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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

冕と向かって

2021年10月14日 | 俳優座

既に多くの皆様が気づいているように

劇団俳優座No.348『面と向かって』における

弊ブログの一連のタイトルは、

芝居題名に準じたものを、と考えています。

 

 

ただ、早くもネタ切れな予感がなきにもあらず。

さて、困った時には中国に頼るのだ。

 

オーストラリアの戯曲だけれど・・・あ、そうそう

「(中国では)何百人もの人間が、

一日1ドルと二杯の米を手にするために、

大喜びで仕事をやるというぞ」と怒鳴る経営者の

バルドーニに対して、従業員のルカが

「ここは中国じゃねえ」と啖呵を切る場面もある。

 

という流れからの《冕と向かって》。

 

懐風藻における「年雖足戴冕。智不敢垂裳」。

読み下すと「年は 冕(べん)を戴くに足ると雖も、

智は敢えて裳(も)を垂れず」となり、

ざっくり言えば「わたしには智恵が足りない」の意だ。

 

文武天皇の漢詩の一節だが、今日の主題はそちらではなく、

ここでは「べん」と読むが「めん」とも読む【冕】。

訓読みは「かんむり」で、かなり高い位の礼装冠を指す。

 

 

前述のバルドーニ展示施工者のオーナー社長

グレッグ・バルドーニには被れない冠といえる。

・・・と無理矢理関連づけたところで

OGPイメージ

withコロナの舞台芸術へご支援を! 劇団俳優座「面と向かって」

劇団俳優座では、新型コロナウイルスの影響により、公演の中止・延期や席数制限による収入減、通常運営費に重ね感染防止対策による環境整備費負担増加...

Wonder Stream

 

クラウドファンディングの御案内です。

緊急事態宣言も明けて、自力で頑張りたいところですが……。

実際、劇場からは減席せずに配席可能と言われてもいます。

が、来場されるお客様のことを考えると、間隔を作ったほうが、

とも。ただそうなると収支が・・・(泣)

 

経済の話は一度置いて。稽古は大変順調です!

16、17日と連休がとれるほどに!!

 

11月5日(金)初日。俳優座劇場にて14日まで。

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麺と向かって

2021年10月09日 | 俳優座

 

ちょうど先週の土曜日は京都にいた。

近畿演鑑連の総会に出席すべく。

その日友人と会った話は10/4付の弊ブログに書いた。

で、旧友との話は別稿で、と書いたまま、

あらら、一週間経ってしまいました

 

10月3日、彼の働く「一粒万倍」というラーメン店で

遅い昼食を食べた。彼は今、そこで商品開発に従事している。

演劇人時代も、役者に演出に美術、制作などなど。

幅広く才能を発揮していたわけだが、

WEBもお手の物で、今は麺のクリエイトにハマっていると。

 

 

麺作りの段階から、勿論スープも調合割合を幾通りも試して。

それは芝居創りとの共通点が多いと彼は言った。

確かに。

甲の台詞の言い方によって、乙の台詞は変わり、

丙の間の取り方で、丁の出方も変化する。

それを稽古場で繰り返しながら作品は固まっていき、

けれども完成の一歩手前で、大きくくずれてやり直しになる、

そういうことも多くあるのが演劇である。

 

 

劇団俳優座N0.348『面と向かって』

(作/デーヴッド・ウィリアムソン、

翻訳/佐和田敬司、演出/森一、

於/俳優座劇場、時/2021年11月5日~14日)も

ようやく秋が勝ってきた六本木で、

麺作り、スープ作りに励んでいる。

 

先週の日曜日。

いわゆる観光地がきら星のごとくある京都駅の

反対側に2019年開場した「THEATRE  E9  KYOTO」にも

足を延ばした。一演劇人として気になっていた場所。

 

 

場所という意味では、劇団俳優座にとって

俳優座劇場もまた「こだわり」の場所である。

 

