忘却への扉

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血も辞さない覚悟をと

2014-05-31 | 平和を
 《 試練の9条 問われる安保政策 》 [ 2 ] 【 駆け付け警護 】 《 自衛隊内に戸惑う声も 》 2014/5/25 地方紙記事より
 [アフリカ・南スーダンの首都ジュバ。国連平和維持活動(PKО)を展開する陸上自衛隊部隊に、激励に訪れた小野寺五典防衛相が訓示した。「南スーダンは不安定な状況が続いている」「緊張感を持って任務にまい進してほしい」
 現地は昨年12月から事実上の内戦状態に陥っている。今年1月には、武装集団がジュバに接近中との情報を受け、隊長が武器と銃弾の携行を命じる緊急事態も起きた。
 部隊は本来任務の道路整備ができなくなり、避難民支援に当たっている。政府内には撤退論もあるが、いま日本がPKОに部隊を送っているのは南スーダンだけ。撤退すれば「積極的平和主義」を掲げる安倍政権にとって打撃となりかねず、継続される見通しだ。
 「自衛隊は彼らを見捨てるしかない。これが現実だ」。5月15日の記者会見で安倍晋三首相が声を張り上げた。首相は、自衛隊の活動場所と離れた地点にいるボランティアや国連のPKО要員、他国の部隊が武装集団に襲われた場合、自衛隊は救助に行けないと主張。「駆け付け警護」と呼ばれる事例だ。
 南スーダンの例でいえば、自衛隊の宿営地の外で避難民が襲われた時には救助できないことになる。PKОでの武器使用基準をめぐっては「厳格すぎる」「手足を縛って送り出されているようなもの」と自衛隊内で不満の声が上がってきた。
 集団的自衛権の行使容認には慎重な与党公明党だが、駆け付け警護は対象を文民保護に限って容認する方向だ。
 自衛隊内には「当然だ」との反応がある一方で戸惑う声も。ある自衛官は「表立っては不安を口にできないが、任務が拡大し、危険がより身近になるかもしれないということは、みんな理解している」と語る。
 30代の陸自隊員は「自分や同僚が現場で実弾を発射するなんて想像できない。本音をいえば、危険な任地に行きたくない」と打ち明けた。
 自民党は駆け付け警護で、PKОに参加する他国部隊も対象に含めたい考えだ。公明党では、他国軍との共同行動が際限なく広がっていく恐れから反対する声が強い。
 19日に東京都内で開かれた集会。官房副長官補を務めた元防衛官僚の柳沢協二氏が「首相は他国部隊の保護に言及したが、民間人(文民)を守るのとは全然意味が違う」と強調した。「相手の武装集団と本気で敵対するということだ」と柳沢氏。本格的な戦闘を覚悟しなければならないと警鐘を鳴らした。]

生活実感と共に向き合う

2014-05-31 | 共に
 《 当事者の実感ないまま 》 【 集団的自衛権 】 『 生活経済学者 暉峻 淑子 (てるおか・いつこ 28年生まれ、非政府組織「国際市民ネットワーク」代表として、難民支援など続ける )
【 表面的言葉だけで「容認」 】 《 戦争体験 募る危機感 主人公になり直視を 》 2014/5/24 地方紙記事より
 [安倍晋三首相が憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認すべきとする方針を打ち出したことについて、生活経済学者の暉峻淑子さんに投稿してもらった。]
 [16年ほど前、旧ユーゴスラビアの国の一つセルビア共和国を訪れていた時のことだ。私は怒りのあまり、政府庁舎まで押しかけて閣僚に抗議したことがあった。
 当時、仲間と小さな非政府組織(NGО)を立ち上げ、旧ユーゴの民族紛争で難民になった人の支援を細々と続けていた。あえて会員制は取らず、賛同してくれた方が活動に参加したり、思い立ったときに寄付金を振り込んだりするスタイルを通してきた。
 私は、振込用紙の通信欄に書き込まれたメッセージを読み、1通ずつ手作業で令状を書く。見かねた人から「登録制にして、自動振り込みのようにすれば」と勧められたが、作業は私にとってお金を預かる当事者として、実感を得る過程だった気がする。手間暇を惜しまない賛同者もまた、主体的に関わる実感を持ってくれたようだ。
 だからこそ、そうして託されたお金が現地政府によって流用されたりすると、私の身体は即座に反応し、責任者にまで「NО」を突き付けずにはいられなかった。良いことも含め何か事が起きても、当事者としての生活実感がないと、体は反応してくれないと学んだ。
 言うまでもなく今回の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認の方針や、特定秘密保護法制定は、国や社会のありようを根本から変えるものだ。その是非には触れないが、人々は生活実感に照らし合わせて憲法を理解せず、表面的な言葉だけで容認しようとしているのではないか。
 かつて日本が戦争に突き進んで行った時代に青春期を過ごした私には、そのことに強い危機感がある。近年の政治や社会の動きに対して、当事者としての実感がないまま受け身になっている人は少なくない、と思えてならない。
 私は5年前から地域の人々と月1回、勉強会を開いている。参加するのは普段買い物に行けば顔を合わせ、「煮豆が余ったのでどうぞ」と家に持って来てくれる生活者だが、専門家を呼んで講演を聴くのではない。それぞれが暮らしの中で直面している政治や社会や憲法、身近な問題について持ち回りで発表し、みんなで意見を交換する。
 一人一人が主人公になり憲法など社会の課題に向き合う。遠回りのようだが、そういう場こそ当事者として実感を取り戻す出発点になるだろう。] (埼玉大名誉教授)

