忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

私の周囲にも依存症患者が

2014-10-31 | 共に
 
《 注目集める「カジノ合法化法案」 》 【 解禁で依存症急増懸念 】 《 厚労省推計 すでに536万人疑い [ 治療側育成には時間 ] 》 2014/10/27 地方紙記事より
 [カジノを合法化する統合型リゾート施設整備推進法案が注目を集めている。安倍政権は成長戦略の目玉に掲げるが、懸念されるのが、時に家族や周囲の人生まで翻弄(ほんろう)するギャンブル依存症患者の増加だ。患者に接する医者らは、「カジノ解禁は人生を破綻させる人をさらに増やす」と警告する。]
 [「『最初の掛け金さえあれば一発逆転できる。明日の資金をどう調整しようか』とばかり考えていた」。仙台市の60代の男性はギャンブルにのめり込んだ日々を振り返る。
 中学生で花札を覚えた。パチンコやマージャン、競馬と手を広げ30代でポーカーにはまった。会社では業績を挙げたが韓国出張のたびにカジノに入れあげ、消費者金融などから借金を重ねた。返済を迫られると「今度だけは」と親族や会社に鳴き付き肩代わりしてもらうことを繰り返し、借金は累計1500万円に。
 30代後半で自己破産した。それでも給料をつぎ込み、妻が隠した通帳や印鑑をあさった。友人などからも金をかき集めては非合法の賭博場へ。最後はポーカーゲーム機の前にかじりつき、数十円単位で賭けた。ある日、ふと、自分に向けられた店員の視線に気づく。「あいつ、やめられなくて今日も来たよ、とあざ笑う目」。惨めだった。
 40歳で退職し、依存症を専門に扱う精神科に通い始めた。自殺を何度も考えたが、同様に悩む人が集う自助グループに参加し、再就職して生活も徐々に立て直した。でも、振り回した家族の人生は元に戻らない。
 男性は自らを省み強調する。「カジノができればパチンコなどより大きな金額が動く。当然、破綻する人は増える」
          待機患者
 借金、失職、離婚、犯罪、自殺…。深刻な問題につながるのにギャンブルをやめられない状態を専門化は病気と捉える。
 だが身体的不調を感じることは少なく、本人は病気と気付きにくい。2011年の厚生労働省調査では、医療機関を受診する患者は推計で、アルコール依存が4万3千人だが、ギャンブル依存は500人未満だ。
 一方、同省の研究班は、国内でギャンブル依存症の疑いがある人が536万人と推計。国内ではすでに競馬や競輪、宝くじなどの公営ギャンブルが合法で、法律上は「遊技」とされるパチンコ店も約1万2千ある。この上、広くカジノに出入りできるようになれば、依存症の増加など社会に深刻な問題をもたらすとの見方が専門家には根強い。
 長年、治療に取り組む北海道立精神保健福祉センターの田辺等所長は、海外に比べ身近な場所にギャンブルが浸透している日本は「学歴が高く、家庭もある普通のサラリーマンや主婦にも潜在的な『待機患者』がたくさんいる」と指摘する。
 田辺所長によると、治療に当たる医師や臨床心理士ら専門家は少なく、100以上ある自助グループは都市部中心で支援が届かない患者も多い。厚労省は先月、五つの医療機関を依存症全般の治療拠点に指定し、対策に力を入れ始めてばかりだ。田辺所長は「依存症を増やすのは簡単だが、回復を助ける人材の育成は大変な時間がかかる」。
          負の影響
 多重債務問題に詳しい新里宏二弁護士(仙台弁護士会)も「カジノがある韓国では自殺や犯罪の抑止対策、労働意欲の低下などによる社会的コストが、ギャンブル産業の売上高を大きく上回るとの試算がある。負の影響は数年たって初めて表れる」と警鐘を鳴らす。]

