麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

山彦ものがたり

2020年10月24日 | 鑑賞
劇団朋友の『山彦ものがたり』を観た。



1975年の初演から45年、様々な形で
上演されてきた音楽劇である。
誰もが知るおとぎ話をモチーフにした
人間賛歌が、今回は新たなかたちで!

作/有吉佐和子  演出/西川信廣
時/2020年10月23日(金)~25日(日)
於/俳優座劇場



そんな『山彦~』に私が関わったのは
2010年の秋「山彦の会」の舞台だった。

製作母体名からも滲み出ているように
『山彦ものがたり』を上演すべく
立ち上がったカンパニーで、
片山忠彦という昔かたぎの
演劇プロデューサーが精魂込めた作品の
末席に居られたことは、
今更だが本当に幸せな時間だったと思う。

2010シーズンは大阪~和歌山~奈良~三重、
一府三県の小中学校を巡ったが、
結果的に≪山彦の会の山彦ものがたり≫は
それが最期になった。

その時、座の中心となった「ペーさん」こと
鈴木慎平さんと昨夜、ばったり。
2020年10月23日、朋友の初日に
彼も足を運んでいたのだ。

ぺーさんは『山彦ものがたり』の
75年の一等最初から関わっていた俳優。
10年前の山彦の会版では、浦島太郎など
主要な役どころを演じていた。

主要な役どころといえば。
昨夜のオープニング。
華やかな歌声を響かせたのは、
舟場未生

彼女とはピタパタ『オトカ』で御一緒
……というか、ピタパタの主宰に
芝居を観もせずに推薦したのは私だ。
とはいえ、飲み屋で意気投合した、
みたいな理由ではない。
日韓演劇交流センターの公演に、
演出助手として汗した彼女の姿に
情熱とセンスを感じてのオファー。

その判断に間違いはなく『オトカ』は
ピタピタの公演の最高傑作になった。


そして昨夜の『山彦~』の舞台に
さらに成長した女優の姿があった。

フィルムとして永遠に残る映画
(勿論リメイクもあるけれど…)
かたや日々かたちを変える演劇の特性を
改めて認識した夜でした。

作品構成の変容とは別に、
個の変貌の発見は演劇の魅力のひとつと
言い換えることも可能な秋冬の狭間の夜。

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