クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

モーターファンイラストレーテッド

2023-12-12 13:35:20 | なんでもレポート
           * モーターファンイラストレーテッドNo206号より *
 

レーシングカーエンジニアの方が書かれているページがあります(連載中)
今回の話題はNo205号とNo206号に書かれている内容。

あくまでレーシングカーの限界走行時に起きていることです。

どのクルマであれアンダーステアーに仕上げるのがセオリー。

アンダーステアー、オーバーステアーの明確な線引きというのはないのですが、
安定姿勢を保てるのがアンダーステアー、何かのキッカケですぐに不安定姿勢になるのを
オーバーステアーとイメージしてもいいかもしれません。

定常的にリヤが流れっぱなしになるとか、ハンドルを切っても切っても曲がらないと言った
とんでもないセッティングではなく、前後バランスが常識範囲に収まっている中での話です。

エンジニアの方はアンダーステアー、つまり安定姿勢の時はリヤタイヤを使い切っていない可能性がある⋯

リヤタイヤに対してフロントタイヤが先にCFマックスになるので、
ドライバーはそれを感知して旋回速度と走行ラインをコントロールしている。

この瞬間に、リヤタイヤに余力が残っていることに着目して、フロントタイヤの容量を上げれば、
リヤタイヤを使い切ることができてタイムアップにつながる可能性があると、提案されています。

すでにギリギリのタイヤ選択がなされていれば効果が望めないのはもちろんですが、
今現在の自車のバランスを確かめる意味でも、考え方も含めてとても良いヒントかなと。

ここのところ仲間内で、このリヤタイヤを使い切る話でやりとりしています。

車両運動は物理現象なので、共通の理解が得られそうなんですが。

これに運転する"人"が加わって話が横展開⋯どう走らせているのかを紐解く必要があります。
サスペンションセッティングの話がまだ出ていないので、整理できるまでにはまだ時間がかかりそうです。


データシート その2

2023-11-22 10:12:10 | なんでもレポート
ホイールアライメントテスターで見れるのは。

・タイヤキャンバー角
・キャスター角
・スラスト角
・セットバック
・トータルトー

といった項目だったと思います。

必ず純正サスペンションであること。
そのクルマの基本情報がテスターにストックされていること。
タイヤホイールに損傷がないことなどが前提です。

ホイールアライメントテスターは最強、高精度のイメージがあるのですが
"ホイール"を測定しているので、車体の傾きとか車高の判定はできません。

なのでレーシングカーでは、フロアー下の高さ、車両姿勢、車高を整えるので、
ホイールアライメントテスターは使えません。

ではレーシングカーのアライメント調整はどうしているのかというと、
キャンバー角キャスター角は測定ポイントがあり、さらにはホイールハブに専用治具をセットして
"車体"を中心に車高が測定できるようになっているのです。

さて、ホイールアライメント調整と言えば、タイヤの整列のことなので理解しやすいのですが、
車高を測定、調整する意味は?

見た目が変わること以外、何かが変わることは分かるけど確かなことはわからない⋯

四輪のタイヤが地面に立っていて、サスペンションを介してボディーが地上高さを保ちます。

そのサスペンションはボディーの取り付けポイントを中心にして動くので、
この取り付けポイントの位置で車両姿勢が決まり、サスペンションの可動範囲が決まります。

そうなると個々のクルマごとに適値がありそうですが⋯

心配いりません。

飛行機の重心点と主翼の関係のように、
サスペンションの動的中心と車両運動はどのクルマも共通しています。(レーシングカーも)

アーチハイト、スタンディングハイト、ステップハイト、ホイールストローク⋯

レーシングカーでなくても、サスペンションが交換されていたり車高が違っていれば、
基本情報を採取するところから始めます。

それを記録するのがデーターシートです

データシート

2023-11-14 13:20:19 | なんでもレポート
サスペンションセッティング作業に欠かせない記録用紙(データシート)が
残り少なくなってきたので、何年ぶりかに作ります。

