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* MFI誌106号にニュートンブレーキの本が紹介されました。
ダートトライアルのコースは曲がりくねっています。
わずか100秒の競技の中でブレーキランプの点灯回数が、参加ドライバーの中で一番多かったのは私でした。
必要と思われる場面で掛けていただけなのですが、あくまで私が必要と感じていただけで、
走りの組み立て方によってはもっと少ないブレーキの回数で走れたのかもしれません。
だから私の走りは土手の上から見ていて速そうには見えなかったし、
ホコリの立ち方も誰よりも少ないとよく言われました(見栄えしない走りだとか、つまらない走りだとか・・・)。
ブレーキをしっかり使う走りを最初に覚えたことで、自分で言うのもなんですが
速さはそこそことして、ドライビングミスが少なかったと思います。
ダートトライアルは二度アタックできて、ベストタイム方式です。
100数十台の競技車両が走ると午前と午後で路面コンディションが変わります。
良い方の路面でベストタイムを出すのが必須・・・つまり、ここ一発の成功率の高いドライバーが有利ということです。
このワンアタックベスト(自己ベスト)の支えになったのがブレーキング技術な訳です。
20年間のダートラ参戦で、アクセル全開のアタック回数300回以上、
合計距離にして約500km超、この間幸いにしてコースアウトも転倒もありませんでした。
つまり安全なドライバー・・・だったのではないかと。
速い人が表彰台に上がれるタイムアタック競技ではこっちの価値観はありませんが・・・
無理な走りをしなかったのがその全てですが、それもこれもブレーキをしっかり使ったから。
ベストタイムを出すために、まずは確実にゴールできること。
そのためには確実にブレーキをかけること。
ユックリ走ったわけではありませんよ・・・
ブレーキも右で踏んだり、左で踏んだり・・・・・・・
以前スリーペダルのMT車を操るラリーワールドチャンピオンの横に乗せてもらったことがあります。
左足でクラッチペダルとブレーキペダルを踏みわけ、右足でも当たり前にブレーキペダルを踏みます。
二本の脚が揃って右にいったり左にいったりします。
左ハンドル車だったので、右手でサイドブレーキレバーを引きます。
サイドブレーキレバーはかなり頻繁に使います。
手が三本、足が三本あるようにみえました。
一番驚いたのが、シフトダウン・・・
左足でフルブレーキをかけながら、右足でブリッピング、右手でシフトダウン。
ドグミッションなので回転数が合えば、クラッチ操作は要らない。
呆れました・・・・ア然です。
ブレーキペダルをどちらの足でも踏めますなんていうのはまだ初心者!
同時代の元WRCチャンプの走りを「データ解析」したことがあります。
日本チャンプは、左足ブレーキング無。元WRCチャンプは、左足ブレーキング多用。
コーナー進入前データを比較しますと、日本チャンプのENG回転数は3500rpm。WRCチャンプは、同じポイントで4500rpmです。
ミスファイアリングシステム無の時代ですから、4500rpmとは「フルブースト」がかかった領域。従って、コーナー脱出加速に大差が出る訳。外から観察していてもわかる程でした。当然Lap-Timeにも、大差が出ます。
左足ブレーキングは、まさに「人間ミスファイアリングシステム」として活用していたのです。当時のWRCチャンプの底力&凄さを、思い知らされましたね。
速く走らせる本能のなせる技でしょうか。
もっともっと我々も工夫しなければ・・・