【 助け合う心、大切に 】 今治市唐子台東 ( 女性・43歳 )
[ 先日、友人から「熊本地震の被災地に木のおもちゃを届けたい人がいるので、不用品があれば譲ってほしい」と知らせが来た。5歳の双子を子育て中の私は、テレビを見ていても避難所で不安そうにしている小さい子どもたちや、慣れない場所で自由の利かない中での育児に苦労している親御さんの様子が気になる。
何かお役に立ちたいと思っても実行に移すのは難しいが、おもちゃならもう使っていないものもあるので、お手伝いできる、と譲れそうな物を集めた。
子どもに内緒でと思ったが、家に居る時間に集めに来てくれることになったので仕方なく事情を説明しておもちゃを見せた。すると「これはダメ」と息子たちは一つずつ元に戻してしまったが、残りは渡すことができた。
こっそりできたら全部渡せたのにと、残念な気持ちでいたが、それから熊本が映ると「ここに僕たちのおもちゃがいったんよね」と息子たち。「そうよ。あのおもちゃでつらい気持ちが少し楽になった子がいるんだよ」と言うと、なんだか満足げな表情。
息子たちには地震の大変さは分からないだろうが、困っている人がいて手助けできることがあるということを知るよい機会になった。貴重な体験をさせてもらったことに感謝しながら、一日も早い復興を祈っている。
《 こだま 読者の広場 『 へんろ道 』 》 地方紙「投稿欄」より
( 忘却への扉 ) もう使わなくなっていたおもちゃとはいえ、5歳にもなればある日そのおもちゃを思い出すことや、遊びたくなるかもしれない。
お母さんから熊本地震の避難所で不便な生活をしている子供たちに僕たちおもちゃがと説明を聞いての納得は、とても大切なこと。大人が考える以上に小さい子どもたちは情報知識を理解していると思う。
この体験が、年齢を積み重ね若者になる成長過程とともに、社会に対する実体験と行動を幾つ見つけ、どう行動に移すのか期待する楽しみもできる。