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綿を叩いて

2021年10月08日 | 俳優座

『面と向かって』は立ち稽古になって4日経った。

昨日は大道具の打ち合わせも無事に済んで、

スタッフワークもギアが入ってきている。

照明の初回打ち合わせは既に終わり、

衣裳に関しては早い段階から動いている。

 

 

アオイ科ワタ属に分類される植物は、

ハイビスカスやオクラを思わせる

黄色い花をたった1日咲かせると、

尖った丸い実になり、それが弾けて綿毛に。

だから花ではないのだが「綿花」と呼ばれる。

 

唐突に話が変わったが、大丈夫です。

そして余りここで時間を使っても、なので

少しはしょって進めると……

種を取り除いた「綿」のからまった繊維を

ほぐしてそろえる「わたうち」という作業に。

 

つまり、読み合わせから立ち稽古への過程が

ちょうど、このあたりに似ているな~と。

役者の考えてきたアイデアと、演出の構想が

ぶつかりあって、それが整理されて。

 

・・・というわけでタイトル=[めん]を叩いて。

本文中「わた」だったり「めん」だったり、

ややこしいですが、と、そうそう。

この舞台も、ややこしい話を調停人が、

ほぶしていく舞台だったりするのです。

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免と向かって

2021年09月24日 | 俳優座

免(めん)

① ゆるすこと。また、免除すること。
② 職などをやめさせること。
③ 荘園制で干害・風害などの事情によって、
 その年の年貢・課役を免除または減免すること。
 
 
とある国語辞典を開いての引用です。
 
 
劇団俳優座No.348『面と向かって』は、
 
仕事をクビになったことで自暴自棄になった青年の
 
「再生」のために周囲の人間たちが彼を許せるか、
 
そして彼自身が周囲の人々に許しを乞うとともに、
 
自らが他者を許すことができるか否か、の物語です。
 
まさに引用①と②。さすがに③は関係ありません。
 
舞台はオーストラリアだし。
 
 
ただ日本史における「荘園」は、
 
この科目において、興味をもって授業にくらいつく生徒と、
 
「ワケワカラン」と内職(我々世代でいえば落書だったり、
 
手紙を書くだったり、も少しエゲツナイ連中は麻雀のカードゲーム
 
とかだろうけれど、今はスマホのゲームや音楽聞いたりなの???)
 
に走る分岐点なのかな~と、ぼんやり思う。
 
僕は何の苦難もなかったけれど、今回改めて「荘園」をググったら、
 
743年の墾田永年私財法は鉄板ながら、
 
中世における日本全土の土地の私有と習ったものが、
 
国家的領有制度を指して地方豪族のそれは一線を画す、

というような内容が散見され、昭和世代はビックリである。

・・・イイクニ作ろう鎌倉幕府=鎌倉幕府成立1192年が

1185年説が今や有力など「歴史」は変わるのである。

話を戻そう。

日本ではまだ馴染みの薄い「修復的司法」と呼ばれる制度を

円滑に作用させる「仲裁人」ジャック・マニングと、

被害者加害者関係者9人による「住民会議」を描くのが、

『面と向かって』という舞台です。

公演は11月5日~14日、俳優座劇場にて。

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面が向かって

2021年09月22日 | 俳優座

『戒厳令』を大好評のうちに終幕し、

僅か中二日で『面と向かって』本格始動。

〈本格〉と書いたのは既にプレ稽古があったから。

 

上は『戒厳令』記念写真。

 

下は出演俳優たち(一部)。

背後に見えるのが『戒厳令』舞台美術。

 

それが19日夜には・・・

・・・鮮やかに解体されました。

20日に荷出し。一番長い400cmの短管は

エレベータに乗らないから5階から手運び。

 

などなどあって。

劇団俳優座No.348公演の顔合わせ。

脚本/デヴィッド・ウィリアムソン

翻訳/佐和田啓司、演出/森一

於/俳優座劇場

 

