忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

一時しのぎな上に、ひきょう、

2015-10-31 | 共に
 【 地 軸 】 2015/10/26 地方紙1面下段コラムより

 [「姑息」という言葉は使いずらい。実感に近い「ひきょう、ずるい」は誤用。かといって、正解の「一時しのぎ」と理解する人は少なく、悩ましい限り。
 ▲文化庁の2010年度国語調査では、姑息を「一時しのぎ」と正答したのは15%71%が「ひきょう」と誤った。実は03年度調査でもほぼ同率。であれば定着したのではないかとも思うが、やはり新聞では少ない。目立つのは、政治家が政権などを批判する発言の引用。
 ▲「閣議決定による解釈改憲は姑息なルール違反だ」などと。しかし、よく考えれば「一時しのぎの上に、ひきょう」。正誤両方の意味で、正しく[姑息]な気もする。
 ▲国民総生産(GDP)の推計などに使う統計の見直しを、麻生太郎財務相が関係省庁に求めた。10月月例経済報告で景気の基調判断が1年ぶりに引き下げられ、政権の経済政策への疑念が募る中、対象や集計法を都合よく変えて「見せかけの強い数字」を出したい狙いが透ける。
 ▲例えば、消費や賃金の調査対象から高齢者やパート労働者を減らせば、数字は上がろう。経済界さえ「ありえない」と驚いた目標「GDP600兆円」は来年算定基準を見直す予定で、これまで「経費」だった研究開発費を、「投資」として加算すれば20兆円もの水増しが可能になるという。
 ▲今だけ、来夏の選挙まで、よく見えればいい。そんな思惑では景気も人も動かない。何たる姑息―形容する言葉は他に見当たらない。]

 ( 忘却への扉 ) 安倍晋三首相が政権の座を再度射止めてから特に政権与党の国会議員の質の劣化が顕著となり、「一時しのぎで、ひきょう、ずるい」言動の乱発による未完成で横暴な法制連射が止まらない。
 【姑息】とは「根本的に解決するのではなく、一時の間に合わせすること。」 と私の電子辞書・大辞林にはある。
 やはり、根本的に解決しようとすれば矛盾でつぶれると分かっているから、一時の間に合わせ曖昧な法案のままに閣議決定と強行採決を重ねた。安倍政権与党は「姑息」の塊で成り立っている。
 選挙区に戻ったセンセイは言わば偽物?これが私の実体だと言い張るのなら、東京でのおらがセンセイの安倍首相や政権と自民幹部に住民らの声を強く代弁し迫る場を見たことがあるか。
 議員を当選させるか落選さすかは、普段から政党と議員全体も含めそれに所属する一人の候補者として観察した結果で、誰にも惑わされることなく自分の1票を投じたい。  

忌まわしい戦前を繰り返すのか

2015-10-30 | 平和を
 【 骨抜き憲法9条 大いに結構 】 砥部町 男性(66 ・ 無職)

 ◇6日付本欄「日本を骨抜きにした第9条」を拝読した。骨抜き9条大いに結構、憲法9条は日本が称賛されるべき素晴らしいものだ。戦後70年、日本が経済、文化、科学の方面で飛躍的な発展を遂げるために、この平和憲法はなくてはならないものだった。
 ◇今回の安全保障関連法で自衛隊が今までより表に出ることになり、海外では日本人が危険にさらされ、これまでのようなボランティア活動が困難になるだろう。外交方針が変化し、軍事力頼りの方に向かうのは目に見えている。よく同盟国というが、米国は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と常に戦争している。そのような国と一緒に自衛隊が行動すると、日本が攻撃され、また日本人が標的になる可能性が高くなる。
 ◇今までは憲法9条が抑止力になって攻撃されていない。が、この安保関連法で武力行使が容易になり、戦前の忌まわしい歴史が繰り返されはしないかと心配する。]
                                    《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ( 忘却への扉 )戦争法(安保関連法)成立から一か月以上になるが、戦争法廃止と憲法9条を守る若者たちや市民の集会などは全国で粘り強く続けられている。
 朝鮮戦争といえば。勃発直後の1950年のちに(54年)自衛隊となる警察予備隊が発足し、この同じ年に日本占領軍司令官(米軍)マッカーサーの行ったレッド・パージ共産主義者追放政策が現代状況に重なる。
 当時共産党員でも支持者でもない村の若者と村にあった会社の若い男女労働者が集まり新しい国についての勉強会をやっていた。それを知った警察に主だったものが逮捕され留置所に入れられ連日厳しい取り調べを受けたことを、当人(現在も存命)から参加者名を自白させられた悔しい思いを何度も聞いた。
 このように平和憲法の骨抜きは敗戦後まもなく戦前の流れをくむ元軍人や戦前の復活を夢見る保守勢力を米国(米軍)が利用したことが始まりかと理解する。
 