せっかくなので、直感的になんの数値を表しているのかが
わかるようにイラストを加えました。

これまで、遠くの方とやりとりする際、
メモ書きを渡してサスペンションの寸法を教えてもらうのですが、
新しい記録用紙なら説明が少なくて済みそうです。

うちに見えたお客様との会話も、たとえばこのダンパーキットのストロークバランス云々とか、
アンダーステアーを強く感じたらここの数値を何ミリ調整してください⋯
こういった説明もしやすくなります。

それと新たに追加した項目に「Standing Height」スタンディングハイトがあります。

ロワーアームの下反角(アンチロール角)のことで、スタンディングハイトは
1950年代のロールス・ロイス社の広報資料からの引用。

我が社のクルマはロワーアームが地面に対して水平より下がった(バンザイ)状態で出荷されることはありません。
とどの部分の寸法なのかイラスト入りで記されています。

この時代すでにロールス・ロイス社のエンジニアがロワーアームの角度に着目していたことが分かります。

でもそこには皆んなが知っているロールセンター理論が出てこないので、
おそらく口うるさい人たちはこれじゃあ根拠がわからないとか言って無視したのかもしれません。

その後にアーム角の話が出てこないことからも世間の理解を得られなかったんでしょうね。

もう70年以上前の話です。

この情報を見つけたのは森慶太氏。

ということで新作の記録紙の見本ができあがりました。


サスペンションセッティング

2023-11-01 15:39:32 | なんでもレポート
サスペンションセッティングの参考になる⋯はたまた迷わせるだけかもしれませんが、
サスペンションセッティング+タイヤの話をオートスポーツ誌に、
お茶飲み話的に載せていただきました。

必要なところを読み取っていただければと思います。

現在販売中の12月号。

ドライビング特集で読み応えがあります。

タイヤの話は横浜ゴムのスーパーフォミュラー用タイヤの元開発担当者。

空気圧とタイムの関係など興味深い話を教えていただきました。

サーキットアタックのタイムはタイヤ依存。
サスペンションの寄与度は?の話も出てきます。

サーキットに乗り込む時にはバネレートを高くする、減衰を高くする、
車高を下げられるだけ下げる。

これは四輪の自由度を拘束して車体と同化させる方向です。

サスペンションが動いてしまうとコントロール不能の状態に陥りやすいことが
わかっているからです。

この不安定な動きの元はといえば、
サスペンションストローク、減衰値、バネレートの固い柔らかいではなく"アーム角"です。

ロワーアームの角度のことで、地面との相対角のことです。

両サイドのタイヤを川の両岸に立てた柱とすると、
市販車をローダウンするとロワーアームはバンザイ(上反角)状態になり、
吊り橋の真ん中に車体を吊るしているのに似ています。

この状態で柱が内側に押されるとロープが緩んで車体がポチャっと川に落ちます。

これはタイヤに横力が入ると車体の上下動に影響を及ぼすということです。

次にアーム角が下反角状態の場合は突っ張り方向で支える"アーチ橋"と考えることができます。

横力を受けて柱が内側に押されると中央に置かれた車体は
川面から持ち上がる方向の力を受けて突っ張り合うことから
車体の沈み込みにくさ、傾きにくさが生じます。

つまりこの時のロワーアーム角をアンチロール角として考えるのはもちろん、
他にもいくつかの動きに影響をもたらすことから、
セッティングの最重要項目として扱います。

フォミュラカー、GTカーなどレーシングカーとして設計されているサスペンションは
例外なく下反角がついているかほぼ地面と並行に近いはずです。

格好が優先のローダウン車両は、強い上反角のせいで必ず"吊り橋川ポチャ仕様"になります。

それを知ってか知らずか水面に落ちないように必死で固めるんです。

市販車であっても、
ロワーアームに下反角のついたセッティングが走行安定性の元になることは、
世界中のクルマがそうなっていることからもうかがえます。

純粋なレーシングカーも市販車も、
安定性を得るためサスペンションセッティングの基本は同じということです。

最近のクルマで思うこと

2023-10-24 14:18:27 | なんでもレポート
エンジンの掛け方がわからない!