たよりにしすぎて

2014-05-31 | 平和を
 《 判決の衝撃 大飯原発運転差し止め 》 [2] 【 地元商工会 】 《 「何があっても推進」 》 2014/5/24 地方紙記事より
 [「再稼働してはならないという判決です」。関西電力大飯原発のある福井県おおい町商工会の木村喜丈会長は21日、青森県で開かれた原発関係会議出席後、地元に戻る電車の中で商工会から連絡を受けた。この日、福井地裁で3、4号機の運転差し止め訴訟の判決が出るのは知っていたが、予想もしなかった結果に耳を疑った。地元経済への影響が頭をよぎった。
 若狭湾に臨み、豊かな自然に囲まれた福井県南西部のおおい町。第1次産業中心で、過疎化が進んだ町(当時、大飯町)は、大飯原発1、2号機の誘致話が持ち上がった1960年代以降、道路整備が進み、新しい雇用が生まれたことで都市部から人が戻ってきた。現在も町の当初予算の半分以上が交付金など原発関連歳入で賄われ、町民の生活基盤の〝大黒柱〟は原発だ。
 原告の一人で、意見陳実もした同県敦賀市の大地晴美市議は「立地地域の住民は、原発マネーがあるゆえに『生命を守る』と言う基本的人権が脅かされている現状に『NО』と言えなくなっていった」と解説する。
 「原発は社会的に重要だが電気を生みだす1手段にすぎず、人格権より劣位におかれるべきだ」と断じた今回の判決。木村会長は「立地住民にとっての人格権は、原発を前提に成り立っている。どんなことがあっても推進の姿勢を貫く」と打ち明ける。一方で「司法判断と政府方針のどちらが優先されるのか」と、再稼働の先行きがさらに不透明になた現状に不安をにじませる。
 福井県は全国最多14基の原発を抱える〝原発銀座〟だ。おおい町以外の自治体でも住民の多くが原発に関係した生活を送っている。経済産業省資源エネルギー庁が東京電力福島第1原発事故後、敦賀原発などがある敦賀市と、関電美浜原発のある美浜町を対象に行った調査で、原発停止が長引けば年間95億円のマイナス影響を与えるとの結果が出た。
 それでも、判決を評価する声は多い。原告団を支援してきた福井市の村上由樹さん(30)は何度も福島県の友人を訪ね、泊まり込みで除染を手伝った。2012年に大飯3、4号機が再稼働し友人に「福井は何をやっているん」だと激しい言葉を掛けられた。「やっとまともな判断が出た。友人に顔向きができる。福井に住めなくなるようなことを起こしたくない」
 今大地市議は「今こそ原発依存から脱却して、固有の文化や自然に目を向けた新しい産業を考えていかなければならない」と訴えている。]

