アルゼンチンの北部,サルタ市を抜け国道9号線をフフイ市に入る。さらに,ボリビアのポトシ市に通じる国境越えの国道を進むと,山肌が赤,青,緑,黄色などカラフルに層をなす珍しい風景が現れる。岩石に含まれる成分によって色が変わり,太陽が傾くと美しさが際立つ。七色の丘,ウマワカ渓谷,アンデス山脈につながる地形で,標高2,900mほどのところにある。サボテンが山肌に群生している(写真)。
突然現れた集落(Uquia)に,小さな古い教会(1691年建設)が建っている。信心深い旅人は立ち寄ってお参りするが,それは古いことだけが価値だと感じさせるような教会である。ここまでくれば,気取ったアルゼンチンの面影はない。インデイオの世界である。
教会の近くに民芸品の工房があり,土産物として製品が陳列されていた。
写真はサボテン木質で作った皿,お菓子や果物を盛ってテーブルに置けば洒落ている。色は淡泊で無垢,極めて軽い。サボテンの繊維は所々に空隙があり,曲がった繊維を貼り合わせたようにも見える。その他にも工芸品はいろいろあるが,電気スタンドの笠が面白い。電気を点けると,サボテン木質の隙間から光が漏れて,天井や壁に不思議な模様が浮き上がる。
サボテンの木質部をどう利用するか,それまで考えたこともなかったが,世にはアイデア豊富な職人がいるものだ。この地方では,建材として天井に張ることもある(写真-フォルクローレを踊るレストランの天井)。
参照 1) www.turismo.jujuy.gov.ar,2) 土屋武彦「アルゼンチン北部サルタ・フフイ,雲の列車とウマワカ渓谷」
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