キャスト、スタッフの面と面が向き合いました。

翻訳の佐和田敬司氏、美術・衣裳の加藤ちか氏、

舞台監督の八木澤賢氏、舞台監督助手の小田史一氏の

スタッフとともにテイクオフ。

読み合わせのあとに翻訳者とのディスカッションは熱を帯び、

疑問点も多く解決。明日以降の稽古に臨みます。

 

そして、最後の一葉。

カメラに面が向かった『戒厳令』出演女優陣(全員)。

 

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fermer~戒厳令ノート0919

2021年09月19日 | 俳優座

本日、劇団俳優座No.347『戒厳令』

(作/アルベール・カミュ、

翻訳/中村まり子、構成・演出/眞鍋卓嗣

於/俳優座五階稽古場)は千秋楽を迎えた。

 

(手前:椎名慧都、奥:松本征樹/撮影:坂内太)

 

昨日紹介したエッセイ『シーシュポスの神話』は、

カミュの代表作である小説『異邦人』などとともに

不条理の作品・・・と評価される一方、

僅か8ページの随筆がカミュの不条理からの逸脱だ、

という論調も並行してあるという。

が、そーゆー難解なこたぁ僕には解らない

 

解るのは、43歳の若さでノーベル文学賞を受賞した彼が

この世からいなくなったのが1960年で、

【この時代における人類の道義心に関する問題点を、

明確な視点から誠実に照らし出した、

彼の重要な文学的創作活動に対して】というのが

受賞理由だったことくらいだ。

 

ナニハトモアレ、このCOVID-19禍に

明確な視点から演劇創作活動を成し得たのでは、と

キャスト・スタッフ一同(更に多くの関係者)が

個々想いに至る9月19日である。

 

 

あ、そうそう。

『異邦人』といえば主人公の有名な台詞が

「太陽が眩しかったから」なわけだが。

『戒厳令』においては太陽が眩しい日が少なかった。

 

末筆ながら、ブログタイトルのfermerは

フランス語の「閉幕」です、蛇足ながら。

千秋楽「も」満員御礼。COVID-19禍に本当に有難い。

 

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シーシュポス~戒厳令ノート0918

2021年09月18日 | 俳優座

シーシュポスは、ギリシャ神話に登場する人物。

コリントスの創建者で「シーシュポスの岩」で知られる。

(wikipedia参照)

神を欺き、怒りを買ったシーシュポスは

大きな岩を山頂に押して運ぶ罰を受ける。

ところが運び終えた瞬間に岩は転がり落ちる。

何度繰り返しても結果は同じという話である。

 

これを基にカミュが1942年ーー『戒厳令』を書く

6年前に発表した随筆が『シーシュポスの神話』。

 

写真(上)は俳優座公演No.347『戒厳令』より。

右奥が志村史人、中央が椎名慧都、左に山田定世、

倒れているのが辻井亮人。

その辻井が、主要人物を演じる『面と向かって』。

11月5日から俳優座劇場にて。

 

写真(下)も同じ。右が田中孝宗、左が塩山誠司、

後方に清水直子。

その塩山はジャック・マニングシリーズ第一弾

『面と向かって』でマニングを演じる。

 

御陰様で、評判が評判を呼んで、9月8日以降の11ステージがほぼ完売。

後半はキャンセル待ちが続く日々である。

 

そんな『戒厳令』の幕をおろしたのち、

No.348『面と向かって』の稽古が22日から始まるのだが、

15日と昨日、プレ稽古を行った。

 

「シーシュポス~」は徒労を意味する警句でもある。

そうならない準備のために、『戒厳令』の美術――

杉山至デザインに囲まれ、読み合わせをした。

戒厳令の舞台スペインから15,744 km飛んで、

オーストラリアで展開する作品になります。

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バックステージイベント~戒厳令ノート0914

2021年09月14日 | 俳優座

 

昨今、演劇の世界においてアフタートークや

バックステージツアーなどが増えている。

前者は変わらずに行われているけれど、

後者はCOVID-19禍で開催が難しい。

 

劇団俳優座No.347『戒厳令』においても

観客の希望者を舞台上に招いて、

セットの裏側などを覗いていただきつつ説明する

……ことは困難なので、キャストによる解説(?)