つなぎ止めるために

2014-05-30 | 平和を
 《 試練の9条 問われる安保政策 》 [ 1 ] 【 集団的自衛権 】 《 限定容認 歯止めに疑問 》 2014/5/24 地方紙記事より
 [「限定的」 「必要最小限度」との言葉を特に強調した。15日の安倍晋三首相の記者会見。集団的自衛権の行使容認に向け、憲法9条の解釈変更を検討するよう政府、与党に指示したと表明した。
 行使容認によって日米同盟を強化して抑止力を高めたいとする安倍首相。「限定容認」を打ちだし、世論や慎重姿勢を示す与党・公明党の理解を得ようとしている。
 首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書は、行使条件として①密接な関係にある国への武力攻撃②その国の要請か同意③日本の安全に重大な影響④政府が総合的に判断し閣議決定⑤事前か事後の国会承認―などを挙げた。地理的限定は「不適切」として盛り込んでいない。
 ①と②は国際法上の常識であり、④と⑤も当然の内容と言える。残る③の「日本の安全に重大な影響」は解釈に相当の幅がありそうで、与党の公明党も「極めて抽象的で曖昧」と反発する。
 小林節慶応大名誉教授(憲法学)は別の観点から矛盾を指摘する。「国際法上の概念として集団的自衛権は、同盟国が無条件で助け合う権利」と小林氏。「日本の安全に影響がある場合、というのは裏を返せば『自分に関係なければ助けに行かないよ』ということ。期待だけさせておいて裏切ることになる。それで日米同盟が強化されるのか」と皮肉った。
 「首相は、行使容認で米国が振り向いてくれると思っているのだろう」と推測するのは我部政明琉球大教授(国際政治学)。「日米安保条約に対する首相の不安が表れている」とみる。
 焦点は、中国との衝突も懸念される沖縄県・尖閣諸島だ。安保条約は日本が米国への基地提供義務を負う一方で、米国に日本の防衛義務を課している。4月の日米首脳会談でも、オバマ大統領は尖閣が安保条約の適用対象だと明言した。
 それでも安倍政権では、経済を中心に中国との関係を深め「世界の警察官」の座からも降りようとしている米国への懸念がくすぶる。米国は本当に守ってくれるのか―。
 「集団的自衛権の行使を認めて、自衛隊はいろいろな協力ができると示して行かないと、いざと言うときに米国に逃げられるかもしれない」と漏らす防衛省幹部も。
 米国の「つなぎ止め」が目的なら、仮に米国から具体的な行使の要請があったときも、拒否はしずらい。我部教授は言い切った。「いったん容認してしまえば、必要最小限度と言ってもいくらでも拡大解釈できる。何の歯止めにもならない」
                    ×                    ×
 先の戦争への反省から平和主義を掲げた9条が、試練にさらされている。日本の安全保障政策はどこへ向かうのか。安倍政権の方針を検証する。]

ごく常識的な判断

2014-05-30 | 共に
 《 厚木基地飛行差し止め 》 【 住民の声を受け止めた判決だ 】 2014/5/24 地方紙「社説」より
 [軍用機発着の騒音で睡眠妨害や精神的苦痛に悩む住民の声が、やっと届いた。
 米軍と海上自衛隊が共同で使う神奈川県の厚木基地の騒音被害をめぐり、周辺住民が国を相手に夜間・早朝飛行の差し止めなどを求めた第4次厚木基地騒音訴訟の判決で、横浜地裁は自衛隊機の午後10時から翌日午前6時までの飛行差し止めを命じた。
 騒音が健康被害に直接結び付くと認定した判断だ。全国の基地騒音訴訟で飛行の差し止めは初めてで、他の訴訟への影響も必至であろう。住民の健康に配慮しない自衛隊機の運用は、防衛という名の下でも認められないという、ごく常識的な判断だ。国はこの判決の重みを、しっかりと受け止めねばならない。
 提訴していたのは周辺住民約7千人。損害賠償でも1人当たり月額4千円から2万円を認め、過去最高となった。むろん、騒音の実態は金銭に置き換えようもなかろうが、被害を認定した司法の判断をより補強する内容だ。
 第1次訴訟から38年を経て差し止め判決を後押ししたのは、従来の民事訴訟に行政の対応の是非を問う行政訴訟を加えたことにある。今回も地裁は民事訴訟での訴えを従来通り退けたが、行政訴訟で詳しく審理し、初の飛行差し止めにつながった。
 まず国が行うべきは、自衛隊機の離着陸についてより騒音を軽減する運用への転換である。同時に、安全性を最優先にした基地使用の在り方を検討することも重要だ。騒音被害は厚木基地だけの問題ではなく、全国の基地についても適切な配慮を求めたい。
 ただ判決は、「夜間騒音の大半は米軍機であると認めながらも「国が米国に使用を許可する行政処分が存在しない」として差し止めは法の適用外と判断した。深夜の厚木基地では、滑走路を空母に見立て米軍艦載機の離着陸訓練を行うこともあり、過去に地元自治体の中止要請を拒否したケースもある。
 司法の判断が一歩前進したとはいえ、「治外法権」の米軍に対しては、手を出せなかったといえよう。むしろ、自衛隊機に限定した差し止めは一里塚であると捉えたい。原告団が「新しい運動の起点にしたい」と言うように、問題解決はこれからが正念場だ。
 「自衛隊機を差し止められるのなら米軍機も差し止められる」―。原告団の声は、全国の騒音訴訟の原告の声を代弁していよう。国はこの訴えを受け止め、米軍機の騒音被害の実態調査や住民の被害軽減について、米国と協議できる環境づくりを求めたい。
 その前提は日米安保条約や地位協定の見直しであり、対米遂追従の外交姿勢からの脱却である。今回の判決は、その道筋も示している。]