次の原発事故は意図的人災

2015-10-29 | 共に
 【 地 軸 】 2015/10/24 地方紙1面下段コラムより

 [「安心安全のまちづくりを進めますって、行政が、はやり言葉みたいに言うやろう。あれ、やめてもらえんかな」。県内の過疎高齢化が進む地域で、長年まちづくりをしている人がつぶやいた。「住民が自分たちで何もせんようになった」。
 ▲行政任せにして、自ら地域をよくする活動から遠ざかってしまったー。安心と聞いて安全から遠のく、そんな逆説的な話を思い出したのは、原発再稼働をめぐり首相や閣僚、首長らから「安全性は確保される」 「責任を持って対処する」と次々聞くからだ。
 ▲本当にそうであってくれたらいい。が、一度事故が起きたら取り返しはつかない。どう責任が取れるのだろう。謝っても、辞任しても、状況は変えられない。多分、近いうちには事故は起こらないと誰もがなんとなく、根拠もなく、思っている。
 ▲実体の伴わない政治の言葉が浮遊している。人々もつられて、どこにあるのかわからない「安心」や「責任」の心地よい幻想に取りつかれ、流されてはいないか。
 ▲自然の脅威や人知の限界、未来への影響を真正面から見つめれば、「簡単に責任を取るとは言えない」という方がむしろ誠実に思える。新たな雇用対策や再生エネルギー開発を含めて「みんな一緒に取り組もう」というのも、果たすべき責任のあり方。
 ▲福島ではじけた安心のバブルはまた膨らみ続ける。いつまでも幻想に浸っていたら、本当の安心は得られない。]

 ( 忘却への扉 ) 核電力である伊方原発の地元で生活しているとの感覚で日々過ごしている私にとって原発1号機建設予定地に国と電力会社に押し付けられた当初から、非原発の考えは変わらないい。
原発稼働に対する反対運動も住民の批判や疑問も同様に権力で強引に抑え込み、発言できなく黙っている人たちと札束や利害関係で積極的賛成で動く人々だけが賛成派多数として認められる状況ができた。
 福島原発事故の二の舞になる危険性がありながら、四国電力は伊方町内だけでなく周辺の市町住民に対する伊方原発3号機の安全神話復活宣伝を積極的に行っているが、原発の危険解消はゼロであるのは全く変化していない。