虫たちのともす赤信号

2014-10-31 | 共に
 
【 地 軸 】 2014/10/28 地方紙1面下段記事より

 [モミジやケヤキ、ナナカマドの赤色。イチョウやハルニレの黄色。多様な樹木による高揚が山を彩る美しい季節だ。11月にかけ、紅葉前線は慌ただしく駆け下る。
 ▲この時期、山行きのたびに、ある現象を観察する。はらはらと舞い散った落ち葉の「行方」だ。紅葉は美しいが、実はその後にこそ、生物学的に重要な自然の営みがある。生態系の物質循環システムだ。
 ▲落葉したまま地面に張り付けば、地上は早々に枯葉で埋もれてしまう。そこで登場するのが土壌生物。ミミズやトビムシなど微小な生き物が、見事に落ち葉を分解する。かれらのおかげで落ち葉は土となり、多様な森を維持しているのだ。
 ▲その巧妙な自然のサイクルに最近、異変が起きている気配が濃厚だ。豊かなはずの自然林に分け入っても、分解されずに、干からびて積もった枯れ葉の山に出くわす。かき分けても掘り下げても、肝心の土壌が存在しない。ミミズも少ない。
 ▲ミミズ食に特化した昆虫として、オサムシの仲間が知られる。その昆虫が、激減しているのも気になるのだ。かつては頻繁に見かけたが、今はむしろ珍しい昆虫になってしまった。循環システムが危ないと、虫たちも赤信号をともしている。
 ▲原因は酸性雨とも、急激な気候変動とも推測されるが、謎だ。美しい紅葉は、健全な森があってこそ。森は、健全な土があってこそ。自然の恵みを受けてきた人間の営みも、今が恐らく瀬戸際だ。

 いつも私が歩く山道にある雑木のトンネル下にたまる落ち葉にも、近年柔らかい土壌ができないなと不思議だった。腐葉土は畑などの養分としても大切なもの。イノシシがミミズや草の根を探すため野山や畑に道までも連日のように掘り荒すからだろうかとも思っていた。「生態系の循環システム」の赤信号と知ると怖くなる。TPP問題もだが日本農業の危機だけでなく地球の自然が危うい。これも人間が原因を増産しているのだ。

子どもの心の内面に大人が指図

2014-10-30 | 共に
 
《 道徳の教科化 》 【 価値観押し付けの不安拭えず 】 2014/10/24 地方紙「社説」より
 [現在は正式な教科ではない小中学校の「道徳の時間」が2018年度にも、教科に格上げされることになった。他の教科と同様に、国の検定教科書を使い、授業は原則として担任が行う。評価制度も導入し、数値ではなく記述式にするという。子供に特定の価値観を押し付けることになりかねず、なぜ教科化しなければならないのかという根本的な疑念が拭えない。再考を求めたい。
 道徳の教科化は7年前、第1次安倍内閣の教育再生会議でも提言されたが、当時の中教審で慎重論が相次ぎ、見送られた経緯がある。
 ところが今回の中教審は目立った異論がなく、教科化を認めた。社会情勢や教育環境が大きく変化したわけではない。教科化に賛成する委員が多数を占める有識者会議が、検定教科書と評価の導入を盛り込んだ報告書を作成したため、中教審が審議する前に「既定路線」になってしまったからだ。
 集団的自衛権行使容認を閣議決定した時と同様、有識者会議や懇談会の答申を「お墨付き」にする手法だ。自動的に政府が望む結論が導かれる仕組みは、国民を軽視しているとしか思えない。
 現在「教科外活動」の道徳は検定教科書がなく、教科書会社の副読本や独自に作った資料などが使われていることになっている。
 でも現実には、文部科学省が今年4月に作成配布した道徳教材「私たちの道徳」が全国の小学校の約93%、中学校の約83%で主な教材として使用されている。教科化されれば、新しい検定教科書を使わざるを得なくなり、授業の幅を狭めることになろう。
 一方で、答申は「特定の価値観を押し付けることは、道徳教育にまったく反する」 「多様な価値観と向き合い、考える力が大事だ」と強調する。教科化は、こうした精神と明らかに逆行する。矛盾していると言わざるを得ない。
 その教科書も、検定基準を細かく規定すれば「国定教科書」という批判を招きかねない。逆に緩やか過ぎると極端な主張の教科書が出てくる可能性がある。「基準」作りは容易ではあるまい。
 最大の問題は、子どもの心の内面をどう評価するかだ。こちらも基準はなく、教員の価値観で左右される恐れがある。「多様な価値観と向き合う力」が大事なら、そもそも評価などできないはずだ。
 週1時間の授業数は変わらない。となれば、今回あえて教科化を進める文科省の意図が全く理解できない。万が一、安倍晋三首相が唱える「愛国心」教育を押し付けるための布石なら、断固として反対する。]

