地方紙1面の「地軸」2013.8.29より [木の周りをトラが駆ける。前のトラのしっぽをくわえ、目にも止まらぬ速さで。あとに残ったのはたっぷりの黄色いバター ▲トラが溶けてバターになる、その鮮やかな発想。お母さんが焼いたホットケーキを親子でたらふく食べる幸せ。「ちびくろ・さんぼ」は大好きな絵本だった。日本中で子どもたちに愛された。それが突然、姿を消した。25年前のこと。
▲黒人差別に関する米紙報道や日本のある市民の抗議を発端に、出版社がこぞって絶版にした。図書館の多くが自由に手に取れないようにした。学校や幼稚園、保護者に廃棄・焼却を指示通達した自治体すらあった。
▲悲しかった。大切な本がいきなり悪書だとされ、母から読み聞かせてもらった温かな時間も、楽しんだ自分も悪だと言われている気がした。納得できず新聞の論争や検証本をむさぶり読んだ。何が起きているのか知りたかった。
▲書き手や読者に意図がなくても傷つく人がいることを知った。海外では人種差別が根強いことも知った。と同時に、目の前から本を消すのでは解決にならない、と学んだ。教科書では得られない貴重な経験だった。
▲松江市で描写が過激だとして閲覧制限された「はだしのゲン」が子どもたちの手に戻った。騒動に揺れた子どもたち、どうか思いをじっくりかみしめ大人にぶつけてほしい。大人はしっかり受け止め、ともに語り合いたい。平和の語り部ゲンを生き続けさせるために。]
わが家の本棚にも両方ある。「ちびくろさんぼ」は昭和1981年 第14刷の講談社版・幼稚園百科 1988.12.23 朝日新聞の時々刻々切り抜きを挟んであった。
▲黒人差別に関する米紙報道や日本のある市民の抗議を発端に、出版社がこぞって絶版にした。図書館の多くが自由に手に取れないようにした。学校や幼稚園、保護者に廃棄・焼却を指示通達した自治体すらあった。
▲悲しかった。大切な本がいきなり悪書だとされ、母から読み聞かせてもらった温かな時間も、楽しんだ自分も悪だと言われている気がした。納得できず新聞の論争や検証本をむさぶり読んだ。何が起きているのか知りたかった。
▲書き手や読者に意図がなくても傷つく人がいることを知った。海外では人種差別が根強いことも知った。と同時に、目の前から本を消すのでは解決にならない、と学んだ。教科書では得られない貴重な経験だった。
▲松江市で描写が過激だとして閲覧制限された「はだしのゲン」が子どもたちの手に戻った。騒動に揺れた子どもたち、どうか思いをじっくりかみしめ大人にぶつけてほしい。大人はしっかり受け止め、ともに語り合いたい。平和の語り部ゲンを生き続けさせるために。]
わが家の本棚にも両方ある。「ちびくろさんぼ」は昭和1981年 第14刷の講談社版・幼稚園百科 1988.12.23 朝日新聞の時々刻々切り抜きを挟んであった。