私だけかと思っていたら時々一緒に仕事をしているMFI誌の編集長もうんうん。

まずエンジンスタートボタンを指差ししながら探します。

すぐ見つかることもあれば、ハンドルの影に隠れて手が届きずらかったり。

でスターターボタンをポチッとやっても・・・音沙汰なしのクルマ、一呼吸おいてブルンのクルマ。

記号だらけのメーターパネルは間違い探し状態。

発進できる状態か否か・・・説明なしでは無理です。

続いてパーキングブレーキをリリースします⋯これもクルマごとに操作方法がまちまち。

シフトレバーのPポジションと連動しているクルマもあって、パーキングブレーキに関しては
ドライバーに操作を求めないクルマもあります。

だとしてもPランプがついたまま発進させる違和感は拭いきれません。

シフト操作をしてもレバーの位置からはどのギヤに入ったかの判断ができず、
メーターパネルで都度確認の必要があります。
前後にクルマを動かす度にです。

走り出すまでに全ての操作に煩わしさを感じます。

運転に自信のない人が「新しいクルマは安全だ」と思い込んで選んでしまうと⋯

毎日同じニュースを見ているかのような、お年寄りによるコンビニダイブに代表される事故で
MT車とかうんと古いクルマは見かけません。

お年寄り✖️新車比率が高いからというだけかもしれませんが、運転手にとって何が安全なのかの考え方が
あらぬところへきてしまっているのでは。

と、スタートボタンを探すたびに思います。

ゼロタッチバネ デミオ15MBの場合

2023-09-28 10:06:48 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
デミオ15MBでヒルクライム競技に参加されている方からの依頼で、ゼロタッチバネを製作しました。

すでに特注ビルシュタインを装着しているので、ゼロタッチバネを組み込む時に減衰力もチューニング。

今回のゼロタッチバネ製作にあたって純正バネ、車高、コーナーウエイトなどの
データを送って先方にゼロタッチバネ仕様を検討してもらったところ、
リヤはすでにゼロタッチバネであることがわかりました。

なので今回のゼロタッチバネはフロントのみ製作。

余談ですが、FF車のリヤはゼロタッチバネ仕様になっていることが多いのです。

*「ゼロタッチバネ」は一般用語ではなく、スペックを表すのに便利なので勝手な命名語です。

FF車のリヤは軽い上に、粘りのある接地感を得るため一般的にショックストロークをフロントよりも長く設定します。

ところがFF車の場合燃料タンクがリヤにあり、荷物、人が乗れば重くなります。
荷重変動幅が大きところにソフトなバネだと人が乗り降りするたびに車高が大きく変わります。

変動幅を少なくするには極力ハードなバネを選択したいのですが、
狙いの車高が出せて、ジャッキアップした時にバネが遊ばない⋯
その答えはまんまゼロタッチバネになってしまうということです。

さて、ゼロタッチバネを組み込んだデミオ15MBヒルクライム仕様。

軽く試乗してみました。

ひらりひらりの切り返しはもちろんコーナリングがとにかく軽快。

エンジンを降ろしたFF車のような応答といえばいいんでしょうか。

もちろんイメージですが・・・FF車なのにコーナリング番長!いや〜びっくり。

スプリングシートが緩んで外れた

2023-09-10 10:08:56 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
トラックエンジニアをやっていた時のこと。

1日のテスト走行を終え、ガレージの片づけを行う時間帯で、
チームのもう一台のマシンのスタッフがなんとなくワサワサしています。

様子を尋ねると、走行後のチェックで左リヤダンパーのスプリングシートが緩んで外れていることに気がついた⋯

単純にスプリングシートのロックが甘かっただけで、他の部分は正常。

問題はどの走行時間帯でこうなったのかです。

1日分のテストデーターがゴミ箱行きか、ここまではちゃんと走れていたと遡れるのか、
その判断ができず、ドライバーもトラックエンジニアもチームスタッフも頭を抱えている様子。