君と考える 37

2014-10-30 | 平和を
 
《 新・戦争と平和 君と考える 》 [ 37 ] 【 戦時国際法 】 《 犠牲を抑えるための努力 》 2014/10/25 地方紙記事より
 [戦争にもやってはいけないことがあります。ルールがあるのです。君には少し意外なことかもしれませんが。人と人が殺し合う戦争にルールなんてあるの? そう思う人もいるでしょう。
 この世から戦争がなくなることがいちばんです。しかし、現実には世界各地で戦争が続く中、少しでも戦争の残酷さをへらすために人間が努力してきたことも知っておきたいと思います。
          使用禁止兵器
 たとえば、中東とよばれる地域にあるシリアの内戦で使われたとして問題になっている化学兵器は、条約では禁止されています。サリンなどの猛毒を使う化学兵器は、兵士だけでなく、女性や子供をふくむ民間人もまきこみ、環境にも悪い影響をおよぼします。同じような理由で、細菌などをばらまく生物兵器にも禁止条約があります。
          民間人の保護
 このほか、ジュネーブ条約など戦時国際法で決められているルールをいくつかあげてみます。
 (1)民間人攻撃禁止
 敵の国民であっても民間人を攻撃目標として殺したり、ひどい扱いをしたりしてはいけません。
 (2)捕虜は人道的に
 降伏して捕虜になった兵士に対して、拷問などひどい扱いをしてはいけません。人道的に接し、けがをしていたら手当もしなければなりません。
 (3)無差別攻撃禁止
 第2次大戦中の広島、長崎への原爆投下や東京大空襲のように、軍事目標と民間施設を区別しない攻撃は、現在明らかに国際法違反です。これも民間人保護の考え方によります。特に学校、病院、文化遺産、堤防、原子力発電所などへの攻撃は禁止とされています。
 このほか、18歳未満の子ども兵士を禁止し、戦争から子どもを守ることや、負傷兵や捕虜のための国際赤十字が中立的立場で活動することを認める決まりもあります。
 しかし、現代の戦争において、これらの決まりがすべて守られているかというと、残念ながらそうではありません。
 アフガニスタンや、イラクなどでの最近の戦争でも、それぞれ数万人の民間人が戦争に巻き込まれて亡くなっています。
          「捕虜」の定義
 捕虜をめぐっては、アメリカがアフガニスタン戦争などでテロリストとして捕まえた人たちを収容所で拷問していたことが問題になりました。アメリカは[テロリストは捕虜ではない]という考え方でしたが、犯罪者と見なしたとしても拷問は国際条約で禁止されています。
 「戦争といえどもやってはいけない決まり」を増やす努力は、戦争の犠牲者を最小限にするために必要なことでもあるのです。戦時国際法に違反した戦争指導者は、オランダにある国際刑事裁判所で戦争犯罪人として裁かれることになっています。]  (共同通信編集委員 石山永一郎) 