というかフリートークで楽しんでいただいた。

勿論、舞台美術のことを中心に。

それが12日(日)である。

 

写真下:左から塩山誠司、野々山貴之、椎名慧都、山田定世。

写真上:下中央が塩山、上段左が山田、右が野々山。

 

そして冒頭の写真は、イベントとは関係ない。

今回の座頭・加藤佳男(カサド判事役)と、

その妻を担った坪井木の実。

 

ネットのニュースサイトでも紹介されるなど、

好評の舞台は、お陰様で千秋楽に若干枚を残して完売。

OGPイメージ

News Socra (ニュース ソクラ)

硬派なニュースサイト

News Socra (ニュース ソクラ)

 

 

そして、今日は次の公演『面と向かって』のチケット発売日。

 

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休演日~戒厳令ノート0910

2021年09月10日 | 俳優座

今朝の起床、スマホは9:19

「しまった」飛び起きよーとする筋肉を

寝惚けまなこの脳が「きゃうえんび」と。

・・・そうだ9月10日『戒厳令』は休演日。

 

決して「きゃうえんび」ではないが、

キンゾクヒローおびただしい僕脳ゆえ

仕方がない。いずれにしろオフ

 

劇団俳優座No.347、カミュの世界は

3日の開幕から7ステージを消化。

本日ひと息ついて、残すは9回となった。

 

(撮影:坂内太。右から山田定世、後藤佑里奈、森永友基、松本征樹)

 

キャストスタッフ、それぞれの「準備」をしているはず。

 

遅刻でないと解って、まずは洗濯。

受付で着用している「戒厳令Tシャツ」や

悪天候続きでたまった山を……。

 

『血のように真っ赤な夕陽』巡演が好天

(勿論、雨も降ったが、仕込や本番等では回避。

と前にも書いた)に恵まれたのに対して、

『戒厳令』は雨の日が多い。加えて休演の今日が晴れ。

不思議なめぐりあわせだ。

 

さて、この舞台は彗星が降ったのを起点に

物語が動いていく・・・。

明日から後半戦へと入っていくが、

お陰様で11~13日、15日は完売している。

 

 

そして明日は「9.11」から20年という節目でもある。

 

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無=ナダ~戒厳令ノート0907

2021年09月07日 | 俳優座

《無し、それが俺の名前。何にも無し。

難しく言うと虚無。スペイン語でナダ》

 

劇団俳優座No.347『戒厳令』は序盤の4ステージを終えた。

アメフト風にいえば第1クォーター終了である。

 

ナダを演じるのは八柳豪(写真①)。

大学時代はアメリカンフットボール部。

閑話休題。

 

①↑  ②↓

 

「ペスト」と名乗る男(演:野々山貴之/写真②)と

秘書(清水直子)。ダークサイドの二人に対抗する

医学生のディエゴ(演:志村史人/写真③)と

判事の娘・ヴィクトリア(演:若井なおみ/同)の両軸。

その間で、立ち位置のかわるのがナダ。

 

 

ナダが「何もない」という捉え方でいえば、ディエゴは「ヤコブ」。

ヤコブは、双子の兄を欺き長子権を奪い、神の祝福を受け

イスラエルの名を与えられた・・・と説明される。

無神論者のカミュが、どういう意図でその名を用いたのだろう?

同様に「勝利の女神」の意のヴィクトリアには……

 

と書くと、難解な舞台という印象を提示することになる。

それを否定はしない。

真面目な日本の観客は、全てを理解しようとしがちだけれど、

頭のなかを「何もなし」にして、目の前で展開する

スピード感と重厚さを兼ね備えた空間に身を委ねて欲しい!

 

明日は19時開演。

明日もお陰様で満員御礼

 

 

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