国の支えが必要な原発に未来はない

2015-10-28 | 共に
 【 地 軸 】 2015/10/27 地方紙1面下段コラムより

 [日本で初めて「原子の日」がともったのは茨城県東海村だ。52年前のきのう、日本原子力研究所の動力試験炉が発電に成功し、その後「原子力の日」と定められた。
 ▲合わせたわけではあるまいが、中村時弘知事がきのう、四国電力伊方原発3号機の再稼働を表明した。知事が言う材料がそろってから4日。白紙状態から「そしゃく」して判断を積み上げたにしては、いかにも早い。
 ▲もしや、事故は起きないと思ってはいないか。知事だけでなく政府も四電も。新規制基準に適合し、安全対策の不断の取り組みが約束されても、事故が起きないこととイコールではない。「想定外」は通用しないのだ。
 ▲話を聞けないのが残念でならない。反対運動をリードした広野房一さんが亡くなってはや10年になる。原子力の日を「反原発の日」と捉えた信念の人は、知事の決断に、東京電力福島第1原発事故に、憤りと憂いを募らせているに違いあるまい。
 ▲東海村は福島の事故後、当時の村上達也村長が「脱原発」を宣言した。核燃料加工会社の臨界事故で安全性が揺らいでいたとはいえ、原発を抱える自治体として異例の決断。「国が支えないと立ち行かぬ原発に未来はない。地域経済は原発から脱却すべきだ」との主張がふに落ちる。
 ▲知事は会見で「(原発は)ない方が良い」と語った。ならば、国内発祥の地の提言をしっかり「そしゃく」することも、立地県の務めと心得たい。]

 ( 忘却への扉 ) 「愛媛の知事もなさけないのう、(頭の中が)空っぽやないか」一度通り過ぎてから引き返してきた知人の一言に戸惑いながら、ああ、伊方原発の再稼働に同意したことかと気づく。
 結果、中村知事は政府や四国電力の意向のままに従い、伊方町長と議会は安全や安心よりも町の利権を最優先する。そこに住民の暮らしや安心を守ろうとする心は感じられない。
 伊方町と県の首長の判断で経済産業省から要請を受けていた伊方原発3号機の再稼働を「四電に事前了解」した。「万全の安全対策要請」というが、まず安全対策と核廃棄物の最終処分施設を完了させての再稼働ではないか。
 伊方町だけが地元ではあるまい。知事は会見後上京し林幹夫経産相らに地元同意を伝えている。形式的な一部住民たちが参加する原発事故時の避難訓練は実施しているようだが、それは、原発が危険であることの証でもある。
 鹿児島川内原発に続く日本2カ所目に再稼働となる伊方原発は国の核燃料サイクルの一環で、使用済み核燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合物(МОX)燃料を使用するプルサーマル原発であるのも危険度を一段と高めている。

ユネスコ拠出金の停止や削減、国の恥

2015-10-27 | 平和を
 【 歴史問題 隣国との争い無益 】 伊予市 男性(67 ・ 無職)

 ◇国連教育科学文化機関(ユネスコ)は先日、旧日本軍による「南京大虐殺」の資料を世界記憶遺産に登録した。これに対し、菅義偉官房長官はせユネスコへの日本の拠出金などの停止や削減を含めた措置を検討すると述べている。日本の政治・外交の幼稚さと安倍晋三政権の焦りを表していると思う。
 ◇近年、一部の保守層による日中戦争などの歴史を見直す動きがあるが、これに政治が関わり隣国と争うことに何の利益があるのか。国民の多くはそのようなことを望んではいないはずだ。日本政府も虐殺自体は認めており、日中間で死者数に違いがあるとしても検証は困難だ。中国の挑発に乗って騒げば騒ぐほど世界における日本の評価が下がり、日本人が誇りを取り戻すどころか日本の誇りがおとしめられる。
 ◇中国が特異な国なのは世界が認めるところだ。この国を相手に子供のようなけんかをすれば、日本も中国と同様の国と見なされることになる。]
 《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ( 忘却への扉 ) 「南京大虐殺」や従軍慰安婦問題を含む戦争犯罪を暴露する可能性のある日本側資料は、殆ど全てを証拠湮滅(いんめつ)を謀り消し去ったと思っているから言えること。日本政府はユネスコに対し拠出金の停止や削減で脅していると世界から厳しい批判の目で見られている。
 大東亜戦争(太平洋戦争)中の日本軍が侵略した国々で犯した残虐非道な行為の数々。被害者の人々は決して忘れてはいないのである。A級戦犯として囚われた岸信介を祖父に持つ安倍首相も、当然真実を知っていての行動だと私は思う。
 あの戦争に対する反省がないからこのようなことになる。日本軍の犯罪証拠を追求する気があれば生き証人はいくらでもおり、証拠もあからさまになったはず。
 私さえ戦争体験者から集団虐殺や従軍慰安婦のこと、敗戦後の悲惨な逃避行にシベリア抑留から帰還とその後までいろいろ聞いているから戦争への道は拒むのである。

