忘却への扉

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私たちを抜きに、私たちのことを決めないで

2016-05-16 | 共に

 【 地 軸 】 2016/5/14 地方紙1面下段コラムより

[ 「コミュニケーションに時間を要するということで参考人招致を取り消されました。障害を理由に排除されたことは、深刻なこの国のありさまを示している」…。こうべを垂れて聞くほかない、悲痛な言葉。
 ▲衆院厚生労働委員会の参考人質疑で難病男性が出席を拒否され、メッセージが代読された。声は出せずとも「通訳」がいれば意思疎通は可能。しかも審議内容は、障害者支援を強化する法改正案というから無理解に心が冷える。
 ▲「国会に招くより患者を訪ねて話を聞こうと訴えたかった」 「取り下げたのは(出席の条件として求めた別の法案審議に応じなかった)民進党」。自民党の言い訳は聞き苦しい。先月施行の障害者差別解消法の理念にももとる。「当事者の声」をくむ気もない心根が寂しい。
 ▲「人の話を聞かない」のは近ごろの政治の体質でもあろうか。審議中の携帯電話いじりや居眠りで批判を浴びた議員、一方通行のヤジばかりの国会審議…。誰のための支援、誰のための政治か—を思い出してほしい。
 ▲「私たちを抜きに、私たちのことを決めないで」とは世界の障害当事者のスローガン。多少時間がかかろうとも、当事者がどんな思いで言葉を紡ぎ、何に苦労しているのかを傾聴することからしか、支援は始まらない。
 ▲震災もしかり。一連の熊本地震発生から1か月。支える側が励まされ、支えられることもある。まずは謙虚に、個々の声に耳を傾けて。]

 ( 忘却への扉 ) 「当事者の声」をくむ気もない心根… は自民党だけでなく政権与党の公明党や、両党に擦り寄る他の大阪維新など偽野党なども同じこと。「人の話を聞かない」政治の体質… あまりにも次元の低さを感じる議員の急激な増加はこの国全体を駄目にする前兆を示す。
 衆院厚生労働委員会の障害者支援を強化する改正法への参考人質疑を、難病男性が障害を理由に排除されたとは、あってはならない人権無視の差別そのもの。
 第2次と第3次安倍内閣で厚生労働大臣を務める塩崎恭久衆院議員はこの四電伊方原発再稼働を認めた愛媛県松山選出の自民党衆院議員。私に投票権はなかったが、心の貧しさに県民の一人として詫びたくなる。