かまえずに軽やかに

2014-05-30 | 共に
 《 地方紙1面下部「地軸」 2014.5.24 記事より 》
 [「司法は生きていた」大飯原発差し止めを命じる判決の直後に掲げられた垂れ幕を見て、一瞬、あれっと思った。丸みを帯びたポップな文字。勝訴を告げる文字ならもっと重みのあるイメージなのに。
 ▲判決を読んで、さらに驚いた。何より命が大事―。人間の生の言葉が発せられている。判決と言えば、手続き論や、専門的で難解な解説が多い。そんな、これまでし染みついた印象を、あっけらかんと覆された。新鮮だった。
 ▲当たり前すぎるほどの一般的感覚。原発に詳しい専門家の中には、科学的根拠ん基づいていないと疑問を持つ人もいるが、血の通った暮らしからシンプルに物事を見つめることで、本質が見えることもある。
 ▲判決では、裁判所は安全への判断から逃げてはいけないと、自らに言い聞かせるように語った。今度は政府や国民が考える番だ。
 ▲勝訴の垂れ幕をテレビで見かけた大学生は言った。「あれ何? かわいい文字だけど」。権威を示す重々しい文字でなくてよかったのかもしれないと思いなおした。深いことを、構えずに軽やかに語り合いたい。若い人たちも、これまで無関心だった人も一緒に。
 ▲政府は、尖閣諸島や竹島の領土に固執する一方、豊かな国土に原発事故で住めなくなることには想像力が足りないように見える。自衛権の拡大を叫ぶ反面、国内に潜む危険に寛大だ。そんな今だから、なおさら皆で考えたい。どんな未来を望むのか。]  

息苦しい感じが

2014-05-29 | 平和を
 《 連続評論 平和国家の行方 》 【 言論統制の動き 】 《 意に沿わぬ報道に矛先 》 2014/5/23 地方紙記事より
 [息苦しい感じがする。安倍晋三政権が言論統制のような動きを強めているからだ。
 東京電力福島第1原発事故をテーマにした小学館の漫画「美味(おい)しんぼ」については、表現の賛否が分かれる中で、政府や自民党の要人が今月、「何を訴えようとしているのか理解できない」(石原伸晃環境相)などと相次いで批判。安倍首相も「根拠のない風評には国として全力で対応すると強調した。
 原発事故をめぐっては、テレビ朝日の「報道ステーション」も問題にされた。福島県の子どもの甲状腺がんを3月に特集したところ、環境省が番組を名指しで「誤解を生ずる恐れもある」 「甲状腺がんは事故の被ばくによるものとは考えにくい」とする見解を公表した。この見解事態が「報道内容全体をご覧いただけるとご理解いただける」と述べており、誤報でもないのに事実上反論するという異例の対応だ。
 また、沖縄県の地方紙の琉球新報が2月、陸上自衛隊の南西諸島への配備先が石垣市内の2カ所に絞り込まれていると報じたのに対しては、防衛省が「事実と異なる」として同紙と日本新聞協会に抗議した。当の媒体に加え、業界団体にまで矛先を向けるのは珍しい。
 ほかにも、特定秘密保護法についての批判的報道に反論する文書を自民党が作成したり、昨年の参院選直前の国会運営に関するTBSテレビのニュースに同党が反発、TBSの取材を拒否したりする例が続発している。
 さらに、安倍首相は昨年、親しい作家らをNHKの経営委員に任命。その経営委員が選出した会長は、論議を呼んでいる首相の靖国神社参拝や秘密保護法を積極的には報じない方針を示した。
 共通するのは、政権の意向に沿わない報道を許さないという態度だ。
 もちろん、報道が間違っていれば、政府が抗議することもあり得るだろう。しかし、マスメディアの最も大切な役割は権力の監視である。憲法で保障されている言論・表現の自由に基づき政権をチェックする報道は、番組の政治的公平を放送法で義務付けられたテレビやラジオを含め、当然ではないか。万一、政権の強硬姿勢にメディアが萎縮すれば、市民の知る権利が損なわれてしまう。
 安倍政権は秘密保護法を年内に施行する。一方、捜査のための盗聴(通信傍受)の拡大や、犯罪を計画しただけで処罰する共謀罪の創設も検討している。政府が重要な情報を隠し、市民の情報を収集し、マスメディアの報道を統制する―。そんな非民主的な体制の下で、集団的自衛権の行使容認、ひいては憲法改正といった重要な転換がなされてはならない。
 安倍首相に求められているのは、批判を謙虚に受け止め、むしろ多様な意見を引き出し、それらを政策決定に生かしていくことだ。] (共同通信記者 原真)

