豆の育種のマメな話

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北海道文教大学特別公開講座2022を聴講する

2022-06-22 13:12:24 | 講演会、学成り難し・・・

テーマは北海道の食文化

コロナの感染者数が減少傾向となり、北海道文教大学でも公開講座を開催。久々に恵庭市黄金町にある同校の門をくぐった。

今回の特別公開講座は同大学国際学部の事業の一環として開催されたもので、学生の他に市民数十名も聴講。共通テーマは「北海道の食文化」。食の視点から北海道(恵庭)の歴史を復讐する良い機会となり、有意義な時間が持てた。公開講座開催に感謝する。

渡部俊弘学長は開会挨拶で「北海道文教大学は学生及び地域のプラットホームでありたい」との趣旨を述べられたが、「地域や企業との連携で大学の存在意義が高まる、学生には社会との関りの中で己の進むべき道を探求して欲しい」「大学は(この取組みは)、あなたたちが旅立つためのプラットホームです」との思いが込められているのだろうと勝手に解釈。全く同感である。北海道文教大学が精力的な情報発信、取り組みをされていることに敬意を表したい。地元大学の隆盛は一市民として嬉しいことだから。

 

◆長町章弘「北海道の遺跡からわかる昔の食生活、恵庭の遺跡を中心に」(北海道文教大学特別公開講座2022.5.24)

恵庭市郷土資料館学芸員である長町章弘氏は、カリンバ遺跡など恵庭にある数多い遺跡調査に携わった体験、研究から、「遺跡から分かる食生活」「縄文人は何を食べたか」「調理の方法」「食材保存の方法」など具体的に解説。旧石器時代から縄文時代、続縄文文化期、擦文文化期、アイヌ文化期に至る恵庭の歴史を辿り、カリンバ遺跡に隣接する大学で学ぶ意味を併せ考えて欲しいと述べた。

 

◆高島英也「北海道の歴史、北海道の未来を考えるヒントに、第一回大地の誕生から明治前夜まで」(北海道文教大学特別公開講座2022.6.7)

サッポロホールデイングス株式会社顧問高島英也氏は、豊富な歴史知識と深い知見を駆使して「大地の誕生から明治前夜まで」の北海道史を解説。「アムール川から流れ込む淡水の影響による豊かなオホーツクの恵み」「北海道独自の文化園形成」「アイヌの広域な交流」「蝦夷地の意味」など。冒頭、高島氏は「何のために歴史を学ぶか?」と問い掛け、「今起きていることを理解する」「これから起きることを予測する」「生きるための知覚能力・認知能力を磨く」と整理していたが、その通り。また、資料の中で独自の読書メモ(エクセルファイル)を引用していたが、小生もこの方法をとっている。歴史など多くの事象を時系列・体系的に理解するために良い手法なので推奨する。

 

◆高島英也「北海道の歴史、北海道の未来を考えるヒントに、第二回明治から現代まで」(北海道文教大学特別公開講座2022.6.14)

北海道開拓の歴史から現在に至る経過を解説し、現在の課題について以下のように述べた。「農業のICT化と大規模化、食の輸出拡大、インバウンド需要の掘り起こしは、人手不足解消、国際競争力強化のためには必須な活動である。しかしながら、今の施策の方向性だけでは需要と供給のバランスのみで価格決定される価格競争に晒されるだけ。外資を含めた大資本から搾取されるだけの土地となってしまうリスクがある。インバウンドへの期待も限度がある。政治・行政の旗振り・支援は必須、しかしながらそこに過度に頼ってはいけない」「自立するには?」「地域の活性化を食の視点から考えよう」「地域とは?」「活性化とは?」と結んだ。

昔から思っていたことだが、北海道は官依存体質が抜け切れていない。必要なのは、意識の改革ではあるまいか・・・。

 

◆野村真弘「北海道とサッポロビール、146年前からSDGs.」(北海道文教大学特別公開講座2022.6.21)

サッポロビール株式会社北海道工場長野村真弘氏は、「なぜサッポロビールは北海道で生まれたのか?」「サッポロビールの原料へのこだわり」「恵庭に工場を建設した理由」「北海道における社会活動」「ビールが出来るまで」「サッポログループのサステナビリテイ」について紹介、解説。材料と製法に拘っているサッポロビールの姿勢が感じられた。ビール大麦の育種、協働契約栽培について近くで接し、工場へも何回となくお邪魔しているので、小生にとってもサッポロビールは身近な存在である。

聴講者から「缶ビールより瓶ビールが美味しいと感じるのは何故か?」など多数の質問があった。「工場長、貴方はどの銘柄を飲みますか?」に何と答えたと思いますか・・・。

コメント
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