実践的避難計画はまだ未定

2014-10-29 | 平和を
 
《 原発から「逃げる」 ― 検証・伊方原発避難計画 ㊦ 》 【 社会福祉施設の苦悩 】 《 輸送先や輸送 課題山積 》 2014/10/24 地方紙記事より
 [宇和海のリアス海岸に、段々畑が生える西予市明浜地区。
 お年寄りが暮らす特別老人ホーム・あけはま荘は、四国電力伊方原発から約22㌔に立地する。防災重点区域の30㌔圏内に入るため、県広域避難計画に基づき、施設としての避難計画を策定しなければならない。
 施設長の富士森斉さん(52)が計画を策定するのに悩んだのは、30㌔圏外の受け入れ先施設の選定だった。ただ個別に依頼するには限界があった。
 他の施設も同じ苦悩を抱えている。
 県のまとめでは、社会福祉施設の計画策定は7月1日現在、287施設のうち142施設で、49・5%。老人福祉・介護保険施設(139ヶ所)も47・5%にとどまる。
 背景にあるのはやはり、受け入れ先が決まらない点だ。
 この現状を受け、県は計画策定への関与を強めた。8月には西予市で初めての説明会を開き、10月末までの策定を求めている。
 避難先の候補施設とのマッチングは、施設が所属する団体に県が依頼して実施。
 例えば、あけぼの荘は、特別老人ホームなどが所属する県老人福祉施設協議会が間に入り、特別養護老人ホーム・砥部オレンジ荘が避難先に決まった。あけはま荘の富士森さんは「大きな一歩」と受け止める。
 次に待っているハードルは輸送手段だ。
 あけぼの荘は手厚いケアを擁する約85人のお年寄りが入所し、近くのケアハウスなどと合わせると約150人が利用。車両は車いすが乗れるものを含めて約10台。短時間の避難には足りない。
 さらに地震や津波原発事故といった複合災害で輸送道路が寸断される恐れや、昼は40~50人いる職員が夜は10人程度に減るなど、マンパワーの面でも課題は山積みだ。
 受け入れ候補先の砥部オレンジ荘の施設長、菅原哲雄さん(61)も複合災害を懸念。砥部町の福祉避難所に指定されているため、地震により町が被災すれば、あけはま荘からの避難は難しくなる。
 その上、避難候補先は一時的な受け入れを想定しており、菅原さんは「長期間となれば別」。服薬の管理や冬季に発災ならば暖房燃料の確保といった備蓄を再考しなければならないからだ。
 利用者の相互受け入れなど、連携に関する協定を何予全域の施設で結んだ県老人福祉施設協議会。東中予でも進め、車両の出し合いを含めた支援体制が構築できないか、模索を続けている。]

まず足を運ぶのは

2014-10-29 | 共に
 
【 地 軸 】 2014/10/24 地方紙1面下段記事より

 [昨年、東京電力福島第1原発構内をバスで視察した際、唯一車外に出たのが1号機の近くだった。原子炉建屋は放射性廃棄物飛散を防ぐカバーに覆われていた。おととい始まった解体準備のニュースに、間近で見た光景が重なる。
 ▲カバー内の放射性物質に薬剤を散布し固着し、来春から1年かけて解体する。水素爆発で生じたがれきの撤去は2016年開始の見込みだが、完了時期は見通せない。
 ▲何とも気の長い話。でも焦りは禁物。廃炉作業には30~40年以上を要する。つまずくと次の工程に進めないばかりか、他の作業にも影響が及ぶ。慎重な上にも慎重を期してほしい。
 ▲地元の目は厳しい。3号機のがれき撤去で放射性物質が飛散し、数十㌔離れた水田が汚染された可能性があるためだ。東電は因果関係を認めず、住民は不安を募らせる。汚染水への懸念も拭えない。こんな時こそ国の出番なのに。
 ▲原発事故後、経済産業相は6人を数える。時の政権は対応に全力を挙げると強調してきた。掛け声倒れになっていないか。民主党政権の鉢呂吉雄氏は就任9日目、先の小渕裕子氏は1カ月半での辞任だ。被害者に寄り添う時間など望むべきもなかろう。
 ▲カバーには「不足や失敗を補う」との意味もある。就任したばかりの宮沢洋一氏は九州電力川内原発の再稼働をめぐり現地入りの調整を急ぐが、まず足を運ぶべきは被災地だ。小渕氏が作れなかった時間を補うためにも。]