百害あって一利なし

2014-05-29 | 平和を
 《 安倍政権の「集団的自衛権」 》 『 千葉大・栗田禎子教授 』 ( 60年生まれ、東大大学院博士課程修了、専門は中東現代史。日本中東学会会長、パグウォッシュ会議評議員 ) 【 中等への軍事関与 主眼 】 《 日本防衛に ほぼ無関係 》 2014/5/23 地方紙記事より
 [集団的自衛権は日本を守るための「必要最小限」の自衛の範囲に含まれるとの摩訶(まか)不思議な議論が、安倍政権によって持ち出されている。
 しかし、そもそも集団的自衛権という概念は「自国は攻撃されていないが、他国のために戦争する」ことを差し、定義上「必要最小限」であり得ない。自国の防衛という見地からすれば、「不必要最大限」の武力行使とすら言える。
 政権が集団的自衛権の行使容認を打ち出すに当たり追い風になっているのが、朝鮮半島情勢や尖閣諸島問題など東アジアでの緊張の高まりだ。
 だが「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)の報告書を読むと、「わが国が輸入する原油の大部分が通過する重要な海峡」、つまりホルムズ海峡を対象とする「シーレーン防衛」のために、中東へ自衛隊を送る事例が挙げられているのが目につく。
 「国の存立」や「経済及び国民生活」が脅かされる場合、海外での武力行使は自衛のうち―。こんな国際法上は全く通用しない論法に基づき、石油確保を名目に中東への出兵が公然とうたわれているといってもいい。
 安倍政権が「積極的平和主義」を掲げる中、安保法制懇は集団的自衛権以外の類型も伴わせ、海外における軍事活動の拡大を検討した。その中で論じられた具体的事例が、中東・アフリカ地域を潜在的な対象エリアに想定しているのも問題だ。
 報告書では「多国籍軍」への参加が論じられているが、そのモデルケースは、イラクのクウェート併合を機に米国がイラクを攻撃した1991年の湾岸戦争だ。
 国連の「武力行使容認決議」を錦の御旗にしてはいたが、現在では、冷戦後の世界に自国中心の秩序をつくり出そうとした米国が中東に軍事介入した戦争だったのではないか、とも指摘されている。
 また国連平和維持活動(PKО)に参加する自衛隊の武器使用に関連し、他国部隊を守るための「駆け付け警護」の容認論が議論されている。非政府組織(NGО)関係者の救出なども名目に、自衛隊の武器使用を拡大しようとする動きが目立つ。
 自衛隊が現在参加しているのは南スーダンで展開中のPKОだ。アフリカは近年、中東に代わる石油や希少金属の供給地として世界の注目を集めており、各国の経済的利害が絡む舞台となっている。2011年の南スーダンの独立に対する米国などの積極的関与、国連PKОの展開もこうした背景と無関係ではない。
 こうして見てくると、集団的自衛権の行使容認をはじめとする安倍政権による一連の「積極的平和主義」政策とは、資源獲得や地政学上の重要性から、米国とともに中東・アフリカ地域に対する軍事的関与を強めていくことを主眼とするものだ。
 それは、日本の防衛とは実はほとんど無関係なものだ。日本国民の安全にとっては、百害あって一利ない政策であろう。]

