竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌1423から集歌1427まで

2021年01月28日 | 新訓 万葉集
中納言阿倍廣庭卿謌一首
標訓 中納言阿倍廣庭卿の謌一首
集歌一四二三 
原文 去年春 伊許自而殖之 吾屋外之 若樹梅者 花咲尓家里
訓読 去年(こぞ)し春い掘(こ)じて植ゑし吾が屋外(やと)し若樹し梅は花咲きにけり
私訳 昨年の春に掘って植えた私の家の若木の梅に花が咲きました。

山部宿祢赤人謌四首
標訓 山部宿祢赤人の謌四首
集歌一四二四 
原文 春野尓 須美礼採尓等 来師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来
訓読 春し野にすみれ摘みにと来(こ)し吾そ野をなつかしみ一夜(ひとよ)寝(ね)にける
私訳 春の野にすみれを摘みにと、来た私です。この野に心が引かれ、ここで夜を過しました。

集歌一四二五 
原文 足比奇乃 山櫻花 日並而 如是開有者 甚戀目夜裳
訓読 あしひきの山桜花日(け)並(なら)べてかく咲きたらばいたく恋ひめやも
私訳 足を引くような険しい山の山桜の花、何日もこのように咲いているのならば、どうして桜の花に心を引かれるでしょうか。

集歌一四二六 
原文 吾勢子尓 令見常念之 梅花 其十方不所見 雪乃零有者
訓読 吾が背子に見せむと念(おも)ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば
私訳 私の愛しい貴方に見せましょうと想った梅の花、その花がどこにあるのか判らない。雪が降ったので。

集歌一四二七 
原文 従明日者 春菜将採跡 標之野尓 昨日毛今日毛 雪波布利管
訓読 明日(あす)よりは春菜摘まむと標(し)めし野に昨日(きのふ)も今日(けふ)も雪は降りつつ
私訳 明日からは春の若菜を摘もうと。その人の立ち入りが禁じられた野に、昨日も今日も雪が降り続く。

コメント
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