左後ろの車高が見た目でも分かるほど下がったままです。

ポールポジション獲得も、優勝経験もあるドライバーなので、ドライバーの技量を疑う必要はありません。

レーシングカーはまずコーナーウエイトを合わせないと⋯云々の話からすると、
卒倒しそうな程の狂いが生じたまま走っていたのに、テスト走行終了のチェッカーを受けるまで
ドライバーはコース上にとどまり、自分でピットに戻ってくるほどの異常を感じ取れなかったことになります。

この時の経験以来、サスペンションセッティングの要素とまとめについて、
気楽に考えればいいことと、外してはいけないことの整理がしやすくなりました。

肩を揉みほぐされた気分と言えばいいんでしょうか。

最近預かったストローク100mmのダンパーに、バネストローク59mmが組み合わせされていても、
この状態でサーキットアタックのタイムが出る(良いタイム)ことに、今更驚きません。

えっ!こんなんで平気なんだ状態のサスペンションチューニングのサンプルは数知れず⋯

結局のところクルマを乗りこなす"人"の能力に改めて驚く日々が続きます。





G-BOWLアプリ

2023-09-01 14:28:57 | G-BOWL
Red Card Modeが追加されました。

設定された旋回Gまたは減速Gの範囲を守れないとレッドカード!が出ます。

例えば、重心が高いトレーラーとかタンクローリーになると、0.2G〜0.25Gあたりが安全走行の上限です。

レッドカードモードではそれぞれのクルマの安全ないしは快適範囲と思われる上限Gを設定。

自身のクルマが属しているグループを選択するだけで走行を開始できます。

もともとG-BOWLアプリは、どんな運転操作をしているのかをGで表して、
ドライバー操作を振り返りやすくしたものですが。

レッドカードモードは、走らせるクルマそれぞれに守らなくてはいけないGの上限があることを知らせるのが目的です。

個々のクルマのリミットを超えないように運転手が注意して走らせれば、安全走行に繋がるでしょっ・・・ということです。

早速レッドカードモードを試してみました。

同乗者もGの強さを視覚情報でも見て取れるのでなんだか"楽しめ"ます。

乗用車のリミットはこれまでと同じ0.4Gで、超えればボールが転がり落ちるのと変わらないのに、
なぜだかプレッシャーが少ない!気がします。

ひとつには、設定のリミットに近づくとストロボ→警告音で教えてくれるので、「Gの溜まり場」が認識しやすく、
ボールが転がり落ちて"カーン"となった時と比べるとキズが浅い感じです。(思い込み?)

運転のクセからくるGの溜まり場が見つかれば、次はどう工夫するか。

大概は溜まり場の手前の速度管理の甘さからきています。

運転を組み立て直す段階では、速度をこんなに落とさないとダメ?となるのですが、
コーナリングが滑らかになって、レッドカードが出なくなると、
ああこれなら同乗者も快適だろうな。に気がつきます。

すると自分にも運転操作の余裕ができ、さらにいいことに丁寧に操作している感が同乗者に伝わることです。

こんなストーリーがレッドカードモードだったら描けるかもしれません。

とっくにできている人は別にして。

でも「職業運転手さん」向けに考えたのがレッドカードモードというのが本音。

使用してみての感想など書きこんでいただければと思います。


ゼロタッチバネのその後

2023-08-24 13:29:46 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
これまで製作してきたセロタッチバネキットの車型は次の通り。少しづつですが増えています。

・NA/NB共通。
・NC 専用
・ND 1.5l/2.0l共通
・デミオ ディーゼル4WD専用
・デミオMB専用
・Swift1.2l専用
・997ポルシェ専用
・レガシーアウトバック専用(納品待ち)

