡素な生き方、前向き人生」こそ、高齢者の生きる知恵と考え、長寿大学で学んだことを糧にして、前を向いて歩み続けたいと思います。
最後に、関係者の皆様へ心から感謝申し上げますとともに、長寿大学の益々の発展を祈念し、謝辞と致します。

令和2年3月15日 
恵庭市長寿大学大学院第十七回修了生代表 ○○ ○○

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