気ままな老春を

2014-10-29 | 共に
 
【 老春万歳 】 鬼北町近永 男性 (77歳) 《 こだま 読者の広場 へんろ道 》 地方紙「投稿欄」より

 [この彼岸、内子町にある菩提寺の駐車場でのこと。私の車の横にピカピカの単車が置かれていた。ハーレーではないことは大きさから素人にも分かったが、それにしても、ずいぶんと大きい。「青年がお参りに来ているんだなあ」と思っていると、老齢のがっしりした男性が戻ってこられた。
 「いい単車ですね」と声をかけてみた。「今からツーリングにいい気候です。この間は九州を走ってきました」とうれしそうに話をされる、なおも続く。「しかし、今頃の若者のマナーは非常に悪いですね」と、目に余ることが旅先であったのか、一言付け加えられた。
 また、問わず語りに「家族は単車に乗るのは年だからやめよと言うんですよ。そこで家族と交渉したんです。団体交渉です。その結果、75歳まで乗れるようになりました。あと5年です」と5年を何度も強調された。
 年々高齢者の事故が増えており、ご家族の心配も分からないではない。が、おもむろにヘルメットをかぶり、快音を立てて去って行かれる後ろ姿は何とも格好よかった。思わず、心の中で「老春万歳!」とエールを送った。]

 うらやましいなと思う。私は家の近くの片道1㌔余が普通トラックや 軽の乗用車での走行範囲が家での規則。原付バイクも原則同じだが、内緒でたまに行動範囲を広げることもある。安全には気を付けているつもり、およそ数10㌔圏内だけでもの自由行動を認めてほしいとずっと思っている。「へんろ道」にある私より年上の男性ほど長距離は求めないから、せめて10㌔~15㌔でもいい気ままに走ってみたい。

人を思い幸せに満ちた文章

2014-10-28 | 共に
 
【 「9条」の意味 かみしめたい 】 西条市 女性 (63) 《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ◇ノーベル平和賞候補の「憲法9条を保持してきた日本国民」は受賞を逃した。それでも有力候補としてノミネートされたことで、日本国民は9条の大切さを再認識できたことと思う。
 ◇日本は先の大戦後約70年間、一度も戦争をしたことがない。これは世界平和に貢献したことを意味する。解釈改憲を貫き戦争を起こし、犠牲者を出せば、それはいかようにしても償うことはできないのだ。私は憲法9条と前文を何度も読み返した。これほど人のことを思い、幸せに満ちた文章はないと思う。国民の人権や暮らしなどが補償されるのも、憲法9条があるからである。
 ◇召集令状が届いた息子が戦地に赴き、人を殺すことを喜ぶ母親がいるだろうか。母親ならば、わが子だけでなく世界中の子どもを戦争から守りたいはずである。もう一度憲法9条の意味をかみしめて、平和を守り通すよう心から願いたい。]  (主婦)

 「憲法9条を保持してきた日本国民」であることに私も誇りを持ってきた。だが、軍国主義日本が起こした大東亜戦争(太平洋戦争を含む)での侵略と惨劇加害者日本国による海外と国民への加害責任から敗北の反省として生まれたはずの平和憲法を現在まで形式的には維持してきた日本。
 これまでの約70年が平和だったとは思えない。朝鮮戦争からベトナム戦争とそして今日に至るまで、米国の戦争に日本は大きな関わり持ち続けてきた。
 その日本が安倍自公政権となり日本国憲法破りの秘密保護や集団的自衛権などへと暴走中。実質国防軍の海外派兵も現実味を帯びてきた。わが身に降りかかる炎と国民の一人一人が感じなければ、再びあの戦中の悲劇を国民が味わうことにもなりかねない。隠れて泣いた人たちの話を私も知っている。

勇気をふりしぼり

2014-10-28 | 共に
 
《 目の前の不正や暴力 見て見ぬふりせず 》 【 マララさんに学んで 】 『 ジャーナリスト 北村敏子さん (ホームレス支援など人権活動を続ける。著書に「少女宣言」) 』 《 日本の子どもたちも勇気を 》 2014/10/22 地方紙記事より