ローダウンキットと一番の違いはサスペンションの「アンチロール角」を生かしていること。
アンチロール角はロワーアームの下反角のことです。

ロワーアーム角と車高は連動しているので、ゼロタッチバネ製作時に「適正車高」になるように
こだわりの数値を依頼します。

個々の車両の特徴に合わせて調整をすることもあるのですが、適正車高はほぼ純正車高です。

ゼロタッチバネ仕様にしてバネレートアップした分、アンチロール角の角度変化量が純正バネの時よりも
少なくなるので、ロール運動に対して有利に働きます。

アンチロール角はロールに抵抗する力を生むのと、横Gを受けている間ロールを「起き上がらせる力」を
発揮し続けるので、ハンドル操作に対してキレキレのロールレスポンスが返ってきます。

これは元の構えに戻りやすいと言いかえることもできます。

サスペンションの筋力が何倍にもなって、ハンドル操作に対して車体ごとの動きが
ピタリついてくるクルマとの一体感が、笑顔で試乗から戻ってくる、の理由です。

仮に車高を下げてしまうと、ロワーアームの角度がアンチロール角からプロロール角ゾーンに移行するので、
横Gを受けるとロール角を増やす力を生みロールが深くなります。

今度はロールを「起き上がらせない力」として働き、横Gが消えるまでフラット姿勢に戻らなくなります。

もしローダウン仕様に乗っている人がいたら、ないしは経験者だったら、直進姿勢に戻る時、
「ハンドル」でロールを戻していることに気がつくはずです。

「適正車高仕様」と「ローダウン仕様」とはアンチロール角を効果的に使うか、プロロール角領域で
ロール応答をやっかいなものにして乗りにくくするかの違いがあります。

アンチロール角の存在は教科書に載っていません。

(それらしい説明がどこかにあるかもしれませんが⋯)

しかし、車高の上げ下げで起きることは明白で、ほとんどのクルマが当てはまります。

ゼロタッチバネの仕様を走らせれば、その「なるほど」が笑顔で実感できます。





プリロードでサスペンションセッティング?

2023-08-10 14:40:03 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
バイクのサスペンションセッティングと言えば"プリロード"がいの一番に出てきます。

メインスプリングが少し縮められてダンパーに組み込まれている状態のことですが、
この時のバネの反発力=セット荷重のことをプリロード。

ジャッキから降ろして走行姿勢になれば、プリロード値は車体重量で押し潰されて、バネたわみの中に吸収されてしまいます。

プリロード値を変更するにはスプリングシート高さを調整します。

しかしスプリングシートは車高を調整するためのもので車高が変わります。

車高が変わるとキャスター角もスイングアームの角度も変わります。

そうなると当然走りに違いが生じます。

リヤだけ触っても車体のピッチ角が変わるのでフロントにも影響が及びます。

フロントも同じでリヤにも影響します。

これらことを踏まえてプリロードという言葉に集約してバイクファンの方々は話しているのでしょうか・・・。

もしもプリロードを「直訳」してその違いが出るのは、ダンパーが伸び切る瞬間です。

この時、減衰値が並列でついてくるので判断は簡単ではありませんが、
もし違いが分かったとしても伸び切りのコツンの大小です。

サーキット走行でリヤタイヤが地面から離れるほどブレーキを掛けられる人なら、
この伸び切りの印象をどうにかしようとするかもしれませんが⋯

つまりダンパーが伸び切らないことにはプリロード違いを体感するチャンスはないのです。

なので仮に乗車状態から伸び切りまでのストロークが10mm程度といった、極端に偏ったストロークバランス(セッティング)の場合、
路面の凸凹でダンパーが伸び切る瞬間がたくさんあるので、コツンの大小をお尻で感じられるかもしれません。

でもこれはあくまで乗り心地の話です。

操作性とかコーナリングの話ではありません。

プリロードでサスペンションセッティング?・・・これがスタンディングハイト(車高)という言葉なら
サスペンションセッティングの基本となる項目なので筋が通ります。

プリロード値の大小の話に限ればサスペンションに魔法は掛かりません。

それでもプリロードを変えたら走りに違いが出たと言われたら、それは車高が変わったからに他ならず、
プリロード値の違いが走りに出たわけではありません。

プリロード⋯紛らわしいですよね。