大田区久が原*丁目に宅地33・45坪を賃借していたYさんは、更新料支払いを拒否したところ、昭和63年10月分地代が受領拒否されて供託することになった。
年末に地主の友人という弁護士から「世間並みの更新料」を支払わないとは何事かと、法的手続き取る旨の書面が届き組合に相談のうえ入会した。
直ちに、借地法に基づき法定更新になっていることを指摘し、重ねて更新料の支払いを拒否した。さらに受領拒否により地代を供託していることを地主代理人弁護士に通告した。
それから15年Yさんが死去し奥さんが相続して地代の供託を継続した。奥さんも2年前から体調を崩し入退院を繰り返すようになり、昨年には養老の老人ホームに入ることになった。その経費捻出のために借地権を処分したいと組合に相談された。
約20年及ぶ地代供託の状況で地主の承諾は困難と考えつつ、組合知り合いの不動産業者を介しての地主交渉は不調。同業者を介して借地権の購入者を得て、借地非訟手続を行った結果、地主が借地権を買い取ることになり、裁判所の鑑定のための現地調査が行われて、今年5月和解が成立した。
和解まで約7カ月経過したがこれまでの経費を差し引き手にした金額に、Yさんの奥さんは「安堵しています」と老人ホームから丁寧な挨拶があった。
東京借地借家人新聞より
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