まず民主政治の討論の基本を国会で

2015-10-26 | 平和を
 【 地 軸 】 2015/10/23 地方紙1面下段コラムより

 [高校の先生は、さぞ悩ましいことだろう。改正公選法で、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたのを受け、生徒への主権者教育の実施を考えなければいけないからだ。
 ▲文部科学省と総務省が高校生向けにつくった副教材「私たちが拓(ひら)く日本の未来」を読んでみた。政治の仕組みや討論の手法、模擬選挙の手順などを盛り込み、104㌻と分厚い。
 ▲来夏の参院選では一部の高校生が投票する。忙しい教師が授業の合間を縫い、どう指導するのだろうかと気になるが、現場から「政治的中立の確保」に不安の声が上がる。
 ▲同時につくられた教師向けの指導書は、「べからず集」のように「禁止」の文字が並ぶ。96㌻のうち22㌻を割いて「特定政党への支持」などの禁止行為を記し、「個人的な主義主張を述べることは避ける」と戒める。
 ▲指導書は、今の政治の話題を取り上げることを「教育効果がある」と促す。だが、どこまで具体的に教室で話していいのかと、判断に迷うのは当然だろう。自民党が中立性を守らなかった教師に罰則を科すことを求めているから、なおさらだ。
 ▲ならば、国会のセンセイは「教科書」通りにできているのか。安全保障関連法制をめぐるやりとりを思い出してほしい。副教材に民主政治の討論の基本が載っている。「他者の意見をよく聞く。自分の意見を正しく受け止めてもらうように簡潔に分かりやすく話す」。まずは国会内で読んでもらいたい。]

 ( 忘却への扉 ) 改正公選法で選挙年齢が18歳以上に引き下げておきながら、国会審議や世論の動向を軽視した拙速憲法改正を狙った泥縄法のままで来年の参院選。混乱するのは当然だ。
 安倍晋三首相の自公連立政権になって、特に何年でも国会での慎重審議の繰り返しが必要な重要法案が、小選挙区制で手にした誤魔化し大量議員数を持つ間に強引に暴走成立させた法律の数がありすぎる。
 どれも、法案を成立させてから政権に有利なように詳細を検討するやり方。与党がよく使った「慎重審議]「国民の納得のいく」を実際にやった上で、法案を国会に提出し議論を闘わせるべき。
 後先逆では議会制民主主義では認められないこと。来年の参院選をひかえ高校生向けの副教材を、国会のセンセイが学ぶのは政治の基本として大切なこと。もちろん首相をはじめ国会議員や公務員、教師、などにとっての基本教科書である「日本国憲法」を順守するのは厳粛な義務である。

 

言論の自由が命

2015-10-25 | 共に
 【 読み続け報道の力支えたい 】 内子町 女性 (82 ・ 主婦)