 ― マララさんの受賞をどう受け止めたか。
 「彼女はテロ行為の残虐さを訴えながらも自分を襲撃した人に復讐(ふくしゅう)心を持たず、多くの人の心を動かした。『子どもなのにすごい』と言う人もいるが、女性で子どもという二重の抑圧を受けた存在だからこそ、しっかりした自己を持ち得たのでしょう」
 ― 彼女の姿から日本の子どもが学べることは。
 「勇気です。日本でいじめが深刻なのは傍観者的立場の子が多い。目の前で起きている不正や暴力に対して見て見ぬふりをする。彼女のように、言うべきときには勇気を振り絞ってほしい」
 ― なぜ傍観者が増えてしまったのか。
 「競争社会が激化して、人を押しのけて勝つことがもてはやされた。しかし、勉強やスポーツで勝ち続ける人はまずいない。勝てない自分に自己否定感を持ち、さらに弱い対象を探すことで、いじめが起きてしまう」
 ― パキスタンと日本では社会に違いがあるが。
 「マララさんが生きてきたのは安全な社会ではないが、家族など心を許せる人々に囲まれて育ったので自分に自信が持てたのだと思う。一方、今の日本は安全だが『自分を理解してくれる人はほとんどいない』と感じる子は多い。彼女の存在に励まされ、『自分は大切な存在だ』と思い『大切な他者もいたわりたい』と感じる子が増えてほしい」

君と考える 36

2014-10-28 | 平和を
 
《 新・戦争と平和 君と考える 》 [ 36 ] 【 国際連合 】 《 武力行使は原則禁止 》 2014/10/22 地方紙記事より
 [国際連合(国連)とは、世界の国が集まって平和や安全、人権や貧困などの問題について話し合い、解決法を考える機関です。加盟国は193カ国で、世界のほとんどの国が関わっています。
 国連憲章2条は「武力行使禁止の原則」をかかげています。つまり、原則として戦争をしてはならないと決めています。これは、多くの人の命を奪った第2次大戦の反省から生まれた考えでした。
 しかし、例外も認めています。国連憲章42条は「安全保障理事会(安保理)は国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な軍事行動をとることができる」としています。さらに、自分の国が攻撃された場合は、安保理が決める前でも自分の国を守るための戦争はしていいことになっています。
          意見不一致
 平和をおびやかす敵に対しては国連の名のもとに団結して戦う。自分の国が攻撃されたら戦って守る。いずれも当然のことのように君は思うかもしれません。
 しかし、国際社会の平和をおびやかす危機とはどんな場合のことを言うのでしょうか。これを判断することは難しく、各国の意見が一致しないこともしばし場あります。また、自分の国を守るための戦争も、どこまで地理的範囲を広げることが許されるかという問題があります。
 安保理について説明しておきます。
 安保理は「常任理事国」と「非常任理事国」で構成されています。常任理事国は国連ができたときからアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国と決まっています。日本やドイツは大きな経済力を持つ国ですが、第2次大戦の敗戦国であるため、非常任理事国にしかなれません。
          とめられず
 常任理事国は拒否権とよばれる特権を持っています。決議を認めない権利で、常任理事国のうち一国でも拒否権を行使すれば、軍事行動や制裁を認める決議は成立しません。最近では、シリアに対する制裁決議がロシアと中国の拒否権行使で成立しませんでした。
 こういう場合も、シリアをこらしめるべきだと考える国だけが、国連とは別に軍事行動をとることがあります。アメリカが中心となって始めた2003年からのイラク戦争は、安保理決議のないまま行われた戦争でした。原則として戦争を禁止している国連憲章には反しますが、国連にはそれをとがめるしくみはありません。
 戦争はできるだけやるべきではないという点では国際社会の意見は一致しています。しかし、平和をおびやかす敵をどうするか、すでに始まってしまった戦争をどうやって止めるかといった具体的な話になると、国によって意見が違ってくるのです。]  (共同通信編集委員 石山永一郎)