私たちのためにも

2014-05-29 | 共に
 《 判決の衝撃 大飯原発運転差し止め 》 [ 1 ] 【 裁判所の厳しい姿勢 】 《 福島の現状踏まえる 》 2014/5/23 地方紙記事より
 [関西電力に大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決は、東京電力福島第1原発事故に言及し、原発の安全性を徹底的に疑問視した。再稼働に向けた原子力規制委員会の審査が進む中、国や関係自治体、電力会社への衝撃は大きい。経済活動を優先し「世界一厳しい」とする規制基準を盾に再稼働を急ぐ安倍政権は、冷や水を浴びせられた格好だ。
 「万一を考え出したら飛行機にも車にも乗れない」 「判決はおかしい」。22日朝、自民党の原発関連の部会では、判決への不満が噴出した。
 特に、規制委の審査への影響に懸念が集中。規制委事務局の原子力規制庁は「影響はない。粛々と進める」と説明したが、政府内には「規制委は判決を気にするだろう」(経済産業省幹部)との見方も。大詰めを迎えつつある九州電力川内原発1、2号機を含む18基の審査がさらに長期化する可能性もある。
 判決は原発の耐震性や使用済み燃料プールの構造など、大飯以外の原発にも当てはまる問題を次々と指摘。危険性を独自に判断したことで、規制委審査の安全性への疑問が強まると、再稼働への地元自治体の同意取り付けは難航しそうだ。
 政府は当初から「独立した規制委が、世界で最も厳しい規制基準で徹底的に審査」(菅義偉官房長官)したことをお墨付きに、再稼働への同意を得たい構えだったが、大きな痛手となった。安倍政権は「国は訴訟の当事者ではない」(茂木敏充経産相)と苦しい説明に終始。「判決は化学的でない」(政府幹部)と不満の声も漏れるが、反対運動が盛り上がるのは間違いない。
 裁判所の厳しい姿勢の背景には、福島事故の被害が広範囲に広がり、いまも約13万人が避難を続ける現状がある。従来の原発訴訟は国の手続きの適否が審理の中心だったが、判決は「事故後、危険性の判断を避けることは裁判所に課せられた最も重要な責務を放棄するに等しい」と踏み込んだ。
 判決は大飯原発の半径250㌔圏の住民について、放射性物質の大量放出の危険性をはらむ原発の運転により「人権が侵害される具体的な危険性がある」と認定。しかし現在の関係自治体の防災体制では、30㌔圏の住民の避難計画が機能するかさえ心もとない状況だ。
 政府は避難計画の整備を再稼働の条件としない方針だが、与党からは「野党から不備を指摘されると持たない」(自民党議員)との声も漏れる。
 原子力資料情報室の西尾漠共同代表は「30㌔圏外の住民からも自分たちの意見を聞くべきだとの声が上がるのは間違いない」と指摘している。]

オモチャを買う

2014-05-29 | 平和を
 軍事力増強や財界に役立つためには消費税増税の名目だけではとても足りず、何かと理屈をつけては一般市民から絞り盗る。平和憲法を持ちながら、海外で戦争できる日本化とは世界の笑いものだと恥ずかしい。
 戦争に負け国民主権で国家権力の横暴を縛る「日本国憲法」を手に入れ国民は大いに喜んだ。それにひきかえ自衛隊という名の軍隊や安保(軍事)条約こそ、元々国民の大反対を力で押しつぶした米国の押し付けなのは安倍首相もよく分かっていること。
 私の青年期までは自衛隊は代名詞として「税金泥棒」と呼ばれていた。それが世界の軍事大国と肩を並べるほどになれば、本物右派安倍首相はよけいに勢い付かれずにいられない。命令すれば人が殺し人が死に破壊も悲惨さも、どれも他人事ですむ。
 平和な時代には高額なオモチャとも言える武器も、安倍政権らの手に掛かれば凶器であり殺人・破壊と脅迫的圧力兵器に姿を変える。費用と涙は、全てが実質平和憲法を奪い取られた国民負担の泣きっ面にハチ。
 先日私もオモチャを買った。職業上、家には凶器になり得る道具は多いが使用中に傷つくのは当人だ。今回のは個人用でポケットにも入るが、いろいろ使えるけど何に役立つかは分からない商品。
 11特ナイフ、ノコギリ、ハサミ、ヤスリ、栓抜き、缶切り、ドライバー、ペンチその他。テントを出し金物を販売している親父さんに「どれも実用的でないオモチャだけどな」と言った。もちろんお互い知って売り、買っている。
 説明カバーは無駄と外してもらったが昨年まで数年間、買うにしては古く傷物と悩んでいた品よりは値段が高い。帰宅してやはり凶器所持で逮捕されることはないと安心した。
 私の力では使えるように起こせない。見るだけのオモチャとして部屋に転がしている。並べてもっと小さな14特のと別のもある。無ければいいが災害時の非常用にでもと思ったが、やはり本物が便利。凶器でなくオモチャである時間が市民の平和と安心にはとても大切。