 ◇今夏は戦後70年についての本紙記事を連日、切り取って保存した。戦時中の言論弾圧を知っているものとして、それらの記事は貴重な記録に思える。原爆投下地、大空襲の跡、沖縄の陸上戦、撃沈される巨艦、兵隊の姿などを映した写真は戦争への怒りやむなしさを痛烈に訴えていた。また日本国憲法第9条の危機と思われた安全保障関連法案について判断するために本紙社説や地軸、有識者の論説、戦争体験者の記事など大方は読んだと思う。
 ◇山腹にあるわが家に本紙は夕方4時ごろ郵送されてくる。本紙に何十年来親しんできたが、今年ほど政治面を熱心に読んだことはなかった。それは戦争の怖さ、残酷さ、愚かさを知っているからだと思う。
 ◇私は[ヤング落書き帳]も欠かさず読み、子の子どもたちの未来が平和な世であることを願っている。「言論の自由」が命と考える新聞を読み続けることで、私は報道の力を支えたい。]
                                   《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ( 忘却への扉 ) 本紙記事切り取りの代わりに私はブログに転載活用させてもらっている。全国紙も読んではいるが、この新聞の政治に関わる戦争に近づく軍靴の足音と、過去の戦争への反省が生んだ国民のためにある日本国憲法崩し、世論無視の原発再稼働など国民目線の紙面づくりに感心する。
 政権を批判するようなことも紙面に載せ、原発も早くから問題点を載せている。何年経つかは忘れたが過去には四国電力・伊方原発の宣伝広告が大きく紙面を飾っていた。だが、原発関連の宣伝広告など全く見なくなって久しい。
 他面の紙面づくりも努力しながら購読者の支持と期待に応え頑張っている本紙の記者や編集者や社主と経営陣そのほかの人たちには頭が下がる。

かかし祭りにて

2015-10-25 | 日々
 愛媛県久万高原町でのかかし祭りを見学に行く。稲刈りの終った田んぼにかかしは用済みとの屁理屈はやめゆっくり歩きながら楽しんだ。田んぼ脇にある個人やグループ作の、それぞれよく目立つ作品の数々。
 人間は実物大、昔の農作業をしている場面が懐かしく、作者グループの老婦人と会話を交わす。
 写真は看板がなければ本物と見間違いそうだった。木を切るチェーンソーには古くなった機械同様の出来栄えに感心した。
 空気も天候もよく頑張った地域の人たちに感謝の気分。TPP(環太平洋経済連携協定)の寒風の影響をどう受けることかと、かかし祭りの今後に気になる。

周辺住民に遠慮せず原発再稼働へ

2015-10-24 | 平和を
 【 忌憚 】 八幡浜市支社 森口 睦月 《 取材 最前線 》 愛媛新聞より

 「忌憚(きたん)」とは広辞苑によると「遠慮」という意味。四国電力伊方原発3号機の再稼働を10月6日に示した伊方町議会では、何度も聞かれた。
 再稼働に賛否双方の陳情を審査した伊方町議会原子力発電対策特別委員会は2日の審議を「忌憚のない意見を出すため」との理由で非公開にしてその後、再稼働を求める陳情を全会一致で採択。6日の本会議でも特別委員長が審査経過の概要と「全会一致で採択となった」という結果を報告しただけで、討論もなく陳情を採択した。
 町議会は陳情の採択により、伊方3号機の再稼働を容認した。しかし、山下和彦伊方町長の再稼働判断に大きな影響を与える町議会の議論内容は不透明なまま。町関係者から漏れ出た「隠そうとするから議会が閉鎖的といわれる」といった声は届かなかった。
 なぜ審議を公開できないのか尋ねるたびに、議員からは「忌憚のない意見を出すため」との理由が示されたが、いまだ納得いかない。原発立地自治体の議員が、公の場で原発に関して発言しないのは、何に対する遠慮があるからなのだろう。]

 ( 忘却への扉 ) 四国電力伊方原発が立地する伊方町長は22日、県庁で中村時弘知事と会談し伊方原発3号機の再稼働を[容認]すると報告した。これで知事の「白紙」の茶番劇も終演を迎えた。
 もとより原発再稼働ありきの進み方、伊方のすぐ隣りの八幡浜市長は議会にも諮らず真っ先に知事に容認を伝えている。
 雇用の場の確保を町長と議会は再稼働容認の一つに挙げるが、廃炉作業等にも数十年単位の長期的な雇用が必要なのは分かっていての原発推進は安倍政権への遜(へ)りくだり。
 事故が起こった際のあの東電福島第1原発事故をまさか忘れたわけではあるまい。放射能に汚染され戻れない土地や体内被曝も曖昧に片づけられ不安な避難生活を余儀なくされる可能性を選ぶより、原発を廃炉にする方向を選ぶ方が、周辺住民にとっても救いがある。

全原発廃炉を決めたドイツのピストナー博士を迎え

2015-10-23 | 共に
 呼びかけを知り、私も参加した対話集会が翌日の愛媛新聞連載の「伊方原発 再稼働」に、【 緻密な避難計画必要 】 《 独の規制委員 事故時の対応説く 》 八幡浜 と載っていた。
 四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働をめぐる対話集会20日、八幡浜市沖新田の「みなと交流館」であり、ドイツの原発規制を担う原子炉安全委員会のクリストフ・ピストナー委員(46)が事故時の対応を説明した。海と山に囲まれた伊方原発について[ヘリや船などの交通手段を準備していても、事故時に外部からの支援ができない可能性がある]と指摘した。
 東京電力福島第1原発事故を検証した国会事故委員会の元メンバーでつくる「もっかい事故調」(田中三彦代表)などが主催。市民ら約80人が参加した。
 ピストナー氏は原発事故の発生原因を[自然災害のような外的要因だけではなく、滑稽とも思えるような内部ミスによっても起こる]と分析。事故時の住民避難に関し《緻密な避難計画が必要。ただ作るだけではなく、経路や方法を住民にはっきり説明し、訓練で検証しなければならない】と述べた。
 「廃炉後の地域経済を心配する声がある」といった参加者からの質問に対し、ピストナー氏は脱原発を決めているドイツの現状を説明。「廃炉作業には長期間にわたって作業員の力が必要になる」とし、急激な変化はないとの見方を示した。
 ( 忘却への扉 ) ピストナー氏はこちらに到着してすぐ伊方町のある佐田岬半島全体ををくまなく走り、伊方原発にも近くまで行った上で、対話集会に臨まれた。会場正面上部には「 ドイツ・エコ研究所 ピストナ―博士との(伊方原発をめぐる)対話集会 」と大きく書かれた横長の幕。
 この集会は原発に反対・賛成のどちらの立場からのものでもありません」との主催者の挨拶から始まった。ピストナー氏は伊方町の現地を見て感じたことを話しますと、「原発敷地内で行われているヘリポート?などの施設工事を見たが実際の事故時に使える可能性は低く、原発立地としてはふさわしくない地形だ」とも。
 集落があちこちに点在しているので住民全てに事故を知らせ早急に集合できるのか、緻密な避難計画が必要。それも戻れない場合の居住地をどこにするか(これは国の責任)まで決定しておかねばならない。ドイツの場合先の先を読んでいることに感心する。
 ピストナー氏ひとりの話は30分で切り上げそのあと残り1時間半を市民との対話集会に使いたいとの言葉には、最初は時間の多くが余るのではと心配した。心配無用県内各地をはじめ県外からの市民も加わりQ&Aは休むことなく時間を超過した。ピストナー氏のどの質問に対する返答も誰もが納得のいくもので感心する。
 あきらめることなく粘り強く脱原発を追求していくことが国を変え動かす力になる。ドイツでも保守政権が返り咲き原発の稼働年限を13年?追加したが、福島の事故で以前に戻した。来日の航空費用もドイツ・エコ研究所払いで、国会でも話をするという。
 【 クリストフ・ピストナー(ドイツ,エコ研究所) 】 [ドイツ・ダルムシュタット工科大物理学の博士号を取得。「科学・技術とセキュリティ(IANUS)」グループの研究員として核問題を研究したのち、2005年から環境シンクタンクのエコ研究所の原子力工学・施設安全部門に所属。原子力発電の規制基準、欧州連合ストレステスト、システム分析に関する問題に詳しい。ドイツ連邦政府環境原子力安全省のもとにある原子炉安全委員